エコマークとは?意味や認定基準、商品の例を解説
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2024.07.23 (更新日:  2024.07.25)

エコマークとは?意味や認定基準、商品の例を解説

エコマークとは、環境に配慮した商品であることを示す環境ラベルです。

国際標準機構の規格に沿って運営されており、信頼度・認知度ともに高いマークとなっています。

実はエコマークを取得している商品は私たちの身の回りにたくさんあります。

本コラムでは、エコマークの意味や認定基準について詳しく解説するので、商品を選定する際の参考にしてください。

エコマークとは?意味や認定基準、商品・サービスの例を解説

引用:エコマーク事務局

エコマークとは、生産から廃棄まで商品のライフサイクル全体において、「環境への負荷が少ない」「環境保全に役立つ」という認定を受けた商品につけられるマークです。

エコマークの目的は、私たち消費者が環境を意識した商品選択を行ったり、商品を開発する企業の環境改善努力を推進することで、持続可能な社会形成をはかっていくことにあります。

そんなエコマークのデザインや種類、認定基準について解説します。

エコマークのデザイン

エコマークは、「環境(environment)」と「地球(earth)」の「e」をモチーフにしたマークです。

人間の手が、地球を優しく包み込んでいるデザインには、「私たち人間の手で、地球や環境を守ろう」という願いが込められています。

このマークは一般公募の中から環境庁長官賞に選ばれた作品をもとに制定されています。

エコマークの商品分野

1989年のエコマーク事業開始当初は、日用品を中心に認定が行われていました。

しかし、事業開始から30年以上が経過し、現在は70以上の商品分野において、50,000以上の商品がエコマークの認定を受けています。

また、エコマークは「モノ」だけでなく「サービス」における認定も拡大しています。

飲食店や小売店、ホテル、商業施設などでも認定されており、店舗や施設における省エネルギー化や節水、環境に配慮した消耗品の選定など、さまざまな観点での取り組みが評価されています。

ぜひ日用品以外にも、飲食店や旅行先のホテルがエコマーク認定を受けているか確認して、環境に配慮した商品・サービス選定を行いましょう。

エコマークの認定基準

エコマークの認定基準は、商品の用途や特徴によって分類された「商品類型」によって異なります。

商品の用途や特徴によって、使用される材料や環境にかかる負荷が異なるためです。

また、商品類型と認定基準には有効期限が定められており、定期的に見直しが行われるようになっています。

例えば、「衣服」という商品類型における認定基準には以下のようなものがあります。

・製品全体の総質量(ボタン、ファスナ、ホック、縫糸などの小付属を除く繊維部分の質量)に占める未利用繊維、リサイクル繊維の質量割合が表の基準配合率を満たすこと。

繊維毎の製品全体の総質量に対する基準配合率

繊維の種類基準配合率
未利用繊維※110%以上未利用原料が10%以上となること。
リサイクル繊維※2反毛繊維10%以上
ポリマーリサイクル繊維50%以上樹脂量として再生ポリマーが50%以上となること。
25%以上繊維由来のリサイクル繊維に該当する場合は、故繊維由来の再生ポリマーが25%以上。
ケミカルリサイクル繊維50%以上モノマー量として再生モノマーが50%以上となること。
25%以上繊維由来リサイクル繊維に該当する場合は、故繊維由来の再生モノマーが25%以上。
その他のリサイクル繊維50%以上
※1 未利用繊維:コットンリンター、紡績時に発生する短繊維(同グレードの糸としては利用できないものや、利用に際し何等かの処理を必要とするもの)、廃植物繊維質から取り出した繊維(バナナ繊維など)など、未利用原料を用いた繊維。
※2 リサイクル繊維:マテリアルリサイクルおよびケミカルリサイクルを指す。エネルギー回収(サーマルリサイクル)は含まない。
引用:エコマーク商品類型NO.103 「衣服 Version3.6」認定基準書

