2024.07.23 (更新日: 2024.07.25)
個人ができるリサイクルは?リサイクルの7つの具体例や5つのメリットを紹介
牛乳パックやペットボトルを回収ボックスに出すなど、日常的に取り組むことができるリサイクル活動を実践できていますか?
また、リサイクルが環境に良いことは何となくわかっているけれど、具体的にどんなメリットがあるのかは知らないという方もいるのではないでしょうか。
本コラムでは個人ができるリサイクルの7つの具体例や、5つのメリットをご紹介します。
リサイクルの重要性を改めて理解し、日常の中で積極的にリサイクル活動に取り組んでいきましょう。
個人ができるリサイクルを7つの具体例で紹介
ここでは、個人ができるリサイクルを7つの具体例で紹介します。
- 牛乳パックや食品トレーはスーパーの店頭回収に出す
- エコマーク商品やリサイクルトイレットペーパーなどを選んで購入する
- 「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」などルールを守ってゴミ出しをする
- 着なくなった服や使わなくなったものはリサイクルショップやフリマを活用する
- 家庭で出る生ゴミは「コンポスト」に入れて堆肥にする
- 家電4品目は「家電リサイクル法」を活用する
- 小型家電は「小型家電リサイクル法」を活用する
個人でできるリサイクルはたくさんあるので、無理せずできることから始めてみましょう。
今日から簡単に始められる具体例を紹介しますので、参考にしてください。
牛乳パックや食品トレーはスーパーの店頭回収に出す
牛乳パックや食品トレーは、リサイクルすれば新たな資源として有効利用できます。
例えば、牛乳パックはリサイクルによってトイレットペーパーやティッシュペーパー、紙製のファイルなどに再生できます。
また、食品トレーは再利用するために粒状になるまで分解してから、新しい食品トレーとして製造されます。
ただし、次の食品トレーはリサイクルできませんので注意してください。
- 硬いトレー(つまようじが刺さらないもの)
- 透明なトレー(卵パックなど)
- カップ麺容器(お湯を使うことによって容器の質が悪くなってしまうため)
- 納豆の容器(付着したニオイが取れにくいため)
日常的に出てしまうゴミをそのまま捨てるのではなく、リサイクルに出すことでエコ活動につながります。
まずは、お住まいの自治体のリサイクルのルールを確認してみてください。
エコマーク商品やリサイクルトイレットペーパーなどを選んで購入する
エコマークは、環境に配慮した商品を選ぶ際に役立ちます。
エコマークは、製造工程から廃棄までのライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。
また、リサイクルトイレットペーパーはチラシやカタログ、コピー用紙などの古紙をリサイクルして再利用したもので、意識して選べばエコ活動に貢献できます。
紙を作るためには、素材となる木を伐採する必要があるため、リサイクルトイレットペーパーなどの再生紙を使うことは、森林伐採を減らすことにもつながるのです。
このように、エコマーク商品がどういうものかを知って選ぶことがエコ活動につながります。
「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」などルールを守ってゴミ出しをする
燃えるゴミや燃えないゴミなどの、ゴミ出しのルールを守り分別することもリサイクルにつながります。
分別して再利用できるものが増えれば、家庭から出るゴミの量も減りますし、ゴミ焼却施設での焼却効率も良くなって焼却炉の寿命が延長されます。
また、ゴミを焼却する際には温室効果ガスである二酸化炭素が発生するため、ゴミの分別により焼却効率を良くすることは地球温暖化対策にもなります。
さらに、分別して再利用できるものが増え、ゴミの量が減れば、ゴミの埋め立て地を作らずに済みます。
埋め立て地を作るには、まとまった広い土地を確保しなければならないため、森林伐採などにより大切な自然を失ってしまうのです。
他にも、埋め立てた産業廃棄物などのゴミが分解される時に有害なガスが発生するといった問題もあります。
私たちがゴミを分別して再利用できるものを増やし、家庭から出るゴミの量を減らすことで、さまざまなエコ活動につながります。
着ない服など不要なものはリサイクルショップやフリマを活用する
環境省によると、ゴミとして出された服が再資源化される割合はわずか5%で、約95%が焼却や埋め立てによって処分されています。
その量は年間で約45万トン、1日あたり大型トラック約120台分です。
また、服を新しく1着作るためには約2,300L(浴槽約11杯分)の水が必要になるとも言われており、資源が大量に消費されています。
他にも、近年服に用いられている合成繊維は、生産する際に大量の温室効果ガスが発生するなど環境に負荷がかかっています。
着なくなった服をどうしようか悩んだ時は、リサイクルショップやフリマを利用して必要としてくれる方に譲り、再利用してもらいましょう。
家庭で出る生ゴミは「コンポスト」に入れて堆肥にする
コンポストは、家庭から出る野菜くずなどの生ゴミや落ち葉、紙などの有機物を微生物の働きによって発酵・分解し堆肥にする専用の容器です。
家庭内で出やすい生ゴミも、コンポストを利用すれば有効利用でき、ゴミの削減やゴミ焼却時に発生する二酸化炭素の削減につながります。
また、コンポストの利用によって生ゴミが栄養のある土へと生まれ変われば、自家栽培をしている方にも嬉しいメリットがあります。
コンポストが家庭にない方は、ダンボールなどで作る方法もありますが生ゴミの臭いや虫の発生リスクがあるため自作する際には注意するようにしましょう。
家電4品目は「家電リサイクル法」を活用する
家電リサイクル法は、廃棄物の削減と資源の有効利用を推進する法律です。
