
2026.04.07
砂漠化とは?原因・影響・対策のほか私たちにできることまで解説
砂漠化とは、乾燥地域において土地が劣化してしまうことです。
砂漠化と聞くと、どこか遠い国の話と感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、実際のところは、私たちの暮らしにも影響のある問題なのです。
本コラムでは、砂漠化の定義のほか、原因や影響、さらには対策まで分かりやすく解説します。
目次
砂漠化とは「乾燥地域で起こる土地の劣化」のこと

砂漠化とは、乾燥地域の土地が劣化することです。
ここでいう乾燥地域には、半乾燥地域や乾燥半湿潤地域も含まれます。
<砂漠化の対象となる地域の区分>
- 乾燥地域:年間降水量が冬雨季に200mm未満、夏雨季に300mm未満。また、年によっては冬雨季に100~200mm、夏雨季に150~300mmまで水量変動が起こる地域
- 半乾燥地域:年間降水量が冬雨季に500mm未満、夏雨季に800mm未満。また、年によっては冬雨季に125~250mm、夏雨季に200~400mmまで水量変動が起こる地域
- 乾燥半湿潤地域:年間降水量が25%未満で年によって変動する地域
このように、乾燥半湿潤地域など一定量の雨が降る地域であっても、砂漠化は起こり得ます。
地球の陸地の約41%は砂漠化の対象となる地域であり、20億人以上の人々が暮らしています。砂漠化が起これば単純に水が不足するだけでなく、土地の劣化によって植物が育ちづらくなるため、食料不足など、人々の生活にさまざまな影響が出るでしょう。
砂漠化を引き起こす2つの原因

砂漠化の原因は、大きく分けて「気候的要因」と「人為的要因」の2つです。どちらにせよ乾燥地域の土地に強い負担をかけ、植物が育たない環境へと変えてしまいます。
ここでは、気候的要因と人為的要因について、それぞれ解説します。
原因①気候的要因
砂漠化の気候的要因としては、地球規模の気候変動や干ばつ※などが挙げられます。
例えば、サハラ砂漠南部のサヘル地帯では、1950年代から1980年代にかけて降水量がいちじるしく減少し、深刻な干ばつがくり返されました。
なお、サハラ砂漠は、かつて緑に覆われていた時期もあった土地です。それが現在では、年間降水量がわずか20mm程度の地域もあるほど、植物が育つには厳しい環境となっています。
世界各地でも、1970年代以降は深刻な干ばつが発生しています。いずれも原因は、海面水温の上昇や大気循環の変動など気候的要因によるものだと指摘されています。
これらの気候的要因は、人々の活動によって急激に引き起こされているのが特徴です。つまり気候的要因であっても、根本には人為的な要因が大きく関わっているという訳です。
※ 長期間にわたって雨が降らない、または少なかったりすることで起こる水不足の状況のこと
原因②人為的要因
砂漠化の人為的要因とは、土地の許容限度を超えて行われる農地の拡大や家畜の過放牧、森林伐採、鉱山開発などです。
例えば、家畜が草を食べ尽くすと、地表の植物が減って土壌がむき出しになり、土壌が風や雨に直接さらされます。すると、地表から養分を含んだ土が流されるため、植物が育たない土地へと変わってしまうのです。
また、川や湖から水を引いて農業に用いた場合、水に溶けていた塩分がやがて土の表面に集積してしまいます。塩類の集積した土地では、植物は育ちません。
過度な土地利用の背景には、急激な人口増加や貧困などの社会的な問題があります。特にアフリカやアジアの乾燥地では、人々が食料や薪を得るためにやむを得ず過剰に土地を利用し、結果として土地をさらに劣化させるという悪循環が生じています。
砂漠化がもたらす影響

