体験学習とは?小学校・中学校・高校別に具体例を解説
教育

2024.11.25

体験学習とは?小学校・中学校・高校別に具体例を解説

皆さんのご家庭で体験学習の話題が出たことはありますか?

体験学習を検討するうえで、どんな活動があるのか、活動によってどんなメリットがあるのかなど、気になるポイントはたくさんありますよね。

本コラムでは、体験学習の概要やメリット、具体例、注意点まで細かく解説していきます。

子どもに最適な体験学習を選ぶ方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

体験学習とは?

体験学習とは、子どもが主体となり、身体を使った体験活動を通して学ぶことです。

見る・聞く・話す・触れる・遊ぶ・作る・調べる・育てるなどの活動が挙げられます。

近年ではインターネットやスマートフォンの普及により、知りたいことを自分で調べて情報を得るなどの間接体験の機会が増えています。

それにより、外出して実際に農家や畑を見て体験するなどの直接体験を通して学びを得る機会が減ってきています。

対して、体験学習は、実際にヒトやモノと関わり合う「直接体験」ができる学習法といえます。

体験学習のメリットと重要性

体験学習のメリットとして、子どもたちの生きる力や豊かな人間性の基盤を整え、主体的に学び、考える力を養う効果が期待できます。

子どもたちの社会的自立に向けた健やかな成長を促すためには、家庭や学校、地域でさまざまな体験をすることが重要です。

そこで、「体験活動を通じた青少年の自立」を目標として掲げている国立青少年教育振興機構では、どのような取り組みをしているのかを解説します。

まず、国立青少年教育振興機構では、発達段階に応じた体験学習の枠組みとして「子どもの成長を支える20の体験」と「体験を通じて育成したい12の資質・能力」を以下のようにまとめています。

【子どもの成長を支える20の体験】

下記で紹介する20の体験は、子どもたちが社会的に自立した大人へと成長する過程においてとても大切です。

しかし、ただ「体験」すればいいわけではなく、活動や体験を通して得られる感情や気づき、学びこそが子どもの成長を促す大きな糧になります。

【体験活動】
・自然体験(キャンプ・登山・カヌー・サイクリング・スキー・クラフトなど)
・集団活動(子ども会・委員会・係・クラブなど)
・地域行事(祭り・スポーツ大会・音楽祭・交流イベントなど)
・社会貢献(清掃活動・募金活動・慰問活動・環境保全活動・地域おこし・まちづくりなど)
・職業体験(農林漁業体験・インターンシップ・職業体験型テーマパークなど)
・文化芸術体験(音楽・絵画・演劇・書道・舞踊・茶道・華道など)
・科学体験(科学実験・工作・ロボット制作・プログラミングなど)
・国際交流体験(国際交流事業・ホームステイ・イングリッシュキャンプなど)

【生活習慣】
・規則正しい生活(早寝・早起き・朝ごはん・洗面・歯磨き・入浴など)
・遊び(おにごっこ・かくれんぼ・ブランコ・滑り台・おままごと・ごっこ遊びなど)
・お手伝い(買い物・料理・掃除・ゴミ出し・洗濯・くつ磨きなど)
・家族行事(誕生日のお祝い・お墓参り・大掃除・季節行事など)
・運動・スポーツ(スポーツ少年団・スポーツクラブ・部活動など)
・読書(読み聞かせ・絵本・小説・まんが・新聞・雑誌など)
・動植物とのふれあい(生き物の飼育・植物の栽培・自然観察など)
・探究学習(調べ学習・体験学習・課題研究・自由研究・自学自習など)

【人とのかかわり】
・家族とのかかわり(ほめられる・叱られる・勉強をみてもらう・遊ぶ・しつけられる・将来の話をする・看病をする・世話をするなど)
・友達とのかかわり(ほめられる・注意される・認められる・尊敬される・遊ぶ・けんかするなど)
・先生とのかかわり(ほめられる・叱られる・相談する・認められる・仕事を任される・遊ぶなど)
・地域の人とのかかわり(ほめられる・注意される・相談する・認められる・遊んでもらう・勉強をみてもらうなど)

