2024.07.23 (更新日: 2024.07.25)
高校生が取り組んでいる環境活動を発表!イオン エコワングランプリとは?
公益財団法人イオンワンパーセントクラブが主催するイオン エコワングランプリは、高校生が日ごろ取り組んでいる環境活動を発表するコンテストです。
高校生が、強い熱意をもって環境問題に向き合い、身近な課題の解決に取り組みます。
本記事ではイオン エコワングランプリの受賞校の活動内容や応募概要、主催のイオン1%クラブについて紹介します。
目次
- 公益財団法人イオン1%クラブ主催「イオン エコワングランプリ」とは?
- 受賞校の活動内容・事例を紹介!
- 1.内閣総理大臣賞 普及・啓発部門 三重県立明野高等学校・あかりのプロジェクト「エコフィードで地域にあかりを!持続可能な畜産の輪を伊勢志摩の地から」
- 2.内閣総理大臣賞 研究・専門部門 愛媛大学附属高等学校・理科部プラガールズ「海洋マイクロプラスチック汚染の実態調査と解決に向けての活動」
- 3.文部科学大臣賞 普及・啓発部門 佐賀県立伊万里実業高等学校・フードプロジェクト部「IMARI FOOD PROJECT」
- 4.環境大臣賞 研究・専門部門 青森県立名久井農業高等学校・FLORA HUNTERS「~乾燥地の塩害抑制研究と沖縄の赤土流出抑制活動~」
- 5.イオンワンパーセントクラブ賞 普及・啓発部門 香川県立三本松高等学校・三高みんなの食堂プロジェクト「“できるときにできることから自分たちの手で”~学食からエコなまちへ~」
- 6.審査員特別賞 研究・専門部門 長崎県立諫早農業高等学校・食品科学部「放置竹林の問題解決法~新しい子実体栽培方法と普及~」
- 「イオン エコワングランプリ」応募概要
- 公益財団法人イオン1%クラブについて
公益財団法人イオン1%クラブ主催「イオン エコワングランプリ」とは?
ここでは公益財団法人イオン1%クラブが主催するイオン エコワングランプリについて、詳しく解説していきます。
イオン エコワングランプリって何?とお考えの方はぜひご覧ください。
公益財団法人イオンワンパーセントクラブが主催する高校生の環境活動発表コンテスト
公益財団法人イオン1%クラブが主催するイオン エコワングランプリは、高校生を対象として2012年から実施しています。
直近でおこなわれた第12回イオン エコワングランプリは、最終審査会に 14 校が出場し、発表と質疑応答をもとに内閣総理大臣賞・文部科学大臣賞・環境大臣賞など 6 校の選考を行いました。
高校生の皆さんが日ごろ、学校で取り組んでいる「エコ活動」を発表することは、表現力や発信力を高める機会となるほか、他校の発表を聞くことで、新たな行動のきっかけをつかむ機会にもなります。
受賞校の活動内容・事例を紹介!
