2024.09.09
SDGsで私たちにできることは?17の目標から小・中・高・大学生向けに解説
皆さんはSDGs(エスディージーズ)についてどのくらいご存じでしょうか。
SDGsは、貧困や環境破壊など、世界で起こっているさまざまな問題を根本的に解決し、すべての人々にとってより良い世界をつくるための目標です。
本コラムでは、SDGsが掲げる17の目標や、小学生・中学生・高校生・大学生それぞれができることについて紹介します。
そもそもSDGsって何?
近年取り上げられることが多くなった「SDGs」という言葉を、皆さんも見たり聞いたりしたことがあるかもしれません。
本コラムでは「SDGs」の意味やその目的、具体的な内容について理解していきましょう。
まずは、SDGsの基礎知識について解説します。
SDGsは直訳すると持続可能な開発目標
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、「持続可能な開発目標」という意味です。
「持続可能」とは、将来の世代のために地球環境や資源を守り、今の状態を維持できることを指しています。
2015年の国連サミットで採択されたSDGsには、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられており、日本でも多くの法人・企業が本格的にSDGsに取り組み始めています。
SDGsが掲げられた目的
SDGsの目的は、大きく分けて次の3つです。
目的 | 現状と課題 |
---|---|
貧困を終わらせ、不平等をなくす | ・世界では多くの人々が貧困に苦しんでいる ・飢餓・栄養不良だけでなく、安全な水や衛生施設にアクセスしにくいこと、十分な教育や医療を受けられないことや、あらゆる差別なども「貧困」の原因の1つ ・開発途上国だけの問題ではなく、日本を含む先進国でも、都市部の貧困やジェンダー格差などが課題 |
地球環境を守る | ・地球温暖化、森林破壊、海洋汚染などの環境問題が世界規模で進行している ・地球温暖化はさまざまな危機につながり、世界中ですでに被害が出ている ・森林伐採や資源の使いすぎにより、生物多様性が失われつつある |
すべての人々が平和と豊かさを享受できる世界を実現する | ・暴力や差別の恐怖におびえながら不自由な生活を送っている人々が世界中にいる ・私たちの身近にも、家庭内暴力やいじめ、性別や宗教などを理由とした差別などが存在している |
貧困を終わらせ、地球環境を守り、すべての人々が平和で豊かに暮らせる世界を実現するという目的を達成して世界中の諸問題を解決していくために、SDGsは掲げられました。
SDGsの掲げる17の目標
上で説明した3つの目的を達成するためには、具体的な行動を起こしていくことが不可欠です。
SDGsでは、3つの目的をふまえた持続可能な開発のために国際社会が進むべき方向の道しるべとして、「17の目標」を掲げています。
17の目標は以下のとおりです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも 経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
これら17の目標は、2030年までに世界が目指すべきゴールとされています。
【小・中・高・大学生】SDGsで私たちにできることを17の目標からそれぞれ解説
SDGsの掲げる17の目標に対して、私たちができることはあるのでしょうか。
SDGsは大規模な目標のように思えますが、一人一人が小さなことを積み重ねていくことで大きな成果につながります。
自分ができる小さな取り組みから実践していきましょう。
それぞれの目標に対して、小・中・高・大学生にできることを解説していきます。
目標1:貧困をなくそう
貧困と聞くと、まず経済的に苦しい状態をイメージするかもしれませんが、社会の一般的な水準以下の生活を送らなければならない状況も貧困と呼びます。
十分な教育が受けられなかったり、安全な水や住居、食料がない状態も貧困です。
この状況を改善するためには、金銭的な支援だけでなく物理的な支援も必要です。
皆さんができる支援について見ていきましょう。
【小学生】
- 使わなくなったおもちゃや服を途上国に寄付できる取り組みについて調べ、家族や友達と一緒に参加してみる
【中学生・高校生】
- さまざまな団体が国際的な支援活動を行っているので、まずは身近なボランティア活動に参加してみる
【大学生】
- 寄付や募金に協力したり、クラウドファンディングなども利用して自分たちで寄付活動・募金活動をしてみる
ものやお金を寄付することに加え、ボランティアや募金などの活動を通して協力することもできます。
目標2:飢餓をゼロに
飢餓をなくすためには、子どもから高齢者まですべての人々が、栄養のある十分な食事をとり、飢えることのない環境づくりが不可欠です。