【体験を通して育成したい12の資質・能力】

上記の体験を行うことで、得られた感情や気づきから下記の12の資質・能力を見出すことができます。

そうして得られた資質・能力が、将来社会を生き抜くための力となり、人間性の基盤を整えることにつながります。

・積極性
・自己肯定感
・協調性
・やり抜く力
・学ぶ力
・自立心
・道徳観
・公共心
・コミュニケーション力
・礼儀作法
・健康管理
・勤労観

体験学習の具体例

体験学習にはさまざまな種類があり、年齢や発達段階に応じて一人ひとりに適した体験学習を選ぶことが重要です。

ここでは、体験学習の具体例を小学校・中学校・高校の教育課程ごとに紹介します。
あわせて、家庭でもできる体験学習の具体例も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

【小学校】体験学習の具体例

小学生向けの体験学習の例は以下のとおりです。

  • 地域清掃活動
  • ボランティア活動
  • 里山保護活動
  • 米作り体験
  • 職場体験
  • 農業体験 など

学校の通常授業ではできない活動を通して、気づきや学び、達成感を得るためのさまざまな体験学習があります。

小学校低学年の子どもは、これまでの保育園や幼稚園での学習とは違い、集団での行動や身の回りのことについて学習する機会が増えます。

学校での学習を通して、言語能力や認識力が高まり、身の回りへの興味関心が増える時期です。

学校の通常授業ではできない体験学習を通して新しいことに触れ、学び、理解することは子どもの気づきを定着させます。

例えば、地域清掃活動やボランティア活動の体験は、集団で活動したり、活動を通して感謝されたりすることで「人とのかかわり方を学ぶ」「やりがいを感じる」などの学びや気づき、達成感を得られます。

また、小学校高学年になると、委員会や部活動、職場体験など自分で選んだ活動に深く関わることで、達成感を得る機会も増えます。

上記の活動の中でグループとして複数人と行動を共にし、体験活動を振り返り、感じたことを感想文やレポートなどにまとめたり、意見交換をしたりする機会もあるでしょう。

他者との意見交換をすることで物事を客観的に考え、主観的な見方だけではなく「他者の立場になって考える」ということを学べるので、新しい気づきが得られます。

小学生の体験学習については以下でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
小学生の頃の体験学習はどんな影響がある?家庭でも実践しよう

【中学校】体験学習の具体例

中学生向けの体験学習の例は以下のとおりです。

  • 集団宿泊・野外体験活動
  • 踊りの伝承活動
  • 地域文化の継承活動
  • 勤労体験学習 など

中学校の体験学習では、周囲の人や社会との関係を深め、一定の役割や責任を担う活動が取り入れられます。

体験活動を通して、他者と関わる中で自身の考えを表現したり、友人と協力して関係を築いたりする力を養うことが大切です。

また、大人と関わる体験学習もあるため、実際に勤労体験などを通してお金を稼ぐことの大変さや仕事のやりがいなどを学ぶ機会を提供する体験活動もあります。

【高校】体験学習の具体例

高校生向けの体験学習の例は以下のとおりです。

  • 農業体験活動
  • ボランティア活動
  • 里山保護活動
  • インターンシップ(就業体験) など

高校の体験学習では、社会での役割や責任に目を向け、自らの可能性を試す機会を提供することで、社会生活においての生き方について考え、働く力・生きる力を伸ばすことが期待できます。