次は、受賞校のエコ活動の内容や事例を「第11回(2022年度)最終審査会進出校の取り組み」から紹介します。
- 内閣総理大臣賞 普及・啓発部門 「三重県立明野高等学校・あかりのプロジェクト」
- 内閣総理大臣賞 研究・専門部門 「愛媛大学附属高等学校・理科部プラガールズ」
- 文部科学大臣賞 普及・啓発部門 「佐賀県立伊万里実業高等学校・フードプロジェクト部」
- 環境大臣賞 研究・専門部門 「青森県立名久井農業高等学校・FLORA HUNTERS」
- イオンワンパーセントクラブ賞 普及・啓発部門 「香川県立三本松高等学校・三高みんなの食堂プロジェクト」
- 審査員特別賞 研究・専門部門 「長崎県立諫早農業高等学校・食品科学部」
高校生たちが授業などの中で感じた課題や疑問を取り上げ、日本国内や海外にも注目される素晴らしいエコ活動の内容や事例が盛りだくさんです。
それでは見ていきましょう。
1.内閣総理大臣賞 普及・啓発部門 三重県立明野高等学校・あかりのプロジェクト「エコフィードで地域にあかりを!持続可能な畜産の輪を伊勢志摩の地から」
1つめの活動内容・事例は「三重県立明野高等高校のあかりのプロジェクト」です。
こちらの活動内容は、明野高等高校で畜産を学ぶ生徒たちが「地域が抱える課題は何か」を知るために三重県エコフィード等利活用研究会に参加したことが始まりでした。
課題には「畜産に必要な飼料価格の高騰」や「食品産業が抱える廃棄物処理」が挙げられ、明野高等高校では畜産業と食品産業を持続可能な産業へ変えていく取り組みを開始します。
あかりのプロジェクトと命名された今回の取り組みでは、ビール工場から排出されるモルト粕や、食品工場から排出された食品廃棄物を収集し、混合してエコフィードを作り、輸入穀物使用料を85%カット、輸送にかかる温室効果ガス削減などの成果が得られました。
2.内閣総理大臣賞 研究・専門部門 愛媛大学附属高等学校・理科部プラガールズ「海洋マイクロプラスチック汚染の実態調査と解決に向けての活動」
2つめの活動内容・事例は「愛媛大学附属高等学校・理科部プラガールズの海洋マイクロプラスチック汚染の実態調査と解決に向けての活動」です。
こちらの活動内容は、愛媛大学附属高等学校の理科部プラガールズが、世界の海には1年間に約1000万トンものプラスチックごみが流入し、このままでは2050年には海洋プラごみの全容量が海洋生物の全体重を超える、という危機的な状況を知ったことが始まりでした。
その後、海洋マイクロプラスチックの汚染実態を調査した理科部プラガールズは、漁業系や農業系プラが夏に急増するという課題を発見し、対策として「海洋性分解性プラスチック」というものに着目し、開発をスタートさせます。
今回の取り組みでは、海洋性分解性プラスチックの合成への成功や、醤油と砂糖を用いた培養により生産コストを1000分の1まで下げることにも成功するなどの成果を得ました。
3.文部科学大臣賞 普及・啓発部門 佐賀県立伊万里実業高等学校・フードプロジェクト部「IMARI FOOD PROJECT」
3つめの活動内容・事例は「佐賀県立伊万里実業高等高校のフードプロジェクト部」です。
こちらの活動内容は、地産地消の一環として農産物の有効利用を進めていた佐賀県立伊万里実業高等学校の生徒たちが「食品ロス問題」の深刻さを感じたことが始まりでした。
食品ロス問題に関する調査を進めた結果、課題として「伊万里市ではフードドライブが浸透していない」ことが挙げられ、伊万里実業高等高校では「フードドライブの実施及び定着」「食品サイクルシステムの構築」「食育活動の推進」への取り組みを開始します。
今回の取り組みでは、NPO法人と共同でフードバンクを立ち上げ、フードドライブの実施や、規格外農産物の活用などをおこない、伊万里市にフードドライブの輪を広げたことによる食品ロス軽減や、活動がメディアで取り上げられるなどの成果が得られました。
4.環境大臣賞 研究・専門部門 青森県立名久井農業高等学校・FLORA HUNTERS「~乾燥地の塩害抑制研究と沖縄の赤土流出抑制活動~」
4つめの活動内容・事例は「青森県立名久井農業高等学校のFLORA HUNTERS」です。
こちらの活動内容は、環境研究班が持続的農業のためにおこなった2つのプロジェクト「乾燥地の塩害抑制技術の開発」「沖縄の赤土流出抑制活動」が始まりでした。