国連WFPによると、2023年では世界人口の10%以上にあたる、最大で7億8300万人が飢餓状態にあると報告されています。
私たちは毎日当たり前のように食事をしていますが、世界には満足に食べられない人が大勢いて、多くの子どもたちが栄養不足が原因で命を落としているのです。
また、捨てられた食材を処理する際に出る二酸化炭素により地球温暖化が進行し、異常気象などにより農業に悪影響が出ると、さらに食料が減り飢餓をもたらす可能性があります。
まずは、私たちの生活の中でまだ食べられるものを無駄にしない方法を考えてみましょう。
具体例として、以下のような取り組みが挙げられます。
【小学生】
- 好き嫌いせず食べることを心がける
【中学生】
- 食べられるのに捨てられてしまう食品を寄付できる「フードバンク」に、賞味期限が近い非常食などを寄付する
【高校生・大学生】
- 食材・食品を買う時は、食べられる分だけ買う
- 飢餓問題に取り組んでいる団体でボランティアや寄付をする
「好き嫌いをしない」「必要な量の食べ物を買う」といった小さな心がけも、食べ物の無駄を減らすことにつながります。
目標3:すべての人に健康と福祉を
すべての人々が健康的な生活を送れるようにするためには、病気の予防と、適切な治療の提供が重要です。
世界には、保険や福祉が整っていないことによって予防接種や教育を受けられず、予防すれば防げる病気で命を落としてしまう子どもたちや、貧困によって病気や怪我の治療を受けられず、薬やワクチンを手に入れられない人々がいます。
もちろん我々自身の健康維持も必要になってくるので、小学生・中学生はまずは自分の健康を、高校生・大学生はさらに一歩進んで途上国の支援をするようにしましょう。
【小学生・中学生】
- 手洗い・うがいを心がけ、習慣づける
- 食生活を改善してバランスよく栄養をとる
- 規則正しい生活を送る
- 運動を習慣化する
- 交通ルールを守り事故に気を付ける
【高校生・大学生】
- 各種支援団体を通した寄付や募金によって、貧しい国にワクチンや薬を届ける支援に協力する
私たち自身が健康的な生活を送り、感染症などの予防に努めることが、安心して生活できる社会づくりにつながります。
目標4:質の高い教育をみんなに
2021年時点で、学校に通っていない6歳から17歳の子どもは、2億4,400万人いるとされています。
学校が近くにない、先生がいない、幼い頃から労働を強要されている、紛争に巻き込まれているなど、理由はさまざまですが、そういった子どもたちは読み書きも満足にできないまま大人になり、仕事に就けなかったり、就けたとしても低収入の仕事しかなかったりします。
住んでいる場所や家庭の経済状況に関わらず、誰もが無償で質の高い基礎教育や職業訓練を平等に受けられるようにすることが大切です。
個人でできることは少ないように感じますが、まずは日本の教育の現状を知るところから始め、自分ができそうな行動につなげるとよいでしょう。
具体的には以下のような取り組みができます。
【小学生・中学生】
- 本やインターネットなどで、日本や世界の教育について調べてみる
【高校生・大学生】
- 開発途上国への教育支援活動をしている団体に募金や寄付をする
- 何らかの理由で学校に行けない子どもたちに勉強を教える学習支援のボランティアに参加してみる
私たちが当たり前に受けている教育について改めて考える機会をつくってみることが、目標達成への第一歩になります。
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
6歳から11歳の子どものうち、生涯で学校に通うことができない女の子は、男の子の約2倍といわれています。
女性というだけで、望んだ仕事に就けなかったり、十分な教育を受けられなかったり、望まない結婚を迫られたり、様々な差別を受けるケースがあります。
こういった考えが世界にはまだ根強く残っていますが、女性も男性と同じようにやりたい仕事を選んだり、教育を受けたりなど、あらゆる活動に参加できるようにすることは、当然の権利です。
ジェンダー平等は、男性や女性といった性別にとらわれることなく、あらゆる権利や機会が平等に守られることにつながるのです。
私たちにできることは、身近なところから、男女の役割が決めつけられている部分に疑問をもち、改善していくことです。
具体的なアイデアは以下のとおりです。
【小学生・中学生】
- 男の子/女の子だからこうあるべきと決めつけない・押し付けないように心がける
【高校生・大学生】
- 「ジェンダー平等」について調べて、どういった差別があるのかを知り、無意識に偏見のある考え方や発言をしていないかを見直す
- 開発途上国の女性の支援団体に寄付してみる
平等でよりよい世界をつくっていくために、世の中にどういった先入観や偏見があるのかを知ることから始めていきましょう。
