
2026.04.21
地球沸騰化とはどのような現象のこと?原因や地球温暖化との違いを簡単に解説
地球沸騰化とは、簡単にいえば「地球温暖化が深刻な現状」を表した言葉です。
しかし、「地球温暖化と何が違うのか」と、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、地球沸騰化という言葉の由来や地球温暖化との違いなどについて、詳しく紹介します。言葉の意味のほか、仕組みや影響などを知りたい方はぜひご覧ください。
目次
地球沸騰化とは?地球温暖化と何が違う?

地球沸騰化とは、国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏が、2023年7月に行われた記者会見のなかで述べた言葉です。地球温暖化とは異なり、明確な定義はありません。
地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来したのです。
引用元:国際連合広報センター
地球沸騰化はあくまでアントニオ・グテーレス氏個人の発言です。
記者会見の内容を踏まえると、温暖化およびそれに伴う影響が深刻化していること、また早急な対策が求められる状況であることをわかりやすく伝えるために、「沸騰化」という言葉をあえて用いたのだと考えられます。
なお、地球温暖化とは、温室効果ガス※が過剰に増えることで地上の熱が宇宙へと放出されなくなり、地球の温度が上昇する現象を指します。
地球温暖化について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
地球温暖化とは?原因や影響、対策の取り組みなどわかりやすく解説
※ 地上から宇宙へ逃げる熱を吸収して留めるガスのこと。二酸化炭素やメタンなどが挙げられる
地球沸騰化の主な原因

地球沸騰化は、地球温暖化がより深刻になった状態を表現した言葉です。そのため、地球沸騰化の主な原因は地球温暖化と同じく、温室効果ガスの過剰な増加にあります。
そこで、温室効果ガスの増加を招く主な原因について解説します。
化石燃料の燃焼
石炭や石油、天然ガスといった化石燃料の燃焼は、地球沸騰化の最大の原因です。国連によれば、世界における温室効果ガス排出量の75%超、なかでも二酸化炭素排出量の約90%は化石燃料の燃焼が由来だとされています(出典元:国際連合広報センター)。
化石燃料は次のように、人々の生活において、さまざまな目的で燃焼されています。
- 発電
- モノ・食料生産
- 輸送手段(自動車や船など)の使用 など
電力の多くは、石炭や石油などを燃やしてつくられています。再生可能エネルギー※を使用した電力プランを選んでいる場合などでない限りは、私たちの日常生活においても発電時には温室効果ガスが発生しています。
製造業や工業、建設業などの製造過程で使われる機械や、農機具・漁船など食料の生産に利用される機械も、化石燃料で動かすのが一般的です。自動車・船・飛行機といった移動・輸送手段も、ほとんどは化石燃料で動いています。
化石燃料について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
化石燃料とは?種類やメリット・デメリットのほかあと何年で枯渇するのかまで解説
※ 太陽光や風力など、自然界由来のエネルギーのこと
森林の伐採
森林を伐採すると、その体内に蓄えられていた温室効果ガスが大気中へと放出されてしまうことが分かっています。
森林は光合成の際、空気中の温室効果ガス(二酸化炭素)を吸収し、炭素として蓄えることで成長します。そのため、森林が減ることは、地球が持つ温室効果ガスの吸収力の低下にもつながるでしょう。
世界の森林面積は、2015年から2025年の10年間で年平均412万ha純減※したと報告されています(出典元:農水省林野庁)。温室効果ガスの吸収力が低下し、地球温暖化や地球沸騰化が進行しやすくなっている可能性があります。
※ 純減とは、増加分を差し引いたうえでの純粋な減少部分を指す。
化学肥料の使用
化学肥料の使用も、地球沸騰化の原因の一つです。
まず、化学肥料を工業的に生産するときには化石燃料を使用するため、温室効果ガスが排出されます。
さらに、化学肥料に含まれる窒素は、土壌にまかれたのち、やがて温室効果ガスに変化して地上に放出されます。しかも、このときに発生する温室効果ガスは「一酸化二窒素」といって、温暖化をもたらす力が特に高いのが特徴です。
化学肥料の使用は、農作物の成長に欠かせない窒素などの補給を効率化してくれます。しかし、窒素の配合量が多いほど、温室効果ガスの発生量も多くなるため、代替肥料の研究をはじめとした対策が進められています。
地球沸騰化がもたらす主な影響

