海面上昇とは?原因や影響・地球温暖化との関係性についてわかりやすく解説
環境

2026.03.24

海面上昇とは?原因や影響・地球温暖化との関係性についてわかりやすく解説

海面上昇とは、海の平均水位が上がる現象のことで、地球温暖化とも深く関係しています。太平洋の島国が被害を被っているニュースを耳にした方もいるかもしれません。

なぜ海面の水位が上がるのか、どのような影響があるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、海面上昇の仕組みや原因、温暖化との関係性、私たちの生活への影響などについて、わかりやすく解説します。

海面上昇の定義と現状

海面上昇とは、世界の海面の水位がかつてない速さで上昇している現象のことで、国連は「緊急かつ深刻化する脅威」と述べています。

海面上昇が起こると、海沿いの陸地が水没して陸地の面積が減少するほか、高潮による浸水のリスクが高まるため問題視されています。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1901年から2018年の期間に、世界の平均海面水位が200mm上昇したと報告しました。

さらに海面が上昇する速度も加速しており、1901~1971年の期間の上昇率が1年あたり平均1.3mmだったのが、2006~2018年では約2.8倍の3.7mmになったとも述べています。

日本近海の海面水位については、1980年代後半から上昇し続けています。2006年から2018年の間には、1年あたり約3.4mmのペースで海面が上昇しました。

日本は海に囲まれた島国です。このままのペースで海面上昇が続き海面水位が1m上昇した場合、日本の砂浜の9割が海に沈んでしまうといわれています。

※ 気候変動の状態や、それに伴う経済社会への影響に関して、科学的見解を持って評価・提供する国際機関

原因が地球温暖化って本当?海面上昇の仕組みを解説

海面上昇の原因は、海水の熱膨張と、氷床・氷河の融解です。これには地球温暖化が関わっており、少なくとも1971年以降に観測されている海面上昇は「人々の活動が主な原因である可能性が非常に高い(出典元:気象庁)」とされています。

ここでは、海面上昇が引き起こされる仕組みについて解説します。

原因①海水の温度上昇

海面上昇の原因の一つは、地球温暖化に伴う海水温度の上昇です。

水は4℃以上になると、水温が上がるにつれ体積が増えます。海水も同様で、地球温暖化によって大気や海水の温度が上昇すると、海水の体積が増えて膨張するため、海面の上昇が起こります。

IPCC第6次評価報告書によると、1971〜2018年に観測された海面上昇の原因について、「熱による海水の膨張の影響が50%を占める(出典元:気象庁)」といいます。

原因②グリーンランドや南極などの氷床・氷河の融解

海面上昇のもう一つの原因は、グリーンランドや南極の陸上の氷床や氷河が融解して海に流れ込むことです。

氷床とは、降った雪がとけないまま、長期間にわたって降り積もり続け、やがて土地全体を覆う厚い氷になったものです。グリーンランドと南極に存在します。

氷河とは、同じように雪が押し固められてできた氷が、重力によって山の上から下へと川のように流れ動いているものです。

地球温暖化が進んで気温が上がると、氷床・氷河などの陸上の氷が少しずつ融解します。陸上の氷がとけて水となり海に流れこめば、当然ながら海水の量が増えるため、海面が上昇します。

IPCC第6次評価報告書によると、1971〜2018年に観測された海面上昇の原因について、「氷床からの氷の消失が20%、氷河からの氷の減少が22%を占める(出典元:気象庁)」といいます。

地球温暖化について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

地球温暖化とは?原因や影響、対策の取り組みなどわかりやすく解説

※ 大陸の大部分が北極圏にある世界最大の島

海面上昇がもたらす環境や人々への影響

海面上昇は、地球温暖化による異常気象と複雑に絡み合って、私たちの生活に影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、海面上昇がもたらす影響について具体的に見ていきましょう。

海沿いの陸地が水没する

海面上昇が進むと、海沿いの低い土地は、海に沈む恐れがあります。

特に平均海面からの高さ(標高)が10mより低い沿岸部は、海面上昇の影響を受けやすい地域です。例えば、太平洋にある小さな島々の多くは、標高が平均1〜2mしかありません。

