エコアクション21とは?意味や目的・取り組んでいる事業者について解説
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2024.09.09

エコアクション21とは?意味や目的・取り組んでいる事業者について解説

皆さんは、環境省が策定した環境マネジメントシステム「エコアクション21」をご存じでしょうか。

エコアクション21とは、組織や事業者等が環境へ配慮した取り組みを自主的かつ積極的に行うためのガイドラインです。

私たち消費者がエコアクション21の認証を取得した事業者の商品・サービスを利用することは、エコ活動への貢献にもつながります。

本コラムでは、エコアクション21の概要やエコアクション21認証事業者の商品・サービスを利用することのメリットなどを解説します。

エコアクション21とは?意味や目的を解説

エコアクション21とは、「組織や事業者が自主的に環境保全に取り組むための方法」を定めた日本独自の環境マネジメントシステムです。

エコアクション21が普及する以前は、環境に配慮した経営の国際基準として「ISO14001」が策定されていました。

しかし、その手続きの複雑さと高額な費用は、中小企業にとっては取り組みにくい内容となっていました。

一方でエコアクション21は、地球温暖化や産業廃棄物の増加などの環境問題に対し、中小企業でも取り組みやすいように考えられたシステムとなっています。

日本の全企業数のうち99.7%は中小企業であるため、エコアクション21が策定されたことで日本の多くの企業が環境に配慮した経営を推進できるようになりました。

エコアクション21の認証を取得するとロゴマークを使用できるため、私たち消費者が環境に配慮した商品・サービスを選ぶ際の参考にすることができます。

エコアクション21の認証取得方法と費用

エコアクション21の認証を取得していると、地球温暖化や産業廃棄物の増加といった環境問題に配慮する企業として認知されます。

企業がエコアクション21の認証を取得するまでに必要なさまざまな審査やかかる費用について、解説していきます。

エコアクション21の認証を取得する方法

エコアクション21の認証取得までの流れは下記のとおりです。

  1. 地域事務局へ審査の申し込み
  2. 必要書類送付
  3. 審査(書類審査・現地審査)の実施
  4. 中央事務局が事業者に判定結果を通知
  5. 認証・登録契約の締結、認証・登録料の納付
  6. 認証・登録証の送付、ロゴマーク使用承認

申請から認証までは、書類の提出や審査を含めて約2〜3か月程度かかります。
また、申請前にすでに3か月取り組みをしていることが必要になります。

申請には申込書のほかに環境経営レポートが必要です。

環境経営レポートでは、企業が環境に対してどのような負荷をかけてしまっているのか、また環境を配慮した取り組みとしてどのようなことを行なっているのか、などをセルフチェックする必要があります。

環境経営レポートは公表する必要もあり、企業が環境に配慮していることを社内外にアピールしたり、レポートの作成にあたって環境への考えをまとめたりする狙いがあります。

エコアクション21の認証にかかる費用

エコアクション21の認証には、「審査費用」と「認証・登録料」がかかります。

まず、審査費用は審査員1人あたり1日50,000円(税別)です。

審査員の人数は業種や従業員数によって異なり、現地調査の際は交通費も加算されます。

また、審査は初回だけではなく下記のタイミングでも実施されます。

  • 中間審査(初回認証から1年後)
  • 更新審査(初回認証の2年後から2年ごと)
  • 更新後の中間審査(更新審査の1年後)

認証・登録料は下記のとおりです。

従業員数(パート・アルバイトを含む)認証・登録料(税別)
10人以下50,000円
11人〜300人100,000円
301人〜500人150,000円
501人〜1,000人200,000円
1,001人以上300,000円

認証・登録は2年ごとに更新され、その度に上記の費用が発生します。

エコアクション21はISO14001と比較して、手続きが簡単で費用も抑えられることから、日本の中小企業にとって取り組みやすさがあり推進されています。

エコアクション21に取り組んでいる事業者

エコアクション21は全国で約7,600事業者が認証登録されています。

認証登録されている事業者の約9割は従業員数が100人以下の中小企業です。

認証されている事業者の業種は製造業、建設業、廃棄物処理業、サービス業などさまざまで、事業者の環境への意識が高まっていることがうかがえます。

私たち消費者にとって身近な例としては、飲食店などもエコアクション21の認証登録を受けている事業者があります。

そういった飲食店などを積極的に利用し、私たち消費者も持続的な社会の実現に貢献していきましょう。

エコアクション21認証事業者の商品・サービスを利用するメリットは?