家電リサイクル法によってリサイクルが義務付けられている家電4品目は「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」です。
リサイクルする方法としては
- 家電量販店で引き取ってもらう
- 製品メーカーが指定する場所に直接持ち込む
- 自治体が案内する方法で処分に出す
- リサイクルショップに出す
などが挙げられます。
処分料金は製品のメーカーや家電の大きさによって異なるため、処分する時は、引き取りや処分を依頼する店舗や持ち込み先に問い合わせて確認してください。
小型家電は「小型家電リサイクル法」を活用する
小型家電リサイクル法は、携帯電話やデジタルカメラ、ゲーム機など電子機器等の再資源化促進のための法律です。
小型家電には鉄や銅、アルミ、金、銀、銅、レアメタルなどの資源が使用されており、リサイクルによって資源を有効利用することが重要です。
しかし、鉛など有害な物質も含まれており、適正な処理が必要とされるため、「小型家電リサイクル法」に則って正しくリサイクルしましょう。
リサイクル方法としては
- スーパーや公共施設、家電量販店などに設置された回収ボックスに出す
- 自治体の資源ゴミ集積所にある回収コンテナに出す
などが挙げられます。
また近年では、スマートフォンやゲーム機を販売している店舗での買取もあります。
回収できる電子機器等は以下の通りです。
- スマートフォンを含む携帯電話
- 携帯音楽プレーヤー
- 携帯ゲーム機
- デジタルカメラ
- ポータブルビデオカメラ
- ポータブルカーナビ
- 電子辞書
- 卓上計算機
- コード類(ACアダプター、延長コード、ケーブルなど)
上記品目以外や回収ボックスに入らないサイズのもの(1辺30cm以上のものは粗大ゴミ)は回収できないため、処分料金がかかる場合もあります。
まずは、自治体の回収ボックスを確認してみたり、処分方法を役所に問い合わせてみてください。
具体的なリサイクルの5つのメリット
ここまで、個人ができるリサイクルの具体例を7つ紹介しました。
これらの取り組みを実践することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
リサイクルによる具体的なメリットは主に5つ挙げられます。
- ゴミの減量化
- 資源の節約
- 二酸化炭素排出量の削減
- 環境汚染の防止
- 地域一帯でのリサイクル活動によるコミュニティ活性化
具体的なメリットや意義がわかることでリサイクルへの意識が少しでも高まれば、行動につなげるきっかけにもなります。
以下で詳しく解説しますので、リサイクルにどのようなメリットがあるのか、改めて確認してみてください。
ゴミの減量化
家庭から出るゴミの中にはリサイクルできるものがたくさんあります。
- ペットボトル
- 牛乳パック
- 食品トレー
- 容器包装プラスチック
- ガラス瓶
- スチール缶・アルミ缶
- 紙
- 廃食用油 など
ゴミとして捨てずにリサイクルできる回収ボックスや施設へ出せば、ゴミの減量化につながります。
先述したように、ゴミを減らせば焼却の際に発生する二酸化炭素の削減や、埋め立て地に関連する問題の軽減にもつながります。
一人一人が「これはリサイクルに出そう」と心がけるだけで、環境に配慮したエコ活動ができるのです。
資源の節約
リサイクルの大きなメリットとして、不要になったものがゴミになる代わりに新たな製品の資源として生まれ変わり、資源の節約になることが挙げられます。
例えば、紙を作るためには木が、プラスチックを作るためには石油が必要です。
これらの資源には限りがあり、石油は今のペースで使い続けると約50年で枯渇してしまうと言われています。
有限な資源を節約していくためにも、リサイクルは非常に重要です。
二酸化炭素排出量の削減
リサイクルは二酸化炭素排出量の削減にもつながります。
例えば、紙パックを廃棄した場合とリサイクルした場合では、どのくらい二酸化炭素排出量が違うのかを見てみましょう。
紙パックの扱い | 二酸化炭素排出量 |
---|---|
1,000mLの紙パック1枚を廃棄した場合 | 約38.1g |
1,000mLの紙パック1枚をリサイクルした場合 | 約14.7g |
1,000mLの紙パック1枚をリサイクルに出すと、廃棄した場合と比較して二酸化炭素排出量が4割以下になるのです。
1人あたりが年間に使用する紙パックは約77枚と言われているため、これらを全てリサイクルに出せば、年間で約1.8kgの二酸化炭素排出量が削減できる計算になります。
使い終わった紙パックを綺麗に洗って買い物のついでに回収ボックスに出すだけでリサイクルできるので、積極的にリサイクルに出すようにしましょう。
環境汚染の防止
先述の通り、ものをゴミとして捨てると、焼却や埋め立てによって処分されます。
このようなゴミの処理方法は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出や、有害物質の発生の原因になります。
一方で、リサイクルはゴミではなく資源として再利用するため、新たに原材料を採取する回数を減らし、森林伐採といった環境への負荷を軽減することができます。
リサイクルを意識することで、処理されるゴミを減らすことができ、その資源を再利用することで、環境汚染を防ぐことができます。
地域一帯でのリサイクル活動によるコミュニティ活性化
リサイクルには、地域のコミュニティを活性化させる効果もあります。
みんなでリサイクルに取り組むことで、環境問題について理解を深められるだけでなく、環境美化やリサイクル品回収などのエコ活動にも貢献できます。
リサイクルを通して地域の交流が活性化し、次世代を担う子どもたちが地域の人々と触れ合いながら、環境に関する知識を学んだり考えたりする場になることも期待できます。
リサイクルだけじゃない環境に配慮した5つのR(5R)とは?