目標6:安全な水とトイレを世界中に
私たちが生活の中で当たり前のように使っている水ですが、世界には安全で綺麗な水を使うことができない人々もたくさんいます。
2022年の時点で、世界では22億人、約4人に1人が安全に管理された飲み水を使用できず、湖や河川などで飲み水を確保しているといわれています。安全な水を使えないと健康をそこない、最悪の場合、下痢性疾患などで命を落としてしまうこともあります。
まずは私たちが、水の無駄遣いをなくすこと、水を汚さないことを心がけましょう。
以下のように、日常生活の中で簡単にできることがたくさんあります。
【小学生・中学生】
- 水道やシャワーはこまめに止める
- トイレでは小のレバーも活用する
【高校生・大学生】
- 食器洗いの際は、油汚れを一度キッチンペーパーで拭き取り、油を直接排水に流さない
- 洗剤を使いすぎず、排水に流す量を減らす
私たちの生活に欠かせない水を、小さな取り組みの積み重ねで守っていきましょう。
目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人が電気やガスなどのエネルギーを、安価で安定して使えるようにすることを目指す目標です。
私たちが毎日利用している電気ですが、世界には電気を供給する設備が整えられていない国もあれば、金銭的な問題から電気を得られない国もあります。
また、環境に配慮して太陽光や風力、地熱など自然の力でつくる再生可能エネルギーの使用を大幅に増やすことも目標となっています。
まずは私たちが省エネに取り組み、エネルギーについて知ることで、誰もが環境にやさしく電気を使える未来につなげていきましょう。
以下のような日常の中で実践できる取り組みに加え、エネルギーについての理解を深めることもおすすめです。
【小学生・中学生】
- テレビを見ていない時は消す
- エアコンの温度を夏は高めに、冬は低めに設定する
【高校生・大学生】
- 日本や世界のエネルギー事情、再生エネルギーについて調べてみる
- 特にSDGs目標達成に向けて積極的に取り組んでいるヨーロッパ諸国の取り組みについて理解を深め、エネルギー問題に関する視野を広げる
エネルギーは私たちの知らないところでつくられているように思えるかもしれませんが、日々の生活に密接に関わるものだからこそ、私たち自身の意識や理解が目標達成につながります。
目標8:働きがいも 経済成長も
経済的に安定して暮らすためには仕事が不可欠ですが、世界には働きたいと思っても仕事がない失業者が約1.9億人もいます。
働くことができないと収入が得られず、貧富の差はさらに大きくなります。
すべての人が働きがいのある仕事をし、経済を発展させつつ、地球環境を守るために設定されたのが、この目標です。
仕事と環境、そしてこの2つの関係を知ることがまず大切です。
小学生・中学生は周りの人の仕事の様子を見てみることから始め、高校生・大学生は自分の近い将来につながることとして考えてみましょう。
【小学生・中学生】
- 自分のものは自分で片付け、家族の負担を減らす
- 積極的に家事のお手伝いをして、家族が働きやすいようにする
【高校生・大学生】
- 高校や大学を卒業したあと、どういった環境であれば働きやすいか、働きがいを得られるかを考えてみる
- 地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動である「エシカル消費」について調べてみる
エシカル消費を心がけると、例えば児童労働に関与している違法な業者やメーカーの商品の消費抑制につながり、正しい取引が活発になることが期待されます。
生活のために仕事は欠かせませんので、どうすればよりよい形で働き続けられるのかを考えていきましょう。
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
安心して暮らせる社会をつくるためには、社会の基盤となるインフラを整え、産業や技術革新を進めていくことが重要です。
水道や鉄道、ガス・電気、インターネットなどの設備やサービスを、すべての人が平等に利用できるようにすることで、目標へと一歩近付くことができるでしょう。
インフラが整備されていなければ、災害時の困難な状況から脱するために必要な電力復旧や物資の輸送も滞ってしまいます。
個人でできることは少ないように感じるかもしれませんが、まずはSDGsのイベントに参加して、理解を深めるとよいでしょう。
おすすめの取り組みは以下のとおりです。
【小学生・中学生】
- 興味があるイベントやワークショップを見つけて参加してみる
SDGsについて学べるワークショップを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
SDGsワークショップの事例17選!小・中・高・大学生向けをまとめて紹介!
