
2026.02.03
化石燃料とは?種類やメリット・デメリットのほかあと何年で枯渇するのかまで解説
化石燃料とは、石油、石炭、天然ガスなど、燃料として用いられる資源を意味します。
使い勝手が良く、日本をはじめとする世界中の主要な国々でエネルギー資源として利用されていますが、枯渇リスク、地球温暖化などさまざまな問題を抱えており、各種の対策が進められています。
本コラムでは、化石燃料について、言葉の意味、燃料の種類、使用するメリット・デメリット、各種リスクとその対策などをわかりやすく解説します。化石燃料やエネルギー資源について知りたい方は、ぜひご覧ください。
目次
化石燃料とは?意味・種類を解説

化石燃料とは、石油、石炭、天然ガスなど、燃料として採掘される物質を意味します。
また、私たちの生活のなかで広く活用される身近な資源の一つでもあります。ここでは、化石燃料の意味や定義、種類、用途についてわかりやすく解説します。
化石燃料の意味・定義
化石燃料とは、地中に埋まった動植物の死骸(しがい)が、数百万年、数千万年、場合によっては数億年という長い時間をかけて、燃えやすい成分に変化した物質を意味します。
長い時間をかけて成分が変化していく過程は次のとおりです。
- 植物、生物、海洋プランクトンなどの死骸が堆積(たいせき)する(海の底やデルタ地帯など、死骸の腐敗が遅れる水環境が多い)
- 酸素の少ない環境下で、嫌気性の微生物により死骸が分解される
- その上に、土や泥が堆積し、分解された死骸は地下深くに埋没していく
- 長い年月をかけて、地層や水の重みで強い圧力がかかる
- 地熱によって温められ、化学変化を起こし、石炭・石油・天然ガスといった化石燃料へ変化する
化石燃料ができるまでの流れは、恐竜などの化石ができる過程と似ており、地中に埋まっている燃料であることから、化石燃料と呼ばれています。
化石燃料の種類
化石燃料とは主に、石油・石炭・天然ガスを意味します。生き物の死骸が長い時間をかけて変化していく過程は似ていますが、化石燃料の種類によって元となる生き物が違います。
石油や天然ガスは、主に海洋性プランクトンなどの死骸が海底に積み重なり、時間をかけて変化した化石燃料だと考えられています。地下深く、液体または気体の状態で埋蔵されています。
石炭は、枯れた植物が元となっています。枯れた植物が堆積、沈下して、可燃性の岩石状の物質に、時間をかけて変化していった物質です。
化石燃料のメリット

日本では、化石燃料のメリットが高く評価され、一次エネルギー(自然界から直接得られるエネルギー)の供給減の多くを化石燃料に頼っています。
日本の主要な燃料資源として化石燃料が利用される背景には、どのような理由があるのでしょうか。ここでは、化石燃料の優れた点(メリット)をまとめます。
メリット①加工しやすく幅広い用途がある
化石燃料のメリットとしては、加工のしやすさ、さまざまな用途で使える使い勝手の良さが挙げられます。
石油については、自動車や飛行機を動かす液体燃料としてはもちろん、プラスチック、合成繊維、合成ゴム、塗料など化学製品の原料としても活用されています。
天然ガスと石炭は主に火力発電の燃料として使われます。その他に、天然ガスは都市ガスや工業用・産業用ガスとして使われています。石炭は、製鉄所で使われています。
もちろん、化石燃料以外の一次エネルギー(水力、風力、地熱、太陽光など)も、よく知られる発電に加え、太陽熱が温水器に活用されたり、地熱が暖房として利用されたりします。
しかし、日用品の原料としても使われる化石燃料の用途は、再生可能エネルギー以上に幅広く、その使い勝手の良さは代替が難しいとされています。
メリット②エネルギーを効率的に得られる
化石燃料のメリットはほかに、エネルギー密度の高さが挙げられます。
エネルギー密度とは、どれだけの量でどれだけのエネルギーを生み出せるかを意味します。エネルギー密度が高いほど、少ない量の資源から多くのエネルギーを得られます。
少量の資源で多くのエネルギーを得られる化石燃料は、同じ電力を生み出そうとしたとき、再生可能エネルギーよりも少量の資源で済みます。
メリット③発電所を建設しやすく安定供給が可能
化石燃料を使う火力発電所は、再生可能エネルギーを使う発電所と比較して、必要な敷地が小さく建設する場所の選択肢が広いうえ、天候や昼夜に左右されず発電できるため電力を安定供給しやすい点もメリットです。
化石燃料による火力発電と、再生可能エネルギーである太陽光発電、風力発電を比べた場合、火力発電所と同じ発電量を得るためには、太陽光発電では約100倍、風力発電では約350倍の場所の広さが必要となります。
広大な場所を必要とする再生可能エネルギーには、地域との調整、環境への影響などの面で、設置場所の確保に課題が指摘されています。
また、化石燃料による火力発電には、電力を安定して供給できるというメリットもあります。
一方、再生可能エネルギーについては、天候により発電量が不安定になったり、太陽光発電の場合は夜間に発電できないなどのデメリットがあります。
化石燃料のデメリット