地球沸騰化と表現されるほど地球温暖化が進むことは、地球環境や人々の生活にどのような影響を与えるのでしょうか。
ここでは、地球沸騰化がもたらす主な影響について詳しく解説します。
自然災害のリスクが高まる
地球沸騰化の状況下では、自然災害のリスクが高まると予測されています。
例えば、気温の上昇は大雨を増加させます。実際、気象庁の観測によると1日の降水量が200ml以上の大雨を観測した日数は1901年以降、増加傾向にあり、最初の30年と直近の30年を比較すると約1.7倍に増加しています(出典元:気象庁)。
極端な大雨は、川のはんらんや、がけ崩れなどの災害を引き起こす原因です。
海外においても、気温上昇をはじめとした気候の変化が原因と考えられる台風や豪雨による洪水、干ばつなどさまざまな自然災害が毎年のように発生しています。
水不足のリスクが高まる
地球沸騰化の状況では、水不足のリスクも高まります。気温が上昇するほど、一部の地域では降水量が減るためです。
降水量が減れば、人々の利用できる水資源が大きく減少するため、将来的に深刻な水不足に陥りかねません。
逆に、気温の上昇によって降水量や大雨の頻度が増加すると予想されている地域も存在しますが、こういった地域にも、水不足の心配はあります。
人間が利用できる水資源は主に川の水ですが、台風や集中豪雨で川が一時的に増水しても、ダムなどにためなければ海へ流れてしまい、ほとんど使えません。
しかし、世界にはダムなどの設備が整っておらず、川の水をそのまま生活用水として使っている人々もいます。大雨が降れば多くの土砂や汚れが川に流れ込むため、飲み水など生活用水に適した安全な水が不足してしまうのです。
食料不足のリスクが高まる
地球沸騰化は、食料不足にもつながります。気温が上昇すると、作物の収穫量が減ったり、家畜の生産性が低下したりといったことが起こるためです。
例えば、気温が非常に高い年や一部地域ではコメの収穫量が減ったほか、コメが白くにごるといった品質への悪影響も報告されています。
家畜の生産性は温度や湿度といった気候による影響を受けやすいのが特徴で、気温が高いときには牛乳の生産量減少や牛・豚の発育不足、卵の品質低下が起こります。
また、猛暑日がつづいた年は、例年と比較して牛・豚・鶏の死亡数が大幅に増加したとも報告されています(出典元:農水省)。
生態系の崩壊リスクが高まる
地球沸騰化によって、多くの生物は絶滅の危機にひんしています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)※1の報告書によれば、地球の気温が1.5℃上昇※2すると、陸の生物の3~14%は絶滅リスクが非常に高くなります。また、2℃上昇で3~18%、5℃上昇では3~48%の生物の絶滅リスクが、非常に高くなるといわれています(出典元:環境省)。
あくまで予測ではあるものの、実際このように地球温暖化が進めば多くの生物は絶滅を避けられないでしょう。
※1 気候変動を科学的・社会経済的に評価し、得られた知見を広く一般に利用してもらうことを目的とした政府間組織
※2 工業化前の世界の平均気温と比較しての1.5℃上昇
地球沸騰化の対策例

地球温暖化および地球沸騰化は人々の生活にも環境にも大きな影響を与えるため、世界各国、幅広い分野で多くの取り組みが進められています。
ここでは、対策例についていくつか具体的に解説します。
環境に優しいエネルギーの開発・普及
地球沸騰化の対策として、温室効果ガスを排出しない環境に優しいエネルギーの開発や普及が進められています。
環境に優しいエネルギーとは、例えば次のようなものが挙げられます。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- 地熱発電 など
太陽光や風力など、これら自然界由来のものから得られるエネルギー源のことを「再生可能エネルギー」といいます。化石燃料などのように数が限られた資源とは違い、永続的に使い続けられるといった特徴を持つことから、この名前がつけられています。
再生可能エネルギーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【我が家が発電所に!?】あまり知られていない太陽光発電のメリットとデメリットをわかりやすく解説
風力発電のメリットとデメリットを説明!仕組みや注目されている背景も解説
【水力発電の可能性と課題】水力発電のメリットとデメリットをわかりやすく解説
植樹をはじめとした森林管理
植物は温室効果ガス(二酸化炭素)を吸収できるため、木を増やしたり、現在ある森林を保護したりといった取り組みも地球温暖化・沸騰化の対策として行われています。
具体的な取り組みは次の通りです。
- 植樹・植林活動
- 間伐※などによる森林の保全・育成
- 違法伐採対策 など
違法伐採とは、許可された面積や量、区域などを超えた伐採のことを一般的に指します。日本での取り組み例としては、各国と協力し、衛生データから伐採状況を把握したり、合法木材の推進につながる国際熱帯木材機関(ITTO)のプロジェクトを支援したりしています。
なお、植樹してすぐに二酸化炭素が目に見えて削減される訳ではありません。新しく植えるだけで終わらせず、今ある木々も含めて継続的に管理することが大切です。
※ 森林の成長に合わせて一部の木を伐採し、森林の密度を調整する作業のこと。密度が高すぎると木がうまく成長しないため、森林管理においては適度な伐採が必要となる。
ゴミの減量・関連設備の改善
ゴミの運搬および焼却時には、多くの温室効果ガスが発生しているため、地球沸騰化の対策としてゴミの削減も行われています。
ゴミ削減のためには、国や企業などはもちろんのこと、一人ひとりの意識および行動改革も重要です。
そのため、日本では、分別やリサイクル、リユースなどの普及・推進が広く行われています。各省庁のほか自治体や企業が主体となって情報を発信したり、イベントを行ったりしていることもよくあるでしょう。
また、電気自動車式のごみ収集車を導入したり、焼却施設に廃棄物発電※を導入したりなど、温室効果ガスの排出を減らすための設備改善も進められています。
※ ごみを焼却する際に生まれる熱をエネルギー源とする発電方法
日本の地球温暖化対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【日本の地球温暖化対策 最前線】日本が行っている具体的対策をわかりやすく解説
地球沸騰化を防ぐためにできる身近な取り組み