【高校生・大学生】
- 災害復旧支援団体への寄付や募金をすることで定期的に送られてくる活動レポートで、活動状況や今後の課題などをより深く、タイムリーに知る
- 災害対策強化のために、防災グッズの用意や避難ルートの確認をしておく
企業や団体のイベントや寄付活動に参加するだけでなく、防災・減災のために自分でできる準備をしておくことも立派な取り組みです。
目標10:人や国の不平等をなくそう
国によって言葉や生活様式、宗教など、異なるところはたくさんありますが、世界には生まれた環境によって、本人に責任がないにもかかわらず、差別を受けている人が大勢いるのが現状です。
所得格差も大きく、豊かな生活を送る人がいる一方で、貧困生活を強いられている人たちもたくさんいます。
こういった差別や不平等をなくすために設定された目標です。
差別をなくすためには、まず言葉や文化の違いを知り、理解することから始めましょう。
具体的には、以下のような切り口で調べたり考えたりしてみましょう。
【小学生・中学生】
- 本やインターネットで調べてみて、同じ人間でも人種、信仰する宗教など異なる場合がありそれら特徴について理解し、相手を尊重して接するようにする
- ボランティアに参加していろいろな違いをもつ人と接することで、なぜ国や言葉、文化などの違いで不平等が起こっているかを考えてみる
【高校生・大学生】
- 世界だけでなく身近なところにも目を向けて、具体的にどのような差別や不平等がなぜ起こっているのか、それらをなくすためにはどうすればいいのかについて考えてみる
差別をなくすのは難しいことですが、違いを理解し受け入れること、差別の原因をなくす方法を考えることが、目標達成のためには重要です。
目標11:住み続けられるまちづくりを
世界ではインフラが整っていない場所やスラム街などで暮らす人が多く存在し、日本では都市部への人口集中および地方人口の高齢化などの問題が発生しています。
このような、まちに関連する問題を解決し、すべての人々が安心して住み続けられるまちをつくり上げることを目標としています。
私たちにできる身近なこととしては、都市部に集中しすぎることなく、いろいろな場所に足を運ぶ人を多くするため、地域の魅力を見つけ広めることなどがあります。
その他にも普段の生活の中でできる取り組みは以下のとおりです。
【小学生・中学生】
- いろいろな地域の魅力(名産品や名所)を調べてみる
- 家族と一緒に各地へ旅行に行ってみる
【高校生・大学生】
- いろいろな地域の魅力をSNSで発信してみる
- 各地で開催されている清掃活動や防災訓練に参加してみる
住み続けられるまちづくりをするためにはさまざまな問題を解決する必要がありますが、まずは身近で取り上げられている問題に対してできることを実践してみましょう。
目標12:つくる責任 つかう責任
経済の成長に伴い、資源やエネルギーが大量生産・大量消費されています。
地球の生態系が1年間に生み出すことができる資源の量より、人類が1年間で消費する資源の量の方が多いと言われるほど、大量に作り、大量に使っているのが現状です。
このままのペースで使い続けると、将来的に地球の天然資源を使い果たしてしまい、さまざまな環境問題が生まれます。
資源の枯渇や環境問題を防ぐためにも、持続可能な生産消費のあり方を確保し、資源やエネルギーを大切にすることが必要です。
以下のように、日々の生活でもできる取り組みがあります。
【小学生】
- 好き嫌いで食べ残しをせず、食べ切る
【中学生】
- 買い物をする際は、マイバッグを持参して包装を断る
- ゴミの分別を意識して、自治体のリサイクルによる資源の再利用に協力する
【高校生・大学生】
- 買い出しの手伝いや一人暮らしの食材調達の際は必要な食材だけを購入するようにして、フードロスを減らす
「もったいない」という意識と小さな心がけで、資源やエネルギーの無駄をコツコツ減らしていきましょう。
目標13:気候変動に具体的な対策を
世界では干ばつや集中豪雨、山火事など、さまざまな自然災害が起こっていますが、これら災害の大きな原因の一つは、地球温暖化です。
