
2025.04.28
親子で学ぶ!環境の日とは?各地のイベントやピッタリのエコアクション5選
毎年6月5日は「環境の日」または「世界環境の日(世界環境デー)」ですが、その言葉を耳にしたことはあっても、具体的にどういった日かわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、「環境の日とはどういう日なのか」を由来とともにわかりやすく解説します。
日本や世界で実際に行われているイベントや、環境の日を子どもに伝えるのにぴったりのエコ活動についてもまとめました。
目次
環境の日ってどんな日?意味と由来を紹介

毎年6月5日の「環境の日」とは、事業者から国民一人ひとりに至るまでが、「環境保全に対する関心と理解を深めることで、環境保全活動をする意欲を高めること」を目的とした記念日です。
その成り立ちは、1972年6月5日、ストックホルムで開催された「国連人間環境会議」から始まっています。
国連人間環境会議は、各国の経済成長に伴い、地球の環境問題が深刻化してきていることを議題としたものでした。
会議では、かけがえのない地球を守るための「人間環境宣言」と「行動計画」が採択されたほか、日本からの「この会議を記念とした日を作るべきだ」という提案も通りました。
結果、毎年6月5日は「世界環境の日(または世界環境デー)」として国際的な記念日となったのです。
その後、日本では1993年に環境基本法が施行されました。この法律のなかで、国際記念日とはまた別に日本の記念日として「環境の日」が制定されたというのが一連の流れです。
環境の日は何をするの?日本のイベントや取り組み

毎年6月5日は、日本では「環境の日」にちなんだイベントや取り組みが各地で行われています。
国民の祝日ではありませんが、年々、深刻化している環境問題への意識および行動改革のために設けられている重大な記念日であることから、環境省もイベントを運営・開催しているのが特徴です。
そこでここでは、過去のイベントや取り組みを例に取り上げて、「環境の日には実際に何をするものなのか」を具体的に解説します。
環境省主催のイベント・取り組み例
環境省では、毎年6月いっぱいを「環境月間」と名づけたうえで、「環境の日の認知度アップ」と「環境問題に対するさらなる意識の向上」を目的とした情報発信を主に行っています。
2024年度に行われた取り組みを参考までにチェックしてみましょう。
バラエティ番組とのタイアップ
キャンプ・アウトドアをテーマにした人気番組とのタイアップ企画です。
自然共生サイト※をロケ地に、芸人が生物多様性や環境配慮行動を学びながら、どちらが環境に優しいキャンプ芸人かを競い合う様子を発信するといったものでした。
スポーツ界との連携
サッカーJリーグと連携したWebメディア企画です。
環境問題に焦点を当て、気候変動がスポーツの現場に与える影響や、Jリーグと環境省が連携して進める気候変動対策についての対談を掲載していました。
クリエイターとの連携
環境問題をテーマにしたオリジナル作品を複数の漫画クリエイターに依頼し、SNSに投稿してもらうといった企画です。
食品ロス削減やサステナブルファッション、特定外来生物などを、漫画というコンテンツを使ってわかりやすく解説するといった試みでした。
※ 民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域
環境省では、このように影響力のあるコンテンツや団体・個人との連携を通じて、これまで環境問題に関心が薄かった層にもメッセージを届ける工夫をしています。
地方自治体のイベント・取り組み例
地方自治体でも、環境の日や環境月間に合わせて、さまざまなイベントが行われています。こちらも過去の例をチェックしてみましょう。
大阪府大阪市の取り組み
大阪市では毎年6月の1か月間を「大阪市環境月間」として、環境問題に関する理解を深め、自ら実践行動できる意識を育むことを目的として、各種行事やイベント等を実施しています。
2024年の取り組みでは、中央図書館で「いま、環境について考えよう」という環境保全に 関する図書を展示したりしました。