島国ツバルでは、「このまま海面上昇が続けば、2100年には首都のある島の95%が海に沈んでしまう」といわれており、すでに他国への移住が進められています。

また、ソロモン諸島ではすでに沈んでいる島もあり、住宅の50%が失われてしまっているといいます。

高潮などの自然災害の被害が深刻化しやすくなる

海面上昇が進むと、巨大な高潮などが起こりやすくなり、被害がより大きくなる恐れがあります。

高潮とは、台風や発達した低気圧によって気圧が下がり、海面が吸い上げられることや、強風で海水が岸に押し寄せることで発生する現象です。海面が上昇すれば、通常よりも高い潮位となるため、浸水のリスクが高まります。

そのうえ、海水温が上昇すると台風の勢力が強まります。勢力の強い台風であるほど、海面の吸い上げ効果が高まり、かつ強風による高波も起こりやすくなります。

このように複数の自然災害が影響し合うことも、被害の深刻化につながるでしょう。

海水が川に逆流しやすくなる

海面が上昇すると、川と海がつながる河口付近では、海水が川に逆流しやすくなります。

川に海水が混ざると、沿岸部では地下水にも塩分が混じる塩水化が進むと予想されています。地下水を飲料水や農業用水などに利用している場合、影響は深刻です。

また、海面上昇に高潮や雨水の河川への流入が重なると、沿岸部の氾濫の危険性が高まります。

海面上昇は海沿いに住む人々だけの問題ではありません。川や地下水を通じて、内陸部の人々の生活にも影響を与えるのです。

日本や世界が取り組む「海面上昇対策」

海外では海面上昇によって、すでに人々の生活に影響が出ている国や島があり、世界各国では、その原因である地球温暖化への対策が進められてています。

ここでは、海面上昇を防ぐための緩和策のほか、海面上昇による被害を抑えるための適応策について、日本と世界の取り組みを解説します。

日本の海面上昇対策

海面上昇を防ぐためには、温室効果ガスの排出を抑制し地球温暖化を止める必要があります。

日本では、2024年に地球温暖化対策推進法を改正し、2050年までのカーボンニュートラルの実現を法律に明記しました。この改正は、温室効果ガス削減のための技術革新や投資、社会の脱炭素化の推進を目的としています。

また、海面上昇による災害の深刻化に備え、国土交通省港湾局が「港湾における気候変動適応策の実装方針」を策定し、港湾施設の設計基準を改正しました。

新たな基準では、防波堤などの設計において、将来の気候変動の影響を考慮することが求められています。

気候変動を反映した設計事例集も作成され、今後も事例の収集や技術開発が継続される予定です。

日本の地球温暖化対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

【日本の地球温暖化対策 最前線】日本が行っている具体的対策をわかりやすく解説

※ 2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするという目標。日本を含めた120以上の国と地域が同じ目標を掲げ、実現のために取り組んでいる

世界の海面上昇対策

具体的な海面上昇対策は国によって異なりますが、対策の方針を決めるにあたって重要なのが、国連の発表です。

国連は2024年9月に各国の大統領や首相とのハイレベル会合を開き、海面上昇への対策を各国に呼びかけました。呼びかけられた対策の方向性は、大きく分けて二つあります。

一つ目は、海面上昇を抑制するために温室効果ガスの排出を削減するといった、緩和策です。

パリ協定(2016年に発効)で定められた「地球の平均気温の上昇を、産業革命以前よりも1.5℃以内に抑える」という世界共通の目標に向け、「各国はより厳しい排出削減目標を掲げる必要がある」と、国連事務総長は会合内で告げました。

特に世界全体の温室効果ガス排出量の約80%を占めるG20諸国には、主導的な役割が求められています。

もう一つは、人命を助けるための適応策です。

早期警報システムの整備や、沿岸管理の体制改善が含まれます。海面上昇の影響を受けやすい小さな島国は、自国の資金と技術に限界があるため、世界各国の支援や基金の拡充も急務です。

※ 日本、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、サウジアラビア、中国、ドイツ、トルコ、フランス、ブラジル、南アフリカ、メキシコ、ロシア、およびEU、AUが参加する枠組