砂漠化により植物が育ちにくくなると、農業生産や生態系にも影響がおよぶため、人々の生活環境が悪化します。
また、気候変動によって砂漠化が広がり、さらに砂漠化が進むことで気候変動も加速するという悪循環が生じています。
砂漠化が人々や地球にどのような影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。
食料の生産が不安定になる
砂漠化が進むと、食料の生産が不安定になります。これは何も現地だけに限らず、世界中、もちろん日本にも影響があるといわれています。
現在、世界各地で砂漠化が進んだ結果、コムギやトウモロコシ、コメなどの世界的生産に、年間566億米ドルもの損失が生じています。
日本は、コムギなどを含む家畜用飼料の多くを海外からの輸入に頼っているため、無関係ではありません。他国の砂漠化によって飼料の確保が難しくなれば、日本における家畜の生産性が低下するという訳です。
このように砂漠化は乾燥地域だけでなく世界全体に与える影響が大きいため、誰もが自分ごととして考え、行動することが大切だといわれています。
人々の健康に悪影響を与える恐れがある
砂漠化が進むと、人々の健康にも悪影響がおよぶ可能性があります。
例えば、砂塵嵐(さじんあらし)の影響です。砂漠化で地表の植物が減って土がむき出しになると、風で細かい砂やホコリが巻き上げられやすくなります。
砂塵嵐の強度が高まると、人の呼吸器系に有害な粒子や病原体が、長距離にわたり運ばれやすくなります。
また、砂漠化によって水不足が起こった場合、必要に迫られて衛生的でない水を生活や農業に使うケースもあるでしょう。不衛生な水を摂取することは、感染症のリスクを高めます。
生物多様性が減少する
砂漠化が原因で植物が減ることは、植物だけでなく虫や動物なども含めた生物全般の多様性減少につながります。
まず、植物に関しては、種類や数が多いほど乾燥や高温に強くなることが研究結果から分かっています(出典元:横浜国立大学)。砂漠化によって植物の数が減れば、さらに植物が育ちづらい環境となり、種類や数が加速度的に減少するでしょう。
また、植物が減ればその植物を食べる虫が減少し、さらにその虫を食べる動物も減少し……というように生態系サイクルを崩壊させてしまいます。
気候変動を促進させる
砂漠化は、気候変動を促進する要因の一つです。
気候変動を引き起こす主な原因は二酸化炭素ですが、植物には光合成のときに二酸化炭素を吸収し、それを後に炭素に変えて体内に固定するはたらきがあります。
また、気候変動によって土地の劣化が進むと干ばつや山火事などが増え、砂漠化がさらに広がるという悪循環も生まれます。
気候変動について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
気候変動とはどういうこと?定義や原因、対策までわかりやすく解説
砂漠化が深刻な国や地域の現状

砂漠化が進行している地域では、干ばつや土地の劣化が原因で農業の生産性が低下し、食料不足や貧困が起こっています。
例えば、西アフリカ・サヘル地域では、食料不足が慢性化している状況です。食料不足は貧富の差の拡大や、社会状況の不安定化にもつながっています。
砂漠化の進むアフリカ諸国は、人口増加がいちじるしい地域でもあります。これらの国々は、砂漠化と向き合いながら農業や牧畜業の生産性を上げ、増え続ける人口を養わなければなりません。
砂漠化に対処するための技術を取り入れ、食料生産を安定化させることが大きな課題です。
世界や日本の砂漠化対策

地球規模で進行する砂漠化に対処するため、国際連合条約として「砂漠化対処条約(UNCCD)」が定められました。
条約では、砂漠化に直面している国々における対策についてだけでなく、先進国が行うべき対策支援の方針まで定められています。
日本も砂漠化対処条約の締約国であり、森林の再生、農業の技術支援、資金援助などを通じて砂漠化対策を支援しています。
なお、砂漠化への対処は、SDGsの目標15にも位置づけられています。劣化した土地を回復することは、世界共通の目標の一つなのです。
SDGsについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
SDGsの目標の一つ「陸の豊かさも守ろう」とは?世界の取り組みや個人でもできることを知ろう
砂漠化を防ぐために私たちができること