ここまで国や自治体、企業が行っている取り組みを紹介しましたが、地球沸騰化を防ぐ取り組みは個人でも行えます。例えば、次のような取り組みを試してみてはいかがでしょうか。
<エネルギーの利用量を減らす>
- 冷暖房設定や給湯温度を見直す
- 照明やテレビなどの家電を使わないときには消す
- LEDや省エネ家電を選ぶ
- 太陽光発電など環境に優しいエネルギーを導入する
- なるべく公共交通・自転車・徒歩で移動する など
<ゴミの量を減らす>
- 過剰包装は断る
- マイバックやマイボトルを利用する
- ゴミを正しく分別し、回収場所に出す
- 食品を買いすぎない、つくりすぎない、食べ残さない など
今日や明日からでもできる身近な取り組みも多く存在します。それぞれは小さな取り組みですが、一人ひとりが意識を変えてできることから取り組むことは、豊かな地球の未来につながっていくでしょう。
個人でできる地球温暖化の取り組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【その小さな一歩が未来を変える】一人ひとりができる地球温暖化対策について解説
公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブが運営する「イオン チアーズクラブ」は、全国の小学校1年生から中学校3年生までを対象とした活動団体です。
イオン チアーズクラブでは、環境や社会に対して興味・関心を持ち、考える力を育むため、さまざまな体験学習を実施しています。
体験学習では子どもたちがメンバーで協力し合い、一丸となって活動に取り組むため、集団行動における社会的なルールやマナーも学べます。
「子どもにも地球の環境問題について考えてもらいたい」と考えている保護者の方は、ぜひお子さまのイオン チアーズクラブへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
「イオン チアーズクラブ」で開催された活動
ここでは、イオン チアーズクラブでこれまでに実施してきた活動内容の一部をご紹介します。
おおさかATCグリーンエコプラザの見学
イオン茨木チアーズクラブのメンバーたちは大阪市にあるおおさかATCグリーンエコプラザを訪れ、施設見学やワークショップなどに参加しました。
施設見学では、地球温暖化とそれに伴って起きている環境問題についての説明を聞きました。
おもしろ体感コーナーといった場も用意されており、さらに、「エコマーク」や「3R※」などテーマごとに分けられたブースにて、環境に優しい取り組みの重要性についても学びました。
※ リデュース、リユース、リサイクルの頭文字をとったもので、循環型社会の実現に向けたキーワード
植樹体験

福井県のそよら福井開発で行われた植樹祭に、4つのイオン チアーズクラブから25名のメンバーが参加しました。
近隣の幼稚園や小学校の子どもたち、その保護者の方なども200名ほど参加されていて、それぞれのブロックに分かれて植樹を行いました。
メンバーたちは間が開かないようにきれいに苗を植えていき、最終的には36種類2100本もの苗を植えました。
白浜の豊かな海と生き物について学ぼう
イオン チアーズクラブのメンバーが、「白浜の豊かな海と生き物について学ぼう」イベントに参加しました。これは京都大学フィールド科学教育研究センターと環境財団による「新しい里山・里海共創プロジェクト」の一環として実施されたものです。
講義室で海の生態系について学んだ後、実験所の設備を見学しました。
さらに、白浜水族館での展示観覧に加え、バックヤードツアーも体験しました。普段はなかなか見られない水族館の裏側に、メンバーは興味津々の様子でした。
このほかにも、イオン チアーズクラブではさまざまな活動を行っています。
イオン チアーズクラブの活動をさらに詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。
子どもたちが主役!環境・社会をテーマにした体験学習で楽しく学ぼう!
まとめ
地球沸騰化とは、地球温暖化の深刻さを表す言葉です。実際、地球温暖化は年々進行しており、自然災害をはじめとした影響も増大しているのが現状です。
地球温暖化を防ぐには、省エネを意識した生活やゴミの削減などが有効であり、個人で行える取り組みも幅広くあります。まずは、自分にできることを考え、無理のない範囲で一つずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域の発展への貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
「子どもたちの健全な育成」事業の一つである「イオン チアーズクラブ」では、小学生を中心に、環境や社会貢献活動に興味・関心を持ち、考える力を育む場として体験学習を全国で行っています。
また、中学生が環境に関する社会問題をテーマに、自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ取り組んでいる環境保全や社会貢献に関する活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」など、さまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLから詳細をご覧ください。