環境に配慮した活動は、本コラムで紹介したリサイクルだけではありません。
ここでは、リサイクルを理解した方に向けて、さらにリサイクルを含む環境に配慮した5つのR(5R)について解説します。
- リサイクル
- リデュース
- リユース
- リフューズ
- リペア
リサイクル
リサイクルは、ここまで説明してきた通り、一度使用したものを再び資源に戻すことです。
【リサイクルの例】
- ペットボトルをリサイクルして服などを作る
- 不要になったチラシなどの古紙をリサイクルしてトイレットペーパーなどを作る
- 廃棄物をゴミ焼却炉で燃やしてその熱を工場で利用する など
リサイクルには次の3種類があります。
リサイクルの名前 | リサイクルの方法 |
---|---|
マテリアルリサイクル | 廃棄物を新たな製品の原材料として再利用する方法 |
ケミカルリサイクル | 廃プラスチックなどを化学合成によって他の物質に変えたあと、 その物質を原材料として新たな製品を作る方法 |
サーマルリサイクル | 廃棄物を焼却する際に発生するエネルギーを回収して利用する方法 |
それぞれのリサイクル方法の詳細や具体例については、プラスチックのリサイクル方法に関するコラムで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
リサイクルの種類は3つ!リサイクル後の例もあわせて簡単に解説
リデュース
リデュースは、ゴミを減らすことです。
【リデュースの例】
- エコバッグ、マイバッグを持参してレジ袋を使わない
- マイボトルを持ち歩いてペットボトルを使わない
- マイ箸を使って割り箸を使わない など
リサイクルも環境にとって良いことですが、費用やエネルギーなどがかかります。
そのため、そもそもゴミの量を減らすという心がけが大切なのです。
リユース
リユースは、一度使用したものを繰り返し使うことです。
【リユースの例】
- 着なくなった服をリサイクルショップやフリマに出す
- リターナブル瓶製品を使う
- シャンプーなどの洗剤は詰め替え用を使う など
使用したものをすぐゴミに出してしまうのではなく、何度も使えるように工夫したり、リサイクルショップやフリマを利用したりといったリユースに取り組むことで、ゴミの減量化にもつながります。
リフューズ
リフューズは、不要なものを受け取らない・断ることです。
【リフューズの例】
- 駅前や店舗など、街で配られているチラシやティッシュをもらわない
- エコバッグやマイバッグを持参してレジ袋の利用を減らす
- 今すぐに使う予定がないものはもらわない など
配られているチラシやティッシュをもらったり、買い物の時にレジ袋を買ったりして、お家に持ち帰ったあと、不要になって捨ててしまう場合も多いのではないでしょうか?
今すぐに使う予定がない場合や、エコバッグやマイバッグなど代用できるものがある場合は、ゴミを増やさないためにもリフューズを心がけてください。
リペア
リペアは、壊れたものをすぐに捨てず、修理して長く使うことです。
【リペアの例】
- 壊れてしまったコップを接着剤などで修理して使う
- 家電製品など壊れてしまったものを修理店で修理してもらって使う
- 破れやほつれがある服を修繕・リメイクして使う など
製品が長く使われるようになると、ゴミの減量につながることはもちろんのこと、新たな資源の採掘や加工、製造に伴う環境への負担軽減にもなります。
まとめ
本コラムでは、日常生活で簡単に取り組むことのできる具体的な7つのリサイクル方法と、リサイクルのメリットについて紹介しました。
リサイクルを行うことで環境に対してどのようなメリットがあるのかを理解し、実際の行動につなげていくことが未来の子どもたちの環境を守っていくことにつながります。
今回ご紹介した7つのリサイクル例はもちろんのこと、他にもさまざまなリサイクル方法があるので、今日からでも実践していきましょう。
また、本コラムを読んで「リサイクルについてもっと知りたい」「私たちにできることが知りたい」「実際に体験してリサイクルに触れたい」という皆さまは、公益財団法人イオン1%クラブのホームページをぜひご覧ください。
小学生から中学生のお子さんは、公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」の体験学習に参加してみるのもおすすめです。
公益財団法人イオン1%クラブについて
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