上記はあくまで一例ですが、サービスについても同様に「小売店舗」「ホテル・旅館」「飲食店」「商業施設」などの商品類型に応じて認定基準が定められています。

このように、エコマークが付けられている商品・サービスは、厳密な基準をもとに認定されています。ぜひ、環境に配慮した商品選定の基準にしてみてください。

エコマークに認定されている具体的な商品例

前述の通り、現在は70以上の商品分野において、50,000以上の商品がエコマークの認定を受けています。

皆さんの身の回りでは、具体的にどんな商品がエコマーク認定されているのか一部ご紹介します。

ジャンル商品例
日用品・家庭用品/ファッション・小物革製かばん、スーツケース、衣服、くつ下、ティッシュペーパー、食器、清掃・収納用品、石鹸、時計など
OA機器・サプライ/文具・事務用品カラープリンタ用紙、ノート、筆記具、ノートパソコン、プリンタ、シュレッダーなど
家電/家具・インテリアいす、机、黒板、ホワイトボード、ベッドフレーム、LEDランプ、テレビ、DVDプレーヤーなど
土木建築資材/設備不織布、れんがおよびブロック、木工事用資材、塗料、ガラス製品、給水栓、節水器具など
業務用資材・DIY/容器包装包装紙、紙トレー、ガラスびん、ペットボトルなど
サービス小売店舗、ホテル・旅館、飲食店、自動車保険、カーシェアリング、商業施設、美容室など

普段身につけている衣服や靴、家のインテリアや家具、ホテルや飲食店まで、日常のあらゆる場面で利用するものがエコマーク認定を受けています。

環境に配慮した商品選定を行うため、日常のお買い物でもエコマークがついているか確認するようにしていきましょう。

エコマークを取得するメリット

事業者が提供する商品やサービスにおいてエコマークを取得するメリットはさまざまありますが、私たち消費者にとっても事業者がエコマークを取得するメリットは2つあります。

  • 環境に配慮した商品・サービスであると消費者がわかりやすい
  • 事業者・消費者ともにグリーン購入法に対応できる

それぞれについて解説していきます。

環境に配慮した商品・サービスであると消費者がわかりやすい

エコマークがついていると、私たち消費者が「環境に配慮している商品・サービスである」と一目でわかります。

さまざまな環境問題がメディアで取り上げられ、私たち消費者の環境意識も高まっており、すでに日常生活の中にエコ活動を取り入れたり、これから取り入れようとする方々が増えてきています。

そんな私たちにとって、エコマークがついていると環境に配慮した商品・サービスであると一目でわかるので、商品・サービス選定の手助けになります。

事業者・消費者ともにグリーン購入法に対応できる

グリーン購入は「環境への負荷が少ない商品・サービスを優先して購入すること」で、グリーン購入法は「国を中心として環境に配慮した商品調達を推進する法律」です。

グリーン購入法では、国や独立行政法人などが購入する商品は、環境への負荷が低い商品にすることを義務付けています。

また、地方公共団体や民間事業者および私たち消費者にも、できるだけグリーン購入に努めるよう求めています。

エコマーク認定基準は、多くの商品分野でグリーン購入法のグリーン購入判断基準に対応しているため、エコマークが適合の目安として参考にされています。

そのため、事業者がエコマークを取得することで、私たち消費者もグリーン購入法に対応することができます。

さらに、消費者が環境に配慮した商品を積極的に選ぶようにすることで、企業に対して環境負荷の少ない商品の開発を促す大事な役割を果たしています。

エコマークはどうやって取得するの?

ここまででエコマークがどういったもので、認定されている商品・サービスはどんなものがあるのか、などご理解いただけたかと思います。

環境に配慮した商品・サービスの証明となるエコマークですが、どのように取得するかはご存知でしょうか。

エコマークの取得方法を把握することで、エコマークを取得した事業者がどれだけ環境に配慮しているのかという理解につながり、日々の商品選定の参考にもなります。

エコマークの取得方法

エコマークを取得するには審査を申し込み、前述した商品類型ごとに定められた認定基準を満たす必要があります。

具体的なエコマーク取得の流れは以下の通りです。

  1. エコマーク認定審査の申込
  2. 審査委員会による認定審査
  3. エコマーク認定審査の結果通知
  4. 結果通知から60日以内にエコマーク使用料の振込
  5. エコマーク使用基本契約書の締結
  6. エコマークの使用

エコマーク認定審査の申込からエコマークの使用までは約2〜3か月ほどかかります。

エコマークの審査には申込書類のほかに、対象の商品が認定基準を満たしていることを説明する資料や証明書を提出しなければならず、エコマークを取得するにはかなりの労力がかかります。

