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2025.02.13
ビーチクリーンとは?具体的な活動やメリット・やり方について解説
「ビーチクリーンって何?」「どうしてビーチクリーンが必要なの?」とお考えの方へ。
ビーチクリーンは、海岸や浜辺を中心にゴミ拾いをする活動です。
海岸にはさまざまなゴミが捨てられたり、流れ着いたりすることで海洋生物が誤飲する恐れや、有害な化学物質が流れ出たりと地球に暮らす生き物にとって重大な問題です。
本記事では、なぜビーチクリーンが必要なのか、ビーチクリーンのメリットややり方を解説します。
目次
ビーチクリーンとは海辺の清掃活動のこと
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皆さんはビーチクリーンという言葉を聞いたことがありますか?
ビーチクリーンは、1985年にサンフランシスコを本部とする海洋自然保護センターが始めた、環境を守るボランティア活動です。
ゴミ袋やトング、軍手などを使用し、参加者同士で協力しながら海岸や砂浜のゴミを拾います。
ビーチクリーンによる清掃活動は、環境問題に対する意識を高め、美しい海や砂浜、海洋の生態系を守ることの大切さを学べる活動です。
なぜビーチクリーンが必要なのか
海には毎年800万トンのプラスチックゴミが流れ込んでいるとされ、世界では海洋ゴミ問題が深刻化しています。
海にたくさんのゴミが増えていくと、海や海洋生物に深刻な影響を与える恐れもあるため、みんなで協力して、海洋環境を守る必要があります。
ビーチクリーンによってゴミを拾う行動は、私たち一人ひとりの意識を変え、環境問題を解決するきっかけになるのです。
海洋ゴミが与える悪影響
海は、豊かな生態系が育まれており、さまざまな生物が生息しています。
しかし近年、海洋ゴミ問題が深刻化しており、海の環境は危機的な状況に陥っています。
環境省の調査結果によると、世界全体の海に流出するプラスチックゴミは年間で約800万トン、そのうち2〜6万トンが日本から発生した物だといわれているのです。
なぜ、プラスチックゴミが問題になるのか、理由は次のとおりです。
- プラスチックは自然分解されにくく、物によっては400年以上海を漂う
- 海洋生物が海に流れ着いたビニール袋やプラスチック容器を餌と間違えて食べると窒息したり、胃にたまり餌を食べられなくなる可能性がある
- プラスチックを誤飲した魚を食べた人間の体内に悪影響がある
魚類をはじめ、ウミガメやクジラなど、少なくとも700種類の生物が海洋ゴミによる影響を受けているといわれています。
海洋ゴミの問題が深刻化していくと、2050年には魚よりもゴミの量が多くなるといわれているほか、漁業や観光業への影響、船の運航の障害になるなど、問題は深刻化しています。
海洋ゴミを減らすためには、私たち一人ひとりが日々の生活の中で、ゴミの分別やリサイクルを徹底し、環境問題に対する意識を高めることが重要です。
ビーチクリーン活動を行う4つのメリット
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ビーチクリーンに参加するメリットは次のとおりです。
- ゴミ問題に対する意識が芽生える
- 海洋生物の生態系を守れる
- マイクロプラスチックがもたらす海洋環境への影響を学べる
- 海の景観が守れる
以下で、それぞれについて詳しく解説します。
ゴミ問題に対する意識が芽生える
ビーチクリーンに参加することで、捨てられているゴミが海やそこに住む生き物たちにどのような影響を与えているのか、あらためて気づかされる機会となります。
海岸に落ちているゴミには、漁業活動で発生した物や、日常生活から出るお菓子のパッケージ・空き缶・ペットボトルなどがあります。
海岸に打ち上げられた大量のゴミは、海洋ゴミの一部にすぎません。
実際にビーチクリーンを通してゴミを拾うことで、世界全体で抱えているゴミ問題の深刻さを実感し、自分たちの行動が環境に与える影響について考えるきっかけになるでしょう。
また、ビーチクリーンを通してゴミ問題に関するさまざまな情報を得たり、他の参加者と意見交換したりすることで、ゴミ問題に対する知識や理解を深めることができます。
ビーチクリーンは、単にゴミを拾うだけでなく「日常生活で出たゴミがどのように環境に絵悪影響を与えているのか」を知り「一人ひとりが行動を起こせば環境問題の解決につながる」という意識改革の第一歩となり、ゴミを減らすきっかけを与えてくれるのです。
海洋生物の生態系を守れる
海洋ゴミは、海洋生物の生態系に悪影響をおよぼします。
ウミガメの産卵や、孵化がしにくくなったり、餌と間違えて誤飲し、窒息する可能性もあります。
また、プラスチックゴミは消化されず、誤飲した海洋生物の胃に溜まり、必要な栄養が不足して餓死する危険性もあるのです。
ビーチクリーンを通して海にどのようなゴミが捨てられているのかを知り、拾うことで海洋生物の生態系を守ることにもつながります。
マイクロプラスチックがもたらす海洋環境への影響を学べる