他にも西成区役所では「大阪市環境月間ポス ターの掲示」を行なったり、北区役所では「市民・職員を対象とし た環境月間周知ポス ターの掲示」を行なっていたりします。
福岡県福岡市の取り組み
福岡市では、環境の保全・創造に貢献した個人・団体・学校を表彰する「福岡市環境行動賞」という制度を設けています。
この制度は、受賞者の活動を広く市民に紹介することで、市民の環境意識向上と活動の輪を広げることを目的としたものです。
表彰分野は地球温暖化対策(省エネルギー対策など)・ごみ減量・リサイクル・自然環境保護(里山保全・植林・博多湾保全など)・環境美化(地域清掃・花いっぱい運動など)・環境教育・学習があり、大賞、最優秀賞など複数の賞があります。
福岡県飯塚市の取り組み
飯塚市は、「人+自然+やさしいまち=いいづか」を目標に掲げ、6月を「環境月間」、毎月5日を「環境デー」と定め、市民一人ひとりの環境活動を推進しています。
次は、飯塚市が取り組んでいる主な環境啓発事業です。
- エコスタいいづか(環境教育推進大会):市民・団体・学校などによる環境活動発表や工作・体験コーナー設置
- 緑のカーテンエコプロジェクト:市役所での緑のカーテン育成。、苗のプレゼントも行い、市民・事業所で緑のカーテン育成に取り組んだ栽培レポートを募集し、写真や育てた感想をまとめたものを公開
- クールシェアいいづか:避暑スポットを開放し、家庭でのエアコンの使用を減らして、温暖化防止・節電を促進(旧称:街なかオアシス)
- 打ち水大作戦:市民参加型の打ち水イベントを実施(お風呂の残り湯やプール遊びの残り水などを利用)
これらの他にも、全国各地で多種多様な取り組みが行われています。
「世界環境の日」の日とは?国際記念日である理由
日本では環境基本法によって6月5日を環境の日として定めていますが、同日は国際的な記念日の「世界環境の日(世界環境デー)」でもあります。
世界環境の日は先にお話しした通り、日本が提案したことがきっかけとなって定められたものであり、1972年6月5日に開催された「国連人間環境会議」を記念したものです。
世界環境の日には、世界中の人々が「地球の未来を守るために、環境保全について考え、行動する」ことが求められています。
これ以上、環境問題を悪化させないため、また事態を改善するためには、世界中の人々の協力が必要なのです。
楽しく実践!環境の日にピッタリのエコ活動5選

6月5日の「環境の日」は、地球のことを考えて行動するのにぴったりの日です。
各地のイベントに参加するのも良いですが、参加できなかったとしても、地球保全につながるアクションはできます。
そこでここでは、親子で楽しみながら実践できる、環境の日におすすめなエコ活動を5つ厳選して解説します。どれも身近なことばかりなので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
おうちでできる!楽しくエコライフにチャレンジ
家庭でも楽しみながら環境に優しい暮らしを実践できます。
まずは、節水やゴミの削減、省エネといった簡単なことから始めてみましょう。
節水の取り組み
- 歯磨きや洗い物をする際は水を出しっぱなしにしない
- お風呂の残り湯を洗濯や清掃などに活用する
- シャワーを出しっぱなしにしない
- トイレは「大のレバー」と「小のレバー」を使い分ける
ゴミ削減の取り組み
- ゴミの分別は自治体ルールに従う
- 無駄な食材やモノは買わない
- 買い物の時はエコバッグを持参しレジ袋を使わない
- 使い捨てのモノはなるべく買わない
- 不要品はリサイクルショップやフリマを活用する
- 生ごみ処理機を活用する
省エネの取り組み
- こまめに電気を消す
- ガスコンロの火をむやみに強火にしない
- テレビをつけっぱなしにしない
- エアコンの温度を夏は高めに冬は低めに設定する
- 冷蔵庫の中身を整理する
- 電球をLEDに変える
- 炊飯器や電気ポットの長時間保温は避ける
以上のようにすぐにできることからエコ活動を始めてみましょう。
また、以下の記事ではおうちでできるエコ活動の方法をさらに詳しく解説しています。
「もっと詳しくエコ活動について知りたい!」という方はぜひご覧ください。
エコ活動とはどんな活動?今日から始められるエコ活動17選をご紹介!
