
2026.05.26
サステナブルファッションとは?意味や取り組み例のほか現代のファッションに関する問題点にも追及
サステナブルファッションとは、衣服の生産から使用、廃棄まですべてにおいて、環境や社会への配慮を目指す取り組みのことです。
しかし、具体的にどのような衣服や、その利用方法がサステナブルファッションにあたるのかがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、サステナブルファッションの意味をわかりやすく解説するとともに、なぜ昨今になって注目されるようになったのか、理由についてもまとめました。
目次
サステナブルファッションとは何?意味をわかりやすく解説

サステナブルファッションとは、生産・使用・廃棄に至るまでのプロセス全体において、地球環境や製造に関わる人々に配慮した取り組みのことを指します。なお、サステナブルとは、「持続可能な」という意味を持つ言葉です。

引用元:環境省
衣服は製品になるまでに多くの水資源を必要とするうえ、大量の二酸化炭素を排出します。画像の通り、衣服1着をつくるだけでも、約2,300Lの水を消費し、25.5kgの二酸化炭素を排出するという推計もあるほどです。
水の過剰な使用は深刻な水不足を引き起こす恐れがあり、二酸化炭素の過剰排出は地球温暖化をはじめとした気候変動を進行させます。いずれも多くの人々の生活や、動植物などの生態系に大きな影響を与えるでしょう。
また、衣服の製造に関わる人々のなかには、不当な賃金や環境で労働させられているケースもあります。サステナブルファッションは、地球環境だけでなく社会にも配慮して作られたファッションを目指す取り組みであるため、このような人権問題の解決も含まれます。
限りある資源を有効に使い、さらに環境負荷や働く人々のことまで踏まえたサステナブルファッションを推進することは、持続可能な社会づくりの一環です。
サステナブルファッションが必要とされる理由

サステナブルファッションは、2010年代以降に登場した比較的新しい言葉であり、特に昨今になってよく聞くようになったのではないでしょうか。
なぜ現代において、ここまでサステナブルファッションについて取り沙汰されるようになったのか。その理由のなかでも、一般消費者にとって身近なものを2つ解説します。
短期間で廃棄されてしまう衣服が増えている
日本をはじめ先進国を筆頭に大量生産・大量消費の時代が長く続いていますが、その結果、世界の衣服の生産量は増える一方で、1着が利用される期間は半分に減ったといわれています。これには衣服の低価格化が関わっていると考えられています。
2020年における衣服1着あたりの平均価格は、2,892円です。1990年には6,848円だったため、30年間で半額以下に下がっています(出典元:消費者庁)。
衣服が安くなったことで、「おさがり」や「お直し」をして一着を大切に着るよりも、ワンシーズンだけ活用したり、購入したもののほとんど着ないまま処分してしまったりするケースも増えているのではないでしょうか。
安くおしゃれを楽しめるというのはありがたいことです。しかし、値段に関わらず、衣服の生産や流通、廃棄の過程には、多くの資源が使われ、必ず環境負荷がかかることは把握しておきたいところです。
いらなくなった衣服を「ごみ」として捨ててしまう人が多い
衣服を短期間で手放す人が増えている問題に伴って、その方法に関しても課題があります。多くの人々は、衣服をごみとして捨ててしまうため、焼却・埋め立てによる環境負荷が生じているのです。
日本国内において一般消費者が購入し、ごみとして捨てられた衣服の量は、2024年時点で年間約48万トンに及ぶと推計されています(出典元:環境省)。1日あたりにしても約1,300トンとなり、これは大型トラック130台分もの量にあたります。
なお、衣服をごみとして捨ててしまう人が多いことは、個人の意識不足だけが問題ではありません。気軽に利用できる回収ルートが少ないことや、リサイクルが難しい衣類が多いことも問題視されています。
企業や自治体によるサステナブルファッションの具体的な取り組み例