エコマークの取得と使用にかかる費用

エコマークの取得には労力以外にも取得時と使用している間に費用がかかり、具体的には「商品認定審査料」と「エコマーク使用料」があります。

それぞれの金額は、以下の通りです。

内容費用(税抜)
商品認定審査料
(「エコマーク商品認定・使用申込書」1通あたり
20,000円
「小売店舗/ホテル・旅館/飲食店/商業施設/清掃サービス/テイクアウト・デリバリー店舗/美容室」に係るエコマーク商品認定審査料
(「エコマーク認定・使用申込書」1通あたり)
40,000円
エコマーク使用料
(年間、1事業者あたり)
事業者における全てのエコマーク商品の売上高合計(1年間の出荷販売額)に比例する

上記の通り、エコマークの使用料はエコマーク商品の売上高合計によって定められています。

売上高合計ごとの使用料は以下の通りです。

エコマーク認定商品の合計売上高区分使用料(税抜)
1億円超~1億7,500万円以下150,000円
1億7,500万円超~2億5,000万円以下200,000円
2億5,000万円超~3億2,500万円以下250,000円
3億2,500万円超~4億円以下300,000円
※一部のみ掲載

このように、信頼度や認知度が高いエコマークを取得するまでに、多大な労力と費用がかけられているのです。

そんなエコマークがついた商品を購入することで、私たちも持続可能な社会の実現に貢献することができます。

ぜひ、お買い物の際にはエコマークがついた商品を探してみてください。

エコマーク以外で私たちが環境のためにできることは?

エコマークの商品を購入すること以外にも、私たちが環境のためにできることはたくさんあります。

一部の例になりますが、まだ実践していないことがあれば今日から取り組んでみてください。

  • 節電・節水を心がける
  • ゴミをなるべく増やさないようにする
  • ゴミはしっかりと分別して捨てる

節電・節水を心がける

資源やエネルギーを節約することで環境への負担を軽減できるため、節電や節水を心がけましょう。

具体的には、以下のような対策があります。

  • 使わない部屋の照明はこまめに消す
  • 家電用品を使わないときはこまめに電源を落としたり、コンセントを抜く
  • 水を出しっぱなしにしない

日常生活の中で節電・節水を心がけていきましょう。

ゴミをなるべく増やさないようにする

ゴミが増えると焼却や埋め立てにより環境汚染が進んでしまうため、ゴミをなるべく増やさないようにすることが大切です。

具体的には以下のような対策があります。

  • リサイクルできる商品を選ぶ
  • 不要になったものを必要としている人に譲る
  • 使えなくなったものをリメイクする

日常生活の中でなるべくゴミが増えないように工夫しましょう。

ゴミはしっかりと分別して捨てる

燃えるゴミ、プラスチック、缶・びん・ペットボトルなど、お住まいの自治体のルールに従って分別することでリサイクルにつながるため、正しく分別するようにしましょう。

また、ゴミを燃やして処分する際には、二酸化炭素が発生します。

リサイクルされると、焼却や埋め立てが必要なゴミの量を減らすことができ、焼却によって発生する二酸化炭素の量を減らしたり、埋め立てによって発生する有毒物質の量を減らすことにもつながります。

まとめ

エコマークは環境に配慮した商品であることを示す環境ラベルで、事業開始から30年以上の実績がある信頼度・認知度ともに高いマークです。

そんなエコマークがついている商品・サービスを選ぶことは、持続可能な社会を実現することにつながります。

今後、商品・サービスを選ぶときは、エコマークがついているかどうか確認してみてください。

また、本コラムを読んで「もっとエコについて知りたい」「実際に自然や環境問題について知ることができる体験学習に参加してみたい」という皆さまは、公益財団法人イオン1%クラブのホームページをぜひご覧ください。

小学生から中学生のお子さんは、公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」の体験学習に参加してみるのもおすすめです。

公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域発展の貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。

公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習から自然や環境に向き合うことができる「イオン チアーズクラブ」も運営しています。

イオン チアーズクラブでは、環境に関するさまざまな体験や学習を1年を通して実施し、自然や環境に興味を持ち考える力を育てるお手伝いをしています。

また、中学生が環境問題を自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ学校で取り組んでいる環境活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。

公益財団法人イオン1%クラブの活動内容を詳しく知りたい方はこちら

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