そもそもエコアクション21とは、「組織や事業者が自主的に環境保全に取り組むための方法」です。

エコアクション21の認証登録をされている事業者の商品・サービスを私たち消費者が利用することで、環境保全に取り組む事業者の成長につながります。

環境保全に取り組む事業者の成長は、持続可能な社会の実現に寄与します。

そのため、私たち消費者もこれらの事業者を支援することで、持続可能な社会への貢献ができます。

  • 食品ロス防止につながる
  • 温室効果ガス排出量削減につながる

以下で、それぞれについて詳しく解説します。

食品ロス防止につながる

食品関連事業者は、事業によって発生する食品廃棄物の処理において、「廃棄物処理法」や「食品リサイクル法」などを遵守することが義務付けられています。

食品廃棄物の削減や食品循環資源の再生利用などは、環境保全に大きく役立つ取り組みです。

エコアクション21に取り組む食品関連事業者は、食品ロスの削減に力を入れているため、認証・登録されている事業者の製品やサービスを利用することは、食品ロス防止への貢献につながります。

温室効果ガス排出量削減につながる

エコアクション21に取り組む事業者の製品やサービスを利用すると、温室効果ガス排出量削減に貢献できます。

その理由は、エコアクション21に取り組んでいる事業者が、商品を製造・配送するときなどに発生する温室効果ガスの排出量削減を目標に掲げているからです。

具体的な例として、環境省が下記のような計画を発表しています。

「必要性の低い深夜営業や24時間営業など営業時間を見直すことで、人口減少下における労働力の確保や人件費の抑制、労働者の健康維持に貢献するとともに、温室効果ガスの排出を抑制する。」

そのほかにも、温室効果ガスの排出量削減に取り組む事業者は多く、地球温暖化対策への意識が高まっています。

エコアクション21に取り組む事業者の製品・サービスを積極的に利用し、活動に貢献してみてはいかがでしょうか。

私たちがエコのためにできることは?

ここまで、エコアクション21について説明してきました。

エコ活動に取り組む事業者が増えている今、私たち個人ができることもあります。

ここからは、私たちができるエコ活動を例として3つ紹介します。

  1. エコアクション21に取り組んでいる事業者について調べてみる
  2. 節電や節水など自分たちで始められるエコ活動について考えて行動する
  3. エコ活動を実施するイベントなどに参加してみる

紹介するエコ活動のなかで、取り組みやすいものから始めてみましょう。

エコアクション21に取り組んでいる事業者について調べてみる

前述の通り、エコアクション21に取り組む事業者は約7,600あります。

認証事業者は環境に配慮した製品やサービスを提供しているため、エコアクション21に取り組む事業者を選ぶことは、エコ活動への貢献につながると言えます。

まずは第一歩としてエコアクション21に認証されている事業者を知り、自然や環境問題への関心を深めましょう。

エコアクション21に認証されている事業者の活動を知ったり、提供している製品を知ることで、エコに貢献する方法を見つけられたり、環境に配慮した製品の選択に役立つでしょう。

節電や節水など自分たちで始められるエコ活動について考えて行動する

エコ活動のなかには、事業者だけでなく個人が日常生活のなかで取り組めるものもあります。

例えば、節電や節水は今日からでも意識できるエコ活動です。

個人の力は小さくてもエコ活動に取り組む人が1人でも増えれば、世界中でエコ活動に取り組む人が増えるので大きな効果になります。

日頃から個人でできるエコ活動について考えて実践し、習慣化を目指しましょう。

エコ活動を実施するイベントなどに参加してみる

エコ活動に関するイベントに参加することも、個人でできる取り組みの一つです。

例えば、下記のようなイベントを通してエコ活動について学べます。

  • 森林で自然を満喫し、環境を守る大切さを学ぶイベント
  • 地球温暖化や省エネについて学べる研修会
  • 間伐材や燃料電池などを使用した工作体験
  • 法人や学校などが出展する環境フェア

エコ活動に貢献したいけど何をすればいいかわからない、個人でできるエコ活動についてもっと知りたいなど、取り組みに興味のある方はイベントに参加して学び、実生活に活かしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

エコアクション21の取り組みの内容や目的などについて紹介しました。

年々、エコアクション21の認証を受ける事業者が増え、中小企業の中でも環境問題への意識が高まっていることが窺えます。

私たちもエコアクション21の認証登録をされている事業者の商品・サービスを利用することで、環境保全に取り組む事業者を支援でき、持続可能な社会への貢献につながります。

また、個人で取り組めるエコ活動もあるため、まずはエコ活動について知るところから始めましょう。

自分一人だけでなく、家族やお子さんを巻き込んで学ぶこともおすすめです。

このコラムを読んで「もっと食品ロスについて知りたい」「食品ロスを削減するために何かを始めたい」「SDGsについて知りたい」と思った方は、公益財団法人イオン1%クラブのホームページをぜひご覧ください。

子どもたちが取り組むさまざまな環境・社会貢献活動をご紹介しています。

公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域発展の貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。

公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習から自然や環境に向き合うことができる「イオン チアーズクラブ」も運営しています。

イオン チアーズクラブではリサイクル工場の見学や、過去にはサトウキビを使ったさまざまなリサイクルの体験など、環境に関する体験や学習をしています。

また、中学生が環境問題を自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ学校で取り組んでいる環境活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。

公益財団法人イオン1%クラブの活動内容を詳しく知りたい方はこちら

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