これまで、約14年間活動してきた名久井農業高校の環境研究班は農業の問題解決に貢献する技術開発と普及に取り組んでおり、2020年には三和土の技術も開発しています。
今回の取り組みでは、1つめの課題「乾燥地の塩害抑制技術の開発」として、畑に埋設することによって地中の塩分上昇を止めるキャピラリーバリアと呼ばれる技術や、カルシウムを利用して塩分を追い出す方法を考案し、成果を発揮、海外からも高評価を得ています。
2つめの課題「沖縄の赤土流出抑制活動」では、沖縄から青森へ問題の赤土を送ってもらい、思考錯誤を重ねた結果「赤土の固化に成功」という成果を得たほか、この取り組みが全国に報道された結果、多くの問い合わせが来るなど日本国内からも高い評価を得たのです。
5.イオンワンパーセントクラブ賞 普及・啓発部門 香川県立三本松高等学校・三高みんなの食堂プロジェクト「“できるときにできることから自分たちの手で”~学食からエコなまちへ~」
5つめの活動内容・事例は「香川県三本松高等学校の三高みんなの食堂プロジェクト」です。
こちらの活動内容は、三本松高校にある学食の利用者が少なく経営困難に陥っている状態を見た生徒たちが「学食をみんなにとっていい場所にしよう」と考えたことが始まりでした。
課題である「経営難に陥っている原因」を、三本松高等学校の生徒たちで話し合った結果、生徒全員が参加者となって学食をリニューアルオープンする取り組みを開始します。
今回の取り組みでは、三本松高等学校の生徒たち全員が運営に必要な「総務」「内装」「メニュー開発」「畑」「マルシェ」「広報」などを分担し、地産地消や食品ロス削減、地域の人々との交流機会を増やすなどの成果が得られました。
6.審査員特別賞 研究・専門部門 長崎県立諫早農業高等学校・食品科学部「放置竹林の問題解決法~新しい子実体栽培方法と普及~」
6つめの活動内容・事例は「長崎県諫早農業高等学校の食品科学部」です。
こちらの活動内容は、諫早農業高等学校食品科学部の生徒たちが微生物利用の授業で「菌床栽培」について学んだ結果、放置によって問題視されている竹を、きのこの菌床際場に利用すれば解決の糸口になるのではないか、と考えたことが始まりとなりました。
竹は年々利用が激減し放置された結果「日陰を作って他の植物の生育を妨げたり、根の浅さから土砂災害が起きやすかったり」と、早期的な解決を課題視されている現状があります。
今回の取り組みでは、竹を用いたきのこの菌床栽培技術の確立や、竹による雑菌抑制効果を実証し、全国15都道府県のきのこに関連する事業所や農園などに連携を推進した結果、竹研究会のオンライン会議に参加し、認知を高めるなどの成果を得たのです。
「イオン エコワングランプリ」応募概要
次はイオン エコワングランプリの応募概要を紹介します。
2023年のイオン エコワングランプリは終了しているため、次期におこなわれるイオン エコワングランプリの日程は公式サイトをご確認ください。
募集部門 | ▼普及・啓発部門 簡単かつ、少しの意識があれば実行可能なエコ活動 ・校内外、地域に向けて発信できているか ・どれだけの人を巻き込んで活動ができているか ・他校にも応用できる取り組みであるか などを基準に選考を行います。 ▼研究・専門部門 調査・実験をもとに課題解決を目指したエコ活動 ・解決に向けたアプローチに数値や根拠はあるか ・検証方法が適切であるか ・活動のリスクを把握し、それに対応する体制があるか などを基準に選考を行います。 |
応募資格 | 日本国内の全日制・定時制高等学校、高等専門学校で、授業および学校が承認しているクラブ活動(サークル・部活)の取り組みを対象とし、学校単位での応募(複数応募可)とします。 |
締め切り | 2023年は終了しています。 |
公益財団法人イオン1%クラブについて
公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域の発展への貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
イオン エコワングランプリの開催を通じて、次代を担う高校生や、多くの人々にエコ活動の実例や環境問題を知っていただき、エコ活動を始めるきっかけ作りを目的としています。
また今回紹介したイオン エコワングランプリ以外にも「イオン チアーズクラブ」や「中学生作文コンクール」などさまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。