2024.07.23 (更新日: 2024.07.25)
個人でできるSDGsへの取り組み具体例6選!日本の企業や政府の取り組みも紹介!
SDGsとは「持続可能な社会を実現するための国際目標」のことで、近年耳にする機会も増えましたが、何なのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
実は個人でもできるSDGsの取り組みはたくさんあります。
本コラムでは、個人でも取り組めるSDGsについて、6つの具体例を紹介します。
また、法人や政府もSDGsに取り組んでいますので、あわせて紹介します。
目次
そもそもSDGsって何?
SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
近年「SDGs」という言葉を目にする機会も増えたと思いますが、その意味や内容はよくわからないという方もいるでしょう。
まずはSDGsとは何なのかについて、詳しく解説します。
SDGsは直訳すると持続可能な開発目標
SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
2030年までに全世界が達成すべき17の目標が掲げられています。
私たちが暮らす地球は今、これまでになかった多くの課題に直面しています。
例えば地球温暖化や砂漠化といった環境問題や、貧富の格差や差別などの社会問題が深刻化しています。
このままでは私たち人間が安定した生活を送ることができなくなると心配する声が各国から挙がり、多くの課題を解決するために立てられた目標がSDGsなのです。
SDGsが掲げられた目的
SDGsの目的は次の3つです。
- 貧困を終わらせ、不平等をなくす
- 地球環境を守る
- すべての人々が平和と豊かさを享受できる世界を実現する
国連人口基金の「世界人口白書2023」によると、2023年の世界人口は80億4,500万人を突破し、人口が増えることによって起こるさまざまな影響が懸念されています。
具体例としては下記の2つが挙げられます。
- 人口増加により世界全体の資源や食料が不足し、個人や国の間で貧富の差が拡大する
- 人口増加によりエネルギー消費が増大し、地球温暖化が加速する
これらの問題を解決し、すべての人々が平和と豊かさを享受できる世界を実現させることが、SDGsの目的なのです。
SDGsが掲げる17の目標
SDGsが掲げる17の目標は次のとおりです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」と言われても、私たちにできることはあるのだろうかと考えてしまいますよね。
まずは、SDGsのそれぞれの目標が掲げられた理由を知ることも大切です。
例として「貧困をなくそう」が掲げられた理由には、紛争や災害などによって意図せず貧困を余儀なくされている人々がいることが挙げられます。
公益財団法人 日本ユニセフ協会と世界銀行の調査によると、世界では6人に1人の子どもがその日生きるだけで精一杯という、極度の貧困の中で暮らしていることがわかっています。
日本でも、2022年の生活保護申請者数は23万件を超えるなど、身近なところから世界までさまざまな貧困が生まれている実情があるのです。
SDGsが掲げる17の目標には、国内外にあるさまざまな問題を解決するという目的があります。
まずは、SDGsが掲げる17の目標を理解し、今、私たちにできることを考えてみましょう。
なぜSDGsが注目されているのか
SDGsの目的とそれぞれの目標を紹介しましたが、国際的な目標というと私たちの生活からは遠いものに思えるかもしれません。
しかし近年、メディアなどでSDGsが盛んに取り上げられるようになったのはなぜでしょうか。
理由の1つとして、SDGsが解決を目指している問題が、私たちの日常生活の中でも意識されるようになってきたことが挙げられます。
具体例としては、二酸化炭素排出量の増加による地球温暖化という地球規模の問題を、猛暑や集中豪雨などの異常気象として日常の中で体験するようになったことがあります。
自分たちの日常生活に関わる問題として危機意識が高まったことで、解決への取り組みとしてSDGsに注目が集まっているのです。
一人一人ができることは小さいかもしれませんが、みんなでSDGsを意識した取り組みを続けることで、大きな成果につながります。
SDGsは個人でも取り組める!6つの具体例を紹介
SDGsの目標は規模が大きく、目標達成のために個人でできることはないのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、個人でもSDGsの目標達成のためにできることはたくさんあります。
ここでは、個人でもできるSDGsの取り組みを紹介します。
SDGsについて学んでみる
まずはSDGsについて学び、知ることが大切です。
SDGsについて学ぶことは、さまざまな環境問題や社会問題について知り、考えることにつながります。
例えば環境問題について学ぶと、ごみの分別や節電など、個人が日常生活の中でできる取り組みがわかるようになります。
その中で自分ができることは何かを自分で考えることで、SDGsの取り組みを無理なく続けていけるようになるでしょう。
SDGsについて学ぶことで、自分に何ができるのかを考えていきましょう。
節電・節水を心がける
温室効果ガスの排出を抑制し、地球の資源を守るために、節電や節水を心がけましょう。
電気を作るための方法として日本では火力発電が主流ですが、火力発電には石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料が使われ、これらの資源には限りがあります。
また、化石燃料を燃やす際には、温室効果ガスである二酸化炭素が発生し、地球温暖化の原因になります。
電気を無駄に使うと、資源の無駄遣いや地球温暖化につながります。
照明やテレビをつけっぱなしにしないようにしたり、エアコンの設定温度に気をつけるなど、節電を心がけましょう。
また、私たちが普段使っている水をきれいにし、使える状態にする際にも、たくさんの電力が使われています。