地域をきれいに!親子で清掃イベントに参加
地域で行われる、ゴミ拾いや空き缶拾いといった清掃イベントに親子で参加するのもおすすめです。
清掃活動に参加することで、環境美化や地域の治安向上に貢献できます。
ポイ捨てが多い街は、漠然とした不安感を抱かせ、「少しくらいルールを破っても大丈夫」という心理を生み出し、犯罪発生率を高める可能性がありますが、ゴミがなく清潔な街は、「街をきれいに保とう」という意識を一人ひとりに芽生えさせ、ルールやマナーの向上を促します。
そのため、清掃イベントを行うことが、間接的に街全体の治安向上にもつながるのです。
また、海洋ゴミの約8割は街から流出したものだと言われているため、清掃イベントでみんながゴミを拾うことは、海洋ゴミを減らし海の生き物たちを守ることにもなります。
清掃イベントは全国で開催されているため、参加者を募集しているプラットフォームや団体のサイトを利用することで、誰でも気軽に参加できます。
自然素材で遊ぼう!親子で楽しむエコ工作
自然素材を使って、親子でエコ工作を楽しんでみるのも環境の日におすすめな活動です。
公園で子どもが拾ってきた木の実や落ち葉といった自然素材や、家にある牛乳パックや空き箱、ペットボトルなどを活用すれば、素敵なおもちゃが作れます。
身近な廃材を使って新しいものを作り出すことも、リサイクルやエコにつながる楽しい活動です。
着なくなった服はリサイクル!リサイクルショップの活用
着なくなった服は、すぐに捨てずにリサイクルしましょう。
特に、子どもの成長は早く、流行の変化もあるため、すぐに着られなくなってしまう服も多いですが、捨ててしまえばそのままゴミとなってしまいます。
服を作るためには、綿や麻、絹、ウールなどの原材料が必要ですが、原材料の生産には、水をはじめとする多くの資源が使われています。
例えば、服1着をつくるためには、原材料調達から製造までに約2,300リットル(浴槽約11杯分)もの水が必要となるのです。
着なくなった服をリサイクルショップに持ち込めば、資源の有効活用につながり、環境負荷の低減に貢献できるでしょう。
リサイクルショップで引き取られた服は、お店で販売されたり、海外で服を必要としている人々に寄付されたりするなど、日常生活で再び活用されます。
学んで行動!親子で環境イベントに参加
様々な環境イベントに参加してみるのもおすすめです。
エコイベントや工作教室などに参加すれば、環境問題についてわかりやすく解説してくれるだけでなく、エコの大切さや、今日から実践できるエコ活動について学ぶことができるでしょう。
地域によっては、「森林体験ツアー」や「子どもエコ講座」「ゴミ拾い」など、親子で楽しく参加し、環境について学べるイベントも数多く開催されています。
環境の日をきっかけに、親子で興味のあるイベントを探してみるのも、環境の日の過ごし方の一つです。
環境の日は、私たちが環境のためにできることを考えてみよう

環境の日は、私たちが地球環境のためにできることを考える良い機会です。
現在、世界や日本では、地球温暖化防止やSDGsが掲げる目標達成に向けて取り組むべきさまざまな課題があります。
環境問題を解決し、地球を守るためには、私たち一人ひとりが環境問題について学び、実際に行動することが不可欠です。
「どんな環境問題があるのか」「私たちにできることは何か」を、環境の日をきっかけに親子で一緒に考え、学び、行動してみましょう。
以下の記事では、SDGsに関して詳しく解説しています。
「SDGsってよく聞くけど何のこと?」とお困りの方は以下の記事をご覧ください。
【小学生向け】SDGsって何だろう?わかりやすく17の目標などを解説!
個人でできるSDGsへの取り組み具体例6選!日本の企業や政府の取り組みも紹介!
環境の日に関するFAQ

ここまで環境の日について、解説してきましたが、疑問に思うこともまだあるのではないでしょうか。
よくある質問をQ&A形式でまとめたので、ぜひご覧ください。
環境の日とSDGsにはどんな関係があるの?