マイクロプラスチックとは、5mm以下の小さなプラスチック片のことです。
海に捨てられたプラスチックが、波や紫外線で細かく砕かれて発生します。
マイクロプラスチックは、見た目ではわかりにくいほど小さく、海洋生物が誤って食べてしまう可能性があります。
マイクロプラスチックは、海中の汚染物質や、有害物質を吸着しやすい性質を持っており、海洋生物の体内に悪影響を与えてしまいます。
ビーチクリーンでは、砂浜に流れ着いたマイクロプラスチックを、ふるいを使って拾い集めます。
ビーチクリーンを通して、どれだけのマイクロプラスチックが落ちているかを実感できるほか、海を守るために私たちにできることを考えるきっかけになるでしょう。
海の景観が守れる
ビーチクリーンは、環境保全だけでなく、海の美しい景観を守るためにも役立ちます。
海沿いの観光地では、美しい海を維持することで観光客が増えます。
これにより経済効果が高まるだけでなく、観光客によるSNSでの情報発信を通じて地域の宣伝効果も期待できるのです。
ビーチクリーンの始め方
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ビーチクリーンに参加したい場合は、全国のビーチクリーン情報をまとめたプラットフォームや、ビーチクリーンを主催している団体のまとめサイトを活用しましょう。
こういったサイトには団体が主催するビーチクリーンイベントの情報がまとめて掲載されており、自分の興味関心や都合に合わせてイベントを選ぶことができます。
また、SNSで「ビーチクリーン」や「#ビーチクリーン」などのキーワードで検索すると、個人や学生団体が主催する小規模なイベントも見つけることができます。
いずれの方法を選ぶ場合でも、参加する際には持ち物や服装、集合時間などを事前に確認し、マナーを守って参加することが大切です。
ビーチクリーンの参加に必要な物は?
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ビーチクリーンに参加するにあたって、必要な持ち物はいくつかあります。
軍手・トング | 砂浜には、ガラスの破片やクラゲが打ち上げられている可能性もあるため、素手で触ると怪我につながる |
飲み物 | 汗をかきやすいため、水分補給が大切 |
タオル | 屋外での活動で汗をかくので、快適に活動するため |
ゴミ袋 | 主催団体が用意するケースが多いが必要な場合は持っていく |
帽子・日焼け止め | 夏場は日差しが強いので、熱中症対策用にあると安心 |
ふるい | マイクロプラスチックを効率よく拾うことができる |
これらの道具があれば、快適にビーチクリーンに取り組めるでしょう。
九十九里浜ビーチクリーンの活動in イオン チアーズクラブ
千葉県内のイオン チアーズクラブでは、2024年06月15日に千葉県の美しい海を未来へつなぐ取組として「千葉県誕生150周年九十九里ビーチクリーン」のイベントに参加しました。
このイベントでは、砂浜に落ちているマイクロプラスチックや発泡スチロールなどの多くのゴミを参加者全員で協力して拾い集めました。
イオン チアーズクラブのメンバーたちは、細かなごみも一生懸命に拾い、きれいになった海岸をみて嬉しそうな様子でした。
ビーチクリーンの活動を通して、イオン チアーズクラブのメンバーたちはごみを減らすために自分たちができることを改めて考える機会になりました。
イオン チアーズクラブでは様々な活動を行っています。
活動の様子などさらに詳しく知りたい方は、下のURLからご覧ください。
公益財団法人イオン1%クラブ イオン チアーズクラブ「九十九里浜ビーチクリーンの活動」
まとめ
本記事では、ビーチクリーンについて解説しました。
ビーチクリーンは海洋環境を守るために私たちができる活動の一つです。
ビーチクリーンに参加することで、環境問題について深く理解できるほか、私たちの行動が環境に与える影響について考えるきっかけにもなります。
ビーチクリーンは、誰にでも参加できる身近なボランティア活動なので、興味のある方はぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。
公益財団法人イオン1%クラブについて
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公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域発展の貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習から自然や環境に向き合うことができる「イオン チアーズクラブ」も運営しています。
イオン チアーズクラブではリサイクル工場の見学や、過去にはサトウキビを使ったさまざまなリサイクルの体験など、環境に関する体験や学習をしています。
また、高校生が日ごろ学校で取り組んでいる環境活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。