水をきれいにするための浄水場や下水処理場、それぞれの家庭に水を供給するポンプなどで電力を使っています。
そのため、歯磨きの時にはコップを使う、お風呂の残り湯を洗濯や掃除に使う、シャワーを出しっぱなしにしないなどの節水を意識することで、社会全体での節電にもつながります。
フードロスを減らす
フードロスとは、食べ残しや買いすぎて使い切れないなどの理由で、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことをいいます。
捨てられた食品が焼却処理される際には二酸化炭素が発生し、地球温暖化の原因となります。
日本では年間523万トンものフードロスが発生しており、これは1人当たり約42kgになります。
フードロスによって食品が大量に余ってしまうだけでなく、残った食品を焼却処分する際に発生する二酸化炭素も問題になります。
また、日本では食品廃棄物を焼却処分しますが、世界的には食品廃棄物を埋め立て処分する方法が主流です。
埋め立てられた廃棄物が分解される時に発生するメタンガスは、二酸化炭素の約25倍の温室効果があるとされています。
このように、フードロスは地球温暖化の原因にもなるのです。
食べられる分だけ作ること、食べられる分だけお皿によそうこと、食材は必要な分だけ購入することなどを意識してみましょう。
ごみを減らし分別する
ごみの中にはリサイクル可能なものもあり、きちんとリサイクルに回せば、木材や石油といった限られた資源の有効活用につながります。
また、焼却や埋め立てが必要なごみの量を減らすことにもなり、処分のためのエネルギーや燃料消費量を減らし、二酸化炭素や有害物質の発生量を削減することにもなります。
分別せずに捨ててしまうと、資源を無駄にしてしまったり、処分に余計なエネルギーがかかったりする可能性があるので、日頃からごみをきちんと分別する意識を持ちましょう。
ゴミの分別は自治体によってルールが決まっているため、住んでいる自治体のルールに合わせて、正しく分別するようにしましょう。
また、生ごみは専用の処理機を利用したり、まだ使えるものは捨てるのではなくリサイクルショップやフリマアプリで売ったりすることもおすすめです。
エコバッグ・マイボトルを持ち歩く
エコバッグやマイボトルを持ち歩くことで、レジ袋やペットボトルといったプラスチックごみを減らすことができます。
レジ袋やペットボトルのようなプラスチック廃棄物は自然環境下では分解されにくく、小さなプラスチック粒子となっても、数百年以上もの間、自然界に残り続けると考えられています。
ゴミとして廃棄されたプラスチックのほとんどは最終的に海へと流れ着いて海の生態系に悪影響を与えており、現在世界中で問題となっています。
また、プラスチックは、焼却処分すると大量の二酸化炭素を排出するため、処分する際にも環境への悪影響があります。
エコバッグやマイボトルはさまざまなデザインのものが展開されていますので、お気に入りを見つけて楽しくSDGsに取り組みましょう。
国や言語の違いなどを理解する
ここまでは主に環境問題に関してできることを紹介してきましたが、SDGsの中には人や国の不平等をなくすという目標もあります。
生まれた国、人種、民族、宗教などによって、本人に責任がないにもかかわらず不利益や差別を受けている人もいます。
さまざまな国の文化や言語の違いなどを理解し、お互いを認め合うことが大切です。
言語や文化の違いを知ることができるイベントを自治体や大学、法人などが開催していることがありますので、参加してみるのもよいでしょう。
SDGsのために法人が実施している取り組み事例
SDGsのために個人ができることを紹介してきましたが、日本のさまざまな法人もSDGsに取り組んでいます。
ここでは、SDGsに取り組んでいる日本の法人を紹介します。
公益財団法人イオン1%クラブ
公益財団法人イオン1%クラブは1990年に設立され、柱となる事業として次の4つを主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
- 「次代を担う青少年の健全な育成」
- 「諸外国との友好親善の促進」
- 「地域社会の持続的発展」
- 「災害復興支援」
また、イオン1%クラブでは「イオン チアーズクラブ」「イオン エコワングランプリ」といった子ども向けの体験学習や、環境に対する考えや活動を発表する場の提供を行っています。
自然や環境に関する問題を知り、考えて、行動に移すことができる2つの取り組みは、次世代を担う子どもたちが「今できること」「これからもできること」を学べる場となっています。
さらにイオン チアーズクラブでは、環境に関するさまざまな体験や学習を1年を通して実施し、自然や環境に興味を持ち、考える力を育てるお手伝いをしています。
その他にも、さまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。
公益財団法人イオン1%クラブの活動内容を詳しく知りたい方はこちら
日本の政府がおこなっているSDGsに対する取り組み
個人や法人だけでなく、日本の政府もSDGsに取り組んでいます。
政府は2016年5月に「SDGs推進本部」を設置し、SDGs目標達成に向けた取り組みを進めています。
このSDGs推進本部によって、「ジャパンSDGsアワード」「SDGs未来都市」などがつくられています。
ジャパンSDGsアワードは、SDGs達成に役立った優れた取り組みを行っている企業・団体などを表彰しています。
また、SDGs未来都市ではSDGsの達成に向けた取り組みを積極的に進める自治体を募集し、新たな価値を創造する提案を行った自治体を認定しています。
2023年には青森県弘前市や群馬県桐生市などがSDGs未来都市に選定されています。
このように、日本の政府もSDGs達成に向けてさまざまな取り組みを推進しています。
まとめ
昨今、SDGsへの関心が高まっており、多くの企業や法人もSDGsに取り組んでいます。
本コラムで紹介したようにSDGsは企業や法人だけでなく、個人でできることもたくさんあります。
一人一人が自分にできることに取り組み、持続可能な社会を実現するためにSDGsの達成を目指していきましょう。