化石燃料は、さまざまなメリットがある反面、枯渇、地球温暖化、国際情勢による価格変動などのデメリットもあります。
化石燃料のデメリットは、長期・安定的なエネルギー供給を将来にわたって確保していくための課題として半世紀近く前から認識されています。
デメリット①資源の枯渇リスクがある
化石燃料は、いずれ枯渇するリスクがあるため、枯渇性資源と呼ばれています。
化石燃料は、つくられるまでに長い時間がかかるため、大量消費に合わせて採掘が続けば、遠くない未来に枯渇する可能性があります。
資源が枯渇すれば、発電によるエネルギー供給、ガソリンをはじめとする燃料の供給、合成樹脂や合成繊維の製造などさまざまな分野に影響が出ます。
「枯渇する」とは、地球上から物理的に枯渇するのではなく、すでに発見されていて、経済的・技術的に回収できる化石燃料がなくなるという意味ですが、化石燃料が有限である点は変わりありません。
デメリット②地球温暖化を含む気候変動の原因になる
化石燃料のデメリットには、燃焼の過程で発生する二酸化炭素との関係も挙げられます。二酸化炭素は気候変動の最大の原因です。気候変動の一つである地球温暖化の要因にもなっています。
二酸化炭素は、温室効果ガスの一つであり、地球上で排出される二酸化炭素の約90%を、化石燃料の燃焼により排出される二酸化炭素が占めているといわれています。
地球温暖化により気温の高い状態が続けば、自然界のバランスが崩れ、私たち人間やすべての生き物に悪影響が及びます。
温暖化が進行すると、自然災害への備えや脱炭素対策に大きなコストがかかり、経済的な負担にもつながると考えられています。
地球温暖化について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
地球温暖化とは?原因や影響、対策の取り組みなどわかりやすく解説
デメリット③採掘や輸送により環境に負荷がかかる
化石燃料は、採掘中や輸送中の事故により、環境汚染を引き起こすリスクがあります。石油による海洋汚染は実際に、多くの海域で起きています。
河川、沿岸、海底油田、排水、廃棄物など、さまざまな経路から石油由来の成分が毎年海に流れ込み、その総量は611万トンと推定されています。611万トンのうち約3分の1は石油の海上輸送時に発生しているといわれています。
タンカー事故や海底油田の事故に伴う海洋汚染も、自然環境、および市民生活への影響が極めて大きい問題です。
輸入に依存する化石燃料は、日本への海上輸送時に二酸化炭素を排出します。化石燃料が採掘・輸送され、加工、使用、廃棄されるまでの全プロセスで二酸化炭素が排出される点は化石燃料のデメリットとされています。
化石燃料はあと何年で枯渇する?対策法はある?

世界のエネルギー資源の多くを担う化石燃料は約50~140年のうちに枯渇する、正確にいえば、経済的・技術的に回収できる化石燃料がなくなると考えられており、さまざまな対策が進められています。
もちろん、国や法人がおこなう対策以外にも、私たち一人ひとりができる対策もあります。
ここでは、化石燃料の枯渇(経済的枯渇)までの推定年数と理由、枯渇対策について解説します。
化石燃料は約50~140年のうちに枯渇すると考えられている
化石燃料は有限です。地球が生み出す資源量に対して、人間が消費するペースが上回り続ければ、やがて枯渇してしまうでしょう。
<各化石燃料が枯渇するまでの推定年数(採集可能な年数)>
| 化石燃料 | 枯渇までの推定年数 (2020年の時点から試算) |
|---|---|
| 石油 | 53.5年 |
| 石炭 | 139年 |
| 天然ガス | 48.8年 |
化石燃料があと何年で枯渇するのかは、燃料の種類ごとに異なります。
しかし、いずれにしても資源の無駄遣いを避ける取り組みを行わなくては、枯渇する可能性が高いと考えられています。
化石燃料の枯渇対策への取り組み
化石燃料は有限の資源であるため、化石燃料の大量消費を抑える取り組みが各国で行われています。
代表的な取り組みの一つが、再生可能エネルギーの活用です。再生可能エネルギーは、繰り返し利用できる上に、温室効果ガスである二酸化炭素の削減にも効果的とされています。
そのほかにも、エネルギーを効率よく使う「省エネ」の取り組みも積極的に進められています。
日本では例えば、一定規模の事業者が、エネルギーの使い方を合理化したり、化石エネルギー以外のエネルギーへ転換したりできるように、法制度を整えて規制や各種支援を行っています。
省エネ対策は、国や法人のみでなく、私たち一人ひとりにも求められています。
- 電気製品の無駄な使用を控える
- 省エネモードのある製品は省エネモードを利用する
- 使用していない電気製品のプラグをコンセントから抜く
- 徒歩・自転車で移動するまたは公共交通機関を利用する
- 食べ残しをしない
- 買うものを減らし、リサイクルを利用してごみを減らす
個人にもできる取り組みはたくさん存在します。身近な工夫から始めてみてはいかがでしょうか。
公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブが運営する「イオン チアーズクラブ」は、全国の小学校1年生から中学校3年生までを対象とした活動団体です。
イオン チアーズクラブでは、環境や社会に対して興味・関心を持ち、考える力を育むため、さまざまな体験学習を実施しています。
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まとめ
日本をはじめ各国の一次エネルギーの多くを占める化石燃料は、使い勝手の良い燃料資源であると同時に、地球温暖化などの深刻な問題を抱えています。
特に日本は、化石燃料の自給率が低く、海外輸入に依存しているため、海外情勢による価格変動リスクも免れません。
現在、化石燃料のリスクを回避すべく、さまざまな取り組みが行われていますが、私たち一人ひとりが、エネルギーの消費を抑えるという工夫も不可欠です。本コラムで解説した取り組みが今、日本を含む世界各国で求められています。
公益財団法人イオン1%クラブについて

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取り組みの一環として運営している「イオン チアーズクラブ」では、小学生を中心とした体験学習を全国で行っています。体験学習を通して、環境・社会に対する興味や関心を持ち、考える力を育てるお手伝いをしています。
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