砂漠化を防ぐために私たちができることの一つは、エシカル消費を意識することです。
エシカル消費とは、消費者が社会的課題を意識し、その解決に取り組む事業者を応援しながら行う消費活動を指します。
日本では砂漠化が深刻なアフリカから、ゴマやシアバターなどを輸入しています。買い物するときには、環境に配慮した持続可能な方法で生産されたことを示す「有機JAS認証」や「フェアトレード認証」のラベルを探してみましょう。
また、暮らしのなかで二酸化炭素の排出を減らすための工夫をすることは、砂漠化の一因である気候変動の対策につながります。
例えば、ごみを燃やすときには、多くの二酸化炭素が排出されます。ごみを減らすための行動(マイボトルやマイバッグを持ち歩いたり、分別を徹底してリサイクルを促進させるなど)に取り組んでみるのがおすすめです。
豊かな地球を守るために、自分にもできることを探してみましょう。
公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブが運営する「イオン チアーズクラブ」は、全国の小学校1年生から中学校3年生までを対象とした活動団体です。
イオン チアーズクラブでは、環境や社会に対して興味・関心を持ち、考える力を育むため、さまざまな体験学習を実施しています。
体験学習では子どもたちがメンバーで協力し合い、一丸となって活動に取り組むため、集団行動における社会的なルールやマナーも学べます。
「環境問題や社会の課題について、無理なく楽しみながら学んで欲しい」と考えている保護者の方は、ぜひお子さまのイオン チアーズクラブへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
「イオン チアーズクラブ」で開催された活動
ここでは、イオン チアーズクラブでこれまでに実施してきた活動内容の一部をご紹介します。
学習施設「環境プラザ」の見学
イオン札幌発寒店チアーズクラブのメンバーたちは、札幌市環境プラザ※を見学し、エネルギーについて学びました。
「エネルギーをたどれ!」というタイトルのアクティビティでは、普段から使用している家電などがどのようなエネルギーで動いているのかを引率の大人も含めて、みんなで考えました。
学習の最後には、メンバーたちが一人ずつ、エネルギーを大切にするための省エネ方法を発表する時間も設けました。
本体験では、施設内を自由に見学する時間もあり、発電自転車に挑戦するなど、メンバーたちは楽しみながら学びを得られていたようです。
※ 環境問題について学べる展示物が多数設置された施設
学習施設「eco-T(エコット)」の見学
高橋イオン チアーズクラブのメンバーたちは、愛知県にある豊田市環境学習施設「eco-T(エコット)」を訪れました。
同じ敷地内にある渡刈(とがり)クリーンセンター※を見学し、「ここがどのような施設であるのか」のほか、豊田市のゴミについてもレクチャーを受け、実際にゴミがどのように処理されるのかも見せてもらいました。
家庭から出るゴミの量を実際に目にしてみて、メンバーからは「集めるとこんなにたくさんなんだ……」という声も上がっていました。
※ 豊田市のゴミの焼却施設(清掃工場)
このほかにも、イオン チアーズクラブではさまざまな活動を行っています。
イオン チアーズクラブの活動をさらに詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。
子どもたちが主役!環境・社会をテーマにした体験学習で楽しく学ぼう!
まとめ
砂漠化が進むと農業の生産性が低下し、食料の供給が不安定になるだけでなく、人々の健康や生態系にも悪影響がおよびます。
また、植物が育たなくなることで生物多様性が損なわれ、気候変動の加速につながるという悪循環が生まれます。
砂漠化は遠い国の話ではなく、日本を含めた世界全体の問題です。
砂漠化の拡大を防ぐには、私たち一人ひとりの日々の選択が大切です。ごみの削減や省エネ、認証ラベルのある商品を選ぶなど、小さなことでも継続すれば大きな力となります。
未来の地球を守るために、身近な一歩から始めましょう。
公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域の発展への貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習を通して自然や環境に向き合える「イオン チアーズクラブ」も運営しています。
他にも、中学生が環境に関する社会問題をテーマに、自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ取り組んでいる環境保全に関する活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施しています。
小学生から高校生まで幅広い年齢のお子さんがさまざまな体験学習を通してSDGsに触れられる活動を多数実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。