
2025.10.21
服のリサイクル&リユースにチャレンジ!手軽にできる方法を5つ解説
「服のリサイクル&リユースにチャレンジしてみたいけど、どうやればいいかわからない」「この服はリサイクルできるの?」といった考えをお持ちの方はいませんか。
服のリサイクル&リユースに取り組めば、不要な服をただ捨てるのではなく、環境に優しい方法で再利用することができます。
本コラムでは、なぜリサイクル&リユースが重要なのかや、手軽にできるリサイクル&リユースの方法を解説します。
目次
服のリサイクル&リユースって何?

不要になった服を「ゴミ」として処分する前に、私たちにできることが「リサイクル」と「リユース」です。
私たちが普段着ている服は、製造から廃棄までの過程で多くの資源やエネルギーを消費し、環境に負荷をかけています。
しかし、リサイクルやリユースを行うことで廃棄物を減らし、資源やエネルギーの消費を抑えられるのです。
現在、服のリサイクルやリユースは、環境負荷の軽減につながる「サステナブル(持続可能)な取り組み」として注目を集めています。
ここでは、服のリサイクルとリユースについてそれぞれ解説します。
リサイクル
リサイクルとは、不要になったものや廃棄されたものを再生し、再び利用できるようにすることです。
服のリサイクルには主に2つの方法が関連します。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、回収された廃棄物を材料のままで再利用するリサイクル方法です。
服の場合、裁断して雑巾やウエス※として利用する方法や、綿状にほぐして自動車の防音材や内装材として利用する方法などがあります。
また、ポリエステルなどの合成繊維の場合は、ボタンやファスナーなどの成形材として再利用されることもあります。
※ 機械類を手入れするための雑巾のこと
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、回収された廃棄物を化学的に分解し、原料に戻してから再利用するリサイクル方法です。
服の場合、ポリエステルやナイロンといった合成繊維のリサイクルで利用されます。
例えば、ポリエステルはDMT(ジメチルテレフタレート)、ナイロンはカプロラクタムという物質に戻され、再び繊維の原料となります。
リサイクルについて詳しく知りたい方は
「リサイクルの種類は3つ!リサイクル後の例もあわせて簡単に解説」を併せてご覧ください。
リユース
リユースは、服を原料に戻さずそのまま再利用する方法です。
加工する必要がないため、リサイクルに比べてエネルギー消費が少なく、より環境負荷が低いのが特徴です。
リサイクルショップやフリマアプリを利用した古着販売、家族や友人に譲ることなどがリユースにあたります。
服のリサイクル・リユースがエコにつながる理由

近年、テレビやSNSなどで環境問題が取り上げられる機会が増えています。
そうした背景もあり、地球環境を守るためのエコ活動が盛んに行われています。
服のリサイクルやリユースも、そのひとつです。
不要な服を処分する際にリサイクルショップやフリマアプリを利用することはありますが、それがエコにつながることだと意識している方は少ないかもしれません。
ここでは、服のリサイクルやリユースがエコにつながる理由を解説します。
ゴミの削減
日本では毎年大量の衣類が生産・消費され、その多くが廃棄されています。
環境省の「令和4年度循環型ファッションの推進方策に関する調査」によると、2022年に日本国内で新たに供給された衣類の量は約79.8万トンです。
それに対し、同年に手放される衣類の量は約73.1万トンと、供給量の9割に上ります。
また、同年に手放された衣類の内訳は次の通りです。
- 廃棄された量:約47.0万トン(手放された衣類の64.3%)
- リサイクルされた量:約12.7万トン(手放された衣類の17.4%)
- リユースされた量:約13.3万トン(手放された衣類の18.1%)
廃棄された衣類のなかには、消費者が不要になって処分したものに加え、売れ残った新品の衣類も多く含まれています。
リサイクルやリユースの取り組みは進んでいるものの、いまだに廃棄される衣類の量が多いのが現状です。
こうした問題を解決するために、服のリサイクル&リユースが重要な役割を果たします。
資源の有効活用
服のリサイクル・リユースは、資源を無駄なく活用するための重要な取り組みです。
私たちが普段着ている服は、天然繊維(コットンなど)や合成繊維(ポリエステルなど)、金属、プラスチックなど、さまざまな資源から作られています。
これらの資源は、地球から採掘・採取されたり、化学的に合成されたりして生産されます。
ただし、資源は有限であるため無駄なく活用することが大切です。
そうした背景があるなか、環境省の調査によると、不要になった衣類のうちリサイクルやリユースに回されているのは35.5%ほどにとどまっています。
残りの約6割以上は、ゴミとして焼却または埋め立て処分されているのが現状です。
服を捨てることは、貴重な資源を無駄にし、環境に負荷をかけることにつながります。
服のリサイクル・リユースは、私たち一人ひとりが資源を有効活用し、環境を守るためにできる身近なアクションです。
環境汚染の防止
服のリサイクル・リユースは、焼却や埋め立てによる環境汚染を防ぐ有効な手段です。