よく耳にするSDGsと環境の日は、どちらも持続可能な未来の実現や環境保護を目的としています。
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標です。
簡単に言うと、貧困の撲滅や環境保護など、より持続可能で公平な世界をつくっていくための世界共通の目標です。
SDGsには17の目標があり、その中には「目標13:気候変動に具体的な対策を」「目標15:陸の豊かさも守ろう」など、環境に深く関連するものがあります。
環境の日に環境保全への関心と理解を深め、ゴミの分別やリサイクル、節水といったエコにつながる活動をしてみましょう。
環境の日をきっかけに学んだことを活かして、環境に配慮した生活を心がけることは、SDGsが目指すゴールの達成に貢献することにつながります。
環境の日以外に、環境に関する記念日ってあるの?
環境の日以外にも、環境に関する記念日は複数あります。
環境に関する記念日
記念日 | 日付 | 意味・由来 |
---|---|---|
省エネルギー月間 | 2月 | ・日本独自の取り組みで、省エネを促す月間 ・暖房などでエネルギー消費が増える2月に、国や国民が一体となって省エネに取り組む |
地球の日 (アースデー) | 4月22日 | ・1970年にアメリカで始まった、地球環境について考える日 ・世界各地でさまざまなイベントが開催される |
みどりの日 | 5月4日 | ・自然に親しみ、その恵みに感謝し、豊かな心を育むことを趣旨とした国民の祝日 |
ごみゼロの日 | 5月30日 | ・日本独自の記念日で、「530(ごみゼロ)」の語呂合わせ ・愛知県豊橋市から全国に広がった「530運動」が起源 |
クールアース・デー | 7月7日 | ・日本独自の記念日で、2008年のG8サミット(北海道洞爺湖(とうやこ)サミット)を契機に制定 ・七夕の日に、地球温暖化対策について考えて行動する日 |
SDGs週間 (グローバル・ゴールズ・ウィーク) | 毎年9月末の国連総会の会期と合わせた1週間 | ・毎年9月の国連総会に合わせて設定された ・SDGsの推進と達成に向けて意識を高め、行動を促す1週間 |
そのほかにも環境に関する記念日はあるため、興味のある方はぜひ調べてみてください。
環境について学ぼう!公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブの「イオン チアーズクラブ」では、小学校1年生から中学校3年生までの子どもたちが、年間を通してさまざまな環境に関する活動を行っています。
イオン チアーズクラブでは、これらの活動を通じて、「考える力を育むとともに、集団行動における社会的なルールやマナー」を学んでいます。
これまでにも、さまざまな環境に関する活動を実施してきました。
例えば、毎年環境の日に合わせて、全国のイオン チアーズクラブが近隣の河川の水質調査を行っています。
子どもたちは、調査キットを使って水の汚れ具合などを計測し、身近な水環境について学ぶと同時に、魚や虫たちが住みやすい環境かどうかを調べました。
調査結果は全国水環境マップ実行委員会によってマップとして公開され、水環境の変化の把握、水質改善や水辺の環境整備など、水環境を守る活動に役立てられています。
この他にも、イオン チアーズクラブではさまざまな活動を行っています。
イオン チアーズクラブの活動をさらに詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。
子どもたちが主役!環境・社会をテーマにした体験学習で楽しく学ぼう!
まとめ
本コラムでは環境の日について解説しました。
環境の日は、1972年に開催された国連人間環境会議をきっかけに制定されました。
環境の日が制定された目的は、一人ひとりが環境保全への関心と理解を深め、積極的に環境保全活動に取り組むように促すことです。
近年、世界や日本では地球温暖化や気候変動などの環境問題が深刻化しています。
「環境についての話はよく聞くけれど、具体的に何をすればいいのかわからない」「興味はあるけれど、難しそう…」と感じている方もいるかもしれません。
ぜひ、環境の日をきっかけに、インターネットや本で調べたり、この記事で紹介したような身近なことから始めてみましょう。
「子どもが楽しみながら、環境や自然に触れて学べる場があればいいのに」と考えている保護者の方は、ぜひ、お子さんのイオン チアーズクラブへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域発展の貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習から自然や環境に向き合うことができる「イオン チアーズクラブ」も運営しています。
イオン チアーズクラブでは、環境に関するさまざまな体験や学習を1年を通して実施し、自然や環境に興味を持ち、考える力を育てるお手伝いをしています。
また、中学生が環境に関する社会問題を自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ取り組んでいる環境活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。