海面上昇を防ぐために私たちができること

海面上昇を防ぐには、原因となっている地球温暖化の対策が必要です。そのためには、私たち一人ひとりが温室効果ガスの排出を抑えるように意識しなくてはいけません。

温室効果ガスの排出は、主に化石燃料を燃やしてエネルギーをつくるときに起こります。エネルギーの使用量を減らすため、省エネ生活を心掛けましょう。

今日からできる具体的なアクション例は、次の通りです。

  • 公共交通機関や自転車などを積極的に利用する
  • 節電を心掛ける
  • 食べ残しを避ける、ゴミを分別するなどして、廃棄量を減らす
  • 環境に配慮されたモノやサービスを購入する

ほかにも、費用はかかりますが、家庭で使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えたり、住宅の断熱性能を高めるリフォームをしたりなども効果的です。

個人でできる地球温暖化対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

【その小さな一歩が未来を変える】一人ひとりができる地球温暖化対策について解説

※ 太陽光・風力・水力など、温室効果ガスを排出せず、かつなくなることなく利用し続けられるエネルギーのこと

公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブが運営する「イオン チアーズクラブ」は、全国の小学校1年生から中学校3年生までを対象とした活動団体です。

イオン チアーズクラブでは、環境や社会に対して興味・関心を持ち、考える力を育むため、さまざまな体験学習を実施しています。

体験学習では子どもたちがメンバーで協力し合い、一丸となって活動に取り組むため、集団行動における社会的なルールやマナーも学べます。

「環境問題について、楽しみながら学び、前向きに活動できる力を身につけて欲しい」と考えている保護者の方は、ぜひお子さまのイオン チアーズクラブへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。

「イオン チアーズクラブ」で実施された活動

ここでは、イオン チアーズクラブでこれまでに実施してきた活動内容の一部をご紹介します。

おおさかATCグリーンエコプラザの見学

イオン茨木チアーズクラブのメンバーたちは大阪府のおおさかATCグリーンエコプラザを訪れ、施設見学やワークショップなどに参加しました。

施設見学では、地球温暖化とそれに伴って起きている環境問題についての説明を聞きました。

さらに「エコマーク」や「3R」などテーマごとに分けられたブースにて、環境に優しい取り組みの重要性についても学びました。

※ リデュース、リユース、リサイクルの頭文字をとったもので、循環型社会の実現に向けたキーワード

FCバス展示イベントとエネルギー環境教室

イオン チアーズクラブのメンバー11名が、宮城県富谷市で開催されたFCバス 展示イベントとエネルギー環境教室に参加しました。

宮城県初導入となるFCバスの展示会場に集まったメンバーたちは、車内で水素を使った仕組みの説明を受け、その構造や環境へのやさしさを学びました。

続いて会場を移動し、環境教室に参加しました。エネルギーを「つくる」「ためる」「かしこく使う」という考え方をスライドとワークシートで学び、後半はLEDライトの工作に挑戦しました。

※水素で走る燃料電池バス(Fuel Cell Bus)のこと

このほかにも、イオン チアーズクラブではさまざまな活動を行っています。

イオン チアーズクラブの活動をさらに詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。

子どもたちが主役!環境・社会をテーマにした体験学習で楽しく学ぼう!

まとめ

海面上昇の原因は、地球温暖化に伴う海水温度の上昇や氷床・氷河の融解です。すでに移住を余儀なくされている人々が増えつつあるなか、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの削減を急ぐ必要があります。

個人の取り組みの効果は実感しにくいかもしれません。しかし、温室効果ガスは、私たちの暮らしのなかでも多く発生しており、削減には一人ひとりのアクションが重要だといわれています。

明るい未来をつくるために、まずは、自分にもできる取り組みを見つけることから始めてみましょう。

公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域の発展への貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。

公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習を通して自然や環境に向き合える「イオン チアーズクラブ」も運営しています。

他にも、中学生が環境に関する社会問題をテーマに、自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ取り組んでいる環境保全に関する活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施しています。

小学生から高校生まで幅広い年齢のお子さんがさまざまな体験学習を通してSDGsに触れられる活動を多数実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。

公益財団法人イオン1%クラブの活動内容を詳しく知りたい方はこちら

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