日本では、年間約47万トンもの衣類がゴミとして捨てられており、その多くが焼却または埋め立てによって処分されています。
しかし、これらの処分方法は、深刻な環境問題を引き起こしているのです。
焼却処分による問題としては、二酸化炭素を中心とした温室効果ガスの発生があげられ、温室効果ガスは地球温暖化問題へとつながります。
埋め立て処分による問題としては、埋め立てられたゴミが分解される過程で、同量の二酸化炭素の28倍の温室効果を持つメタンガスが発生することがあげられます。
服を廃棄せずにリサイクル・リユースすることで、温室効果ガスの排出を削減することが環境汚染の防止にもつながるのです。
循環型社会の実現
服のリサイクル・リユースは、循環型社会の実現につながります。
循環型社会とは限りある資源をできるだけ無駄にせず、再利用・再生を通じて持続可能な環境を目指す社会のことです。
日本では、2000年に「循環型社会形成推進基本法」が制定され、循環型社会の実現に向けた取り組みが進められています。
この法律では、廃棄物の削減とリサイクル促進のため、次の5つの優先順位が定められています。
- 廃棄物の発生をできるだけ少なくする(発生抑制)
- 使えるものはくり返し使う(再使用)
- 再使用できないものでも資源として再利用する(再利用)
- 廃棄物の焼却で発生する熱エネルギーを回収して有効利用する(熱回収)
- 環境に影響を与えない方法で適切に処分する(適正処分)
この法律は、天然資源の消費を抑え、環境への負荷を最小限にすることを目的としています。
私たちが服のリサイクル・リユースに取り組むことは、この法律の理念にも沿った行動であり、循環型社会の実現に貢献することにつながります。
服のリサイクル&リユースの手軽な方法5選

服のリサイクルやリユースは、環境に優しい行動です。
しかし、環境に良いと理解していても、「手間をかけずに処分できる」という理由で、そのままゴミとして捨ててしまう方も少なくありません。
また、「どうすればいいかわからない」「手間がかかりそう」と感じて、リサイクルやリユースに踏み出せない方もいるでしょう。
ここでは、手軽にできる服のリサイクル&リユース方法を解説します。
お店にある「服のリサイクル回収」を活用する
アパレルショップなどでは、「服のリサイクル回収ボックス」を設置している店舗があります。
回収された衣類は、リサイクル・リユースなどの方法で新たな形で活用されます。
よく行くお店でリサイクル回収を行っていないかチェックし、実施されている場合は、積極的に不要な服をリサイクルに出してみましょう。
リサイクルショップの服の買取を活用する
身近なお店でリサイクル回収を実施していない場合は、リサイクルショップの活用もおすすめです。
リサイクルショップでは、古着のほか、家具や家電、雑貨などの中古品を買い取り、販売しています。
ただし、汚れがひどいものや在庫が過剰に余っている服は、引き取ってもらえない可能性があるため注意しましょう。
リサイクルショップで引き取られた服は、お店で再販売されるだけでなく、海外の支援団体を通じて服を必要とする人々に届けられることもあります。
また、リサイクルショップは服を売るだけでなく、お得に服を購入できる場としても魅力的です。
古着を購入することは、新しい服の生産を抑え、資源の節約や二酸化炭素の排出削減にも貢献できます。
自治体や地域の協力団体に寄付する
リサイクル回収やリサイクルショップの利用が難しい場合は、自治体や地域の協力団体への寄付を検討してみましょう。
多くの自治体では、資源回収の一環として衣類の回収を行っています。
回収方法や品目は自治体によって異なるため、お住まいの自治体のWebサイトや広報誌などで確認してみてください。
また、地域の協力団体では、国内外の貧困地域や被災地、難民支援、障害者支援などの目的で衣類の寄付を募っています。
寄付を検討する際は、Webサイトで団体の活動内容を調べたり、地域の社会福祉協議会に問い合わせたりして、寄付方法を確認しましょう。
衣類を寄付する際には、次の点を確認するとスムーズです。
- 事前に連絡する必要性
- 受け入れている古着の種類や状態
- 古着以外に寄付できるものの有無
- 指定の梱包方法
- 受け入れ可能な期間
- 指定の配送業者
- 送料の負担有無
寄付を受け付けていない衣類もあるため、事前に確認が必要です。
例えば、次のような衣類は寄付を受け付けていないことがあります。
- シミや汚れ、破れ、ほつれがひどい衣類
- 名前が書かれている衣類
- 下着、靴下(新品または未使用品を除く)
- ユニフォーム、体操服、水着
条件を満たしていない衣類を寄付すると、受け取り側が処分費を負担することになるため、事前にチェックすることが大切です。
服の寄付は、ただ手放すのではなく、リユース(再使用)として誰かの役に立つ大切な取り組みです。
「まだ誰かが気持ちよく着られるかどうか」を基準に、寄付する服を選びましょう。
お掃除に活用する
リサイクル回収が難しく、リサイクルショップで引き取ってもらえない服は、お掃除に活用するのがおすすめです。
服の素材によって、掃除に適した用途が異なります。
- 綿(コットン):吸水性が高いため、水拭き用の雑巾に最適
- フリース:静電気を帯びやすく、ホコリ取りに向いている