サステナブルファッションの実現には、資源の効率化や長く着用可能な衣服づくりなど、持続可能な産業が求められます。ここでは、そのために行われている企業の主な取り組み例を紹介します。
リサイクル素材を使用して衣服をつくる
企業が行っているサステナブルファッションの取り組みには、リサイクル素材を使った衣服の生産が挙げられます。
素材の原料となるものがごみとして廃棄されずに再利用されるため、焼却時に排出される二酸化炭素が削減できるほか、資源の節約もでき、環境への悪影響を減らせます。
リサイクル素材の例としては、次のようなものがあります。
リサイクルポリエステル繊維
リサイクルポリエステル繊維とは、使用済みのペットボトルを細かく粉砕したうえで洗浄・精製し、溶かして糸状にしたもののことです。
Tシャツやパーカー、フリースなどさまざまな衣服が、リサイクルポリエステル繊維を用いて作られており、日本でも流通しています。
リサイクル羽毛
リサイクル羽毛とは、使用済みの羽毛製品(布団やコートなど)を解体し、良い状態の羽毛を選別したうえで洗浄・精製することで羽毛をふっくらとさせ、再度使えるようにしたもののことです。
精製された羽毛は、ダウンコートやダウンジャケットなどを製造するにあたって再利用されます。
このほかにもコットンやウールなど、さまざまな素材がリサイクルされ、新しいモノへと生まれ変わっています。
生分解性のある素材を使用して衣服をつくる
サステナブルファッションの具体例の一つには、生分解性のある素材を使った衣服づくりがあります。
生分解性のある素材とは、微生物によって分解可能なもののことです。リサイクル性が高いほか、ごみとして焼却・埋め立てされた場合にも自然と土にかえりやすいことから、環境に優しいといわれています。
生分解性のある素材には、例えばコットンをはじめとした天然素材があります。しかし、コットンには栽培の際に大量の水を消費したり、化学肥料による土壌汚染が起きたりといった調達における課題があります。
そこで注目したいのが、オーガニックコットンです。環境にも人々の健康にも配慮した栽培方法であるという国際基準を満たして認証を受けたコットンのことであり、サステナビリティを心掛ける企業において取り入れられています。
そのほか、新しい生分解性素材の開発を進め、サステナブルファッションに貢献している企業もあります。
長く着用し続けられる衣服をつくる
サステナブルファッションの一環として、長く着続けられる服づくりを行っている企業もあります。
例えば、色落ちしにくい染色やほつれにくい縫製技術、長期間使用しても機能が維持される素材の開発など、服の寿命を延ばすための取り組みです。
また、衣服のリペアやリメイクサービスを積極的に行っている企業も増えています。大量消費ではなく、一着ずつを大切にするという消費者の意識改革につながり得る取り組みだといえるでしょう。
着なくなった衣服を回収・リユースする仕組みをつくる
サステナブルファッションの実現には、着なくなった服をごみとして処分してしまう人が多い現状を変える必要があり、そのための仕組みづくりに取り組む企業が増えています。
例えば、店頭に古着の回収ボックスを設置し、リサイクルやリユースに回しているアパレルブランドを目にしたことがあるかもしれません。
企業と自治体が連携して取り組むケースもあり、スーパーやドラッグストアなど市民の生活導線上に回収ボックスを設置し、再資源化したり譲渡会を開催したりしています。
また、郵送での回収サービスを取り扱う企業や、サービス利用で特典を得られる企業も見られます。
サステナブルファッションは国を挙げて推進されていることもあり、一般消費者が気軽にアクションを起こしやすい環境づくりは、今後より一層進んでいくでしょう。
サステナブルファッションを日常に取り入れる方法

サステナブルファッションを実現するためには、衣服を購入・使用する私たち個人の意識改革やアクションも大切です。
ここでは、サステナブルファッションを暮らしのなかで実践するための、具体的な方法についてご紹介します。
素材や品質から着回しやすさまで考えてじっくり選ぼう
衣服を購入するときには、衝動買いを避けてじっくりと選ぶことが、サステナブルファッションにおいては重要です。長く着られる素材や品質であるか、手持ちの服も踏まえて着回しやすいか、本当に必要なものであるかなどをよく検討しましょう。
例えば、品質の良いコットンの服は丈夫なうえ、手入れがしやすく、さらには着心地の良さも長持ちします。着回しやすいデザインを選べば、少ない枚数でバリエーション