また、ボランティアなど体験学習を通じて人に尽くしたり、社会に貢献したりする過程で感じる努力や幸福に価値を見出せるようになります。

家庭でできる体験学習の具体例

家庭での体験学習の例は以下のとおりです。

  • 家庭菜園
  • 家事・調理への参加 など

家庭での体験学習を通して自分で考え行動する能力の基盤を整えることで、日常生活で直面する問題を解決する能力を養うことができます。

例えば、家庭でミニトマトなどの野菜を一緒に育てることで、子ども自身が進んで水やりをしたり、枯れてしまいそうなときはどうしたら良いかを考えることにつながります。

そうすることで、親子のコミュニケーションを深める機会にもなり、人との関わり方について学べるほか、手を動かしたり新しい経験を積んだりして創造性や柔軟な思考を育てることにも役立ちます。

家庭での体験学習は、子どもの自立心を育て、学校教育だけでは得られない価値を見出すことができます。

体験学習を選ぶ際の注意点

体験学習を選ぶ際は、以下2つの基準に沿って検討しましょう。

体験学習を選ぶ際の注意点

  • 子どもが興味を持つか
  • 安全性に問題がないか

子どもが興味を持った内容にすること、安全に実施できることは、体験学習の継続や学びの促進につながります。

体験学習の選択で失敗しないためにも、丁寧に確認していきましょう。

子どもが興味を持つか

体験学習を選ぶ際は「子どもが興味を持つか」を重視する必要があるため、子どもが何に興味を持ち、どのような活動に熱中するかを日頃から把握しておきましょう。

子どもが興味関心を持つ体験学習への参加は、楽しみながら学ぶことができるので、新しい体験をより深く理解することにつながります。

体験学習を選ぶ際は、子どもの興味を考慮して検討しましょう。

安全性に問題がないか

子どもの身体的・精神的な安全を確保するため、体験学習は「安全性に問題がないか」という基準に基づいて選ぶ必要があります。

例えば、活動中に体調不良や事故が発生した場合に備えた環境が整っているかなどを確認しましょう。

また、不適切な環境や道具は、学びの効果が半減したり、事故の原因になったりする可能性があるため、体験学習を実施する場所や使用する道具の安全性も確認しておきましょう。

体験学習を選ぶ際は、活動場所や道具、緊急時の連絡体制などを考慮し、子どもが有意義で安全な学びの機会を得られるかを確認することが大切です。

イオン チアーズクラブの体験学習

イオン チアーズクラブは、公益財団法人イオンワンパーセントクラブが運営する子ども向けの教育・体験学習プログラムです。

全国約420か所のイオングループの店舗を拠点とし、小学生を中心に幅広い体験学習の機会を提供しています。

主に、自然体験活動や社会貢献活動、文化・芸術活動などを行い、子どもたちが自然や社会に対する興味関心や自分で考える力などの基盤を整えるプログラムが用意されています。

さらに、地域の協力団体と連携した活動も行っており、子どもたちが地域社会とのつながりを深める機会を提供しているのも魅力の1つです。

イオン チアーズクラブの体験学習では、子どもたちが多様な活動を通じて、豊かな心や思考力の基盤を整えることができます。

まとめ

本コラムでは、体験学習の概要や具体例、選ぶ際の注意点などについてご紹介しました。

体験学習は、子どもが身体を使って主体的に行う活動であり、「直接体験」に重きを置いています。

また、本コラムを読んで「体験学習に興味がある」「環境について考えてみたい」という方は、公益財団法人イオン1%クラブのホームページをぜひご覧ください。

小学生のお子さんは、公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」の体験学習に参加してみるのもおすすめです。

公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域発展の貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。

公益財団法人イオン1%クラブでは、小学生を中心とし、体験学習から自然や環境に向き合うことができる「イオン チアーズクラブ」も運営しています。

イオン チアーズクラブでは、環境に関するさまざまな体験や学習を1年を通して実施し、自然や環境に興味を持ち、考える力を育てるお手伝いをしています。

また、中学生が環境問題を自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ学校で取り組んでいる環境活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」などさまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLからご覧ください。

公益財団法人イオン1%クラブの活動内容を詳しく知りたい方はこちら

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