- ポリエステル:スポンジにも使われている素材で、汚れをこすり落とすことに向いている
着なくなった服を捨てる前に掃除用具として再利用することで、資源を有効活用できます。
資源ゴミに分別して捨てる
服をリサイクル&リユースする方法はいくつかありますが、次のような理由で実践が難しいと感じる方もいるでしょう。
- よく行くお店でリサイクル回収をしていない
- リサイクルショップが遠く、持ち込みが難しい
- 寄付したいが、梱包や手続きに時間がかかるのは負担
- そもそもリサイクルやリユースできるのかわからない服がある
- 仕事や家事が忙しく、服の整理まで手が回らない
こういった場合は、ゴミを捨てる際に衣類を資源ゴミとして分別する方法があります。
多くの自治体では、使える状態の衣類を「資源ゴミ」として回収し、リサイクルやリユースに活用しています。
ただし、回収方法や対象品目は自治体によって異なるため、お住まいの自治体のWebサイトやゴミ出しカレンダーで確認しましょう。
資源ゴミとして分別するだけなので手間がかからず、自治体が確実にリサイクル・リユースにつなげてくれるため、安心して取り組めます。
服のリサイクル&リユースを意識した選び方

リサイクルやリユースを意識した服選びは、環境に優しく、持続可能なファッションにつながります。
その一つの方法として、エシカルファッションを取り入れることが挙げられます。
エシカルファッションとは、生地の選定や生産体制、労働環境など、人や地球に配慮してつくられた衣類のことです。
例えば、次のようなアイテムがエシカルファッションに該当します。
- フェアトレード製品:生産者の労働環境や生活環境に配慮し、公正な取引のもとで作られた服
- オーガニック製品:農薬や化学肥料を使わず、有機栽培された素材を使用した服
おしゃれを楽しみながら環境への負荷を減らしたいという場合は、お気に入りのブランドの中から、エシカルなアイテムを選ぶのもおすすめです。
また、耐久性があり、シーズンを問わず着られる服を選ぶことも、無駄な消費を減らし、リサイクルやリユースをしやすくするポイントです。
品質の良い服を選び、長く大切に着ることが、廃棄される衣類を減らし、資源を有効活用することにつながります。
環境への負荷を減らしながら、無駄を出さない服選びを実践しましょう。
エシカルについて詳しく知りたい方は次のURLをご覧ください。
エシカルは地球に優しい行動?エシカルな暮らしや私達にもできるエシカルな行動を解説
公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブが運営する「イオン チアーズクラブ」は、全国の小学校1年生から中学校3年生までを対象とした活動団体です。
イオン チアーズクラブでは、環境や社会に対して興味・関心を持ち、考える力を育むため、さまざまな体験学習を実施しています。
体験学習では子どもたちがメンバーで協力し合い、一丸となって活動に取り組むため、集団行動における社会的なルールやマナーも学べます。
「リサイクルやリユースについて知ってほしい」、「楽しみながら環境や社会について学んでほしい」と考えている保護者の方は、ぜひお子さまのイオン チアーズクラブへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
イオン チアーズクラブの活動をさらに詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。
子どもたちが主役!環境・社会をテーマにした体験学習で楽しく学ぼう!
まとめ
本コラムでは、服のリサイクルとリユースの重要性について解説しました。
私たちが普段着ている服は、製造から廃棄までの過程で、多くの資源やエネルギーを消費し、環境に負荷を与えています。
服のリサイクル&リユースは、廃棄物を減らし、資源を有効活用することで、持続可能な社会の実現に貢献する重要な取り組みです。
服のリサイクルやリユースの方法には、店舗のリサイクル回収やリサイクルショップの活用、寄付、掃除への活用など、身近に取り組めるさまざまな選択肢があります。
「リサイクルやリユースに興味はあるけれど、どうすればいいのかわからない」という方は、まずお住まいの自治体のルールを確認した上で、不要な服を資源ゴミとして分別して捨てることから始めてみましょう。
公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域の発展への貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
「子どもたちの健全な育成」事業の一つである「イオン チアーズクラブ」では、小学生を中心に、環境や社会貢献活動に興味・関心を持ち、考える力を育む場として体験学習を全国で行っています。
また、中学生が環境に関する社会問題をテーマに、自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ取り組んでいる環境保全や社会貢献に関する活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」など、さまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLから詳細をご覧ください。