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を減らし、自然災害に対する備えを強化することが求められます。
具体的にできることは以下のとおりです。
【小学生】
- 誰もいない部屋の照明を消して省エネを心がける
- お風呂のお湯を出しっぱなしにせず、お湯の使いすぎをやめる
【中学生】
- ゴミを出す際は、リサイクルできる資源を分別する
- 再生可能エネルギーについて調べてみる
【高校生・大学生】
- 世界で起きている自然災害について調べ、どのような問題があるのか調べる
- 気候変動や地球温暖化問題への活動をしている団体を調べ、寄付や募金をする
- 外出時には自転車や公共交通機関を利用し、自動車の排気ガス削減に協力する
目標12で紹介した節電の取り組みは、目標13の達成にもつながります。
主流の発電方法である火力発電は発電の際に石油や石炭、天然ガスを燃やすため、温室効果ガスである二酸化酸素が発生します。
ゴミを焼却処分する際にも大量の二酸化炭素が排出されます。
電気の無駄遣いやゴミの量を減らすことで、二酸化炭素の排出量を減らしましょう。
日常生活でのちょっとした取り組みが複数の目標の達成につながります。
「小さなことだから大した成果にはならない」と思わずに、日々できることを続けていきましょう。
目標14:海の豊かさを守ろう
海洋汚染が進んでしまっていたり、海の生態系破壊などの問題が起きています。
このままでは、食卓に欠かせない魚が満足に捕れなくなってしまう可能性もあります。
これ以上の汚染を防ぎ、健全で持続可能な海を守り、生態系の保護と回復を目指すことが必要です。
海を守るためにできる取り組みとしては、以下のようなものがあります。
【小学生・中学生】
- 飲み物の容器やストローなどのプラスチックゴミをポイ捨てせず、正しく分別して捨てるようにする
- 水筒を利用する
【高校生・大学生】
- 皿洗いをする時は、食べ残しの油をそのまま排水口に流さないようにする
- 海を守る活動・ボランティアに参加して、海岸や河原などのゴミ拾いをする
正しく分別されずに捨てられたプラスチックは雨によって河川や水路に流れ込み、最終的に海に流れ着いて海洋汚染につながります。
プラスチックの利用を減らすこと、プラスチックをきちんと分別して捨てることで、海にプラスチックゴミを流さないようにしましょう。
目標15:陸の豊さも守ろう
海だけでなく、陸の豊かさも守らなければいけません。
気候変動や都市化、無計画な伐採などによって、年々森林は減少し、地球温暖化の進行、生物多様性の喪失、自然災害の多発といったリスクが発生しています。
陸の環境破壊を防ぐために、生態系を守っていけるような生活を送るようにしましょう。
具体的には、以下のような取り組みがあります。
【小学生・中学生】
- 適切に管理された森林の資源で作られた製品についている「FSC認証マーク」がついたノートなどを選ぶ
- 好きな花の種や植物の苗などを植えて庭・ベランダで植物を育てることで、地域の生態系を守る
【高校生・大学生】
- 環境保護活動を行う事業者の応援、ボランティアへの参加や寄付・募金をしてみる
都市部・郊外では、庭の木や花壇の花が地域の生態系を支える重要な役割を担っています。
「生態系を守る」と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、実際の取り組みは小学生から大学生まで簡単に実践できるものがたくさんありますので、できることから始めてみましょう。
目標16:平和と公正をすべての人に
平和な日本では考えられないかもしれませんが、世界では常に紛争や戦争が発生しています。
戦争・紛争によって貧困や飢餓、衛生状態の悪化、人権侵害などが引き起こされており、平和な暮らしが送れない人が大勢います。
どんなことが世界で起きているのかを知り、国際的な紛争問題や戦争について調べてみましょう。
具体的には、以下のような取り組みがあります。
【小学生・中学生】
- テレビやニュースなどで情報を得たら、家族や友達と話してみて、世界で何が起きているかについて興味を持つ
【高校生・大学生】
- 国際的な紛争問題に興味を持ち、調べてみる
- 18歳以上であれば選挙に足を運んで投票することで、公正な社会をつくるために自分の意見を伝える機会を生かす
世界の現状について知り、自分の意見を伝えることが目標達成につながります。
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsを達成するためには、すべての国、地域、自治体、そして私たち一人一人が協力する必要があります。
そのためにも、まずはSDGsに興味を持ち、調べたり学んだりして、世界が直面しているさまざまな課題について考えてみましょう。
具体的には、以下のような取り組みがあります。
【小学生・中学生】
- SDGについて家族と話し合い、できることを考えてみる
【高校生・大学生】
- SDGsに関するイベントやワークショップに参加してみる
- SDGsの達成に向けて頑張っている企業の製品・サービスを利用する
一個人でできることは小さなことと思いがちですが限られています、一人一人がSDGsを意識することに意味があります。
より具体的な支援をしたい場合は、SDGsの達成に向けて取り組む団体や事業者への募金などをサポートすることも大きなアクションと言えるでしょう。
SDGsのために私たちができることはたくさんある
難しく聞こえるSDGsですが、できることはたくさんあります。
節電や節水、リサイクルといった具体的な行動から、友人や家族と話してみることまで、どれも立派なSDGsの取り組みです。
自分にできることはないからと思わず、小さなことから始めてみましょう。
自分にできることを17の目標から考えてみよう
ここまで見てきたとおり、SDGsには17つの目標があります。
それぞれの目標について提案した取り組みの中には、「これは難しいけど、これはできそう」というものもあったのではないでしょうか。
ゴミを減らすことや、手洗いうがいを心がけることなら、小学生でも簡単に実践できるでしょう。
自分にできることは何かを考え、実践し、続けていくことが、SDGs達成への一歩となります。
SDGs達成のためには「みんなの力」が大切
SDGsは世界的な問題の解決に向けた目標ですが、一人一人の協力が不可欠です。
一人では小さな力にしかなりませんが、それが10倍、100倍になれば大きな成果につながります。
わずかな募金でも、問題に取り組んでいる団体に寄付することで、支援活動を継続しやすくなり、SDGsの目標達成につながります。
些細なことでも、自分にできることから始めていきましょう。
まとめ
SDGsと聞くと難しく感じるかもしれませんが、日々の生活の中で少し意識するだけでも簡単に協力できることがたくさんあります。
まずはSDGsと17のゴールについて知り、自分にできることを探してみましょう。
このコラムを読んで「もっとSDGsについて知りたい」「食品ロスを削減するために何かを始めたい」と思った方は、公益財団法人イオン1%クラブのホームページをぜひご覧ください。
子どもたちが取り組むさまざまな環境・社会貢献活動をご紹介しています。
公益財団法人イオン1%クラブについて
公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域発展の貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習から自然や環境に向き合うことができる「イオン チアーズクラブ」も運営しています。
イオン チアーズクラブではリサイクル工場の見学や、過去にはサトウキビを使ったさまざまなリサイクルの体験など、環境に関する体験や学習をしています。
他にも、中学生が環境問題を自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ学校で取り組んでいる環境活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施しています。
小学生から高校生まで幅広い年齢のお子さんがさまざまな体験学習を通してSDGsに触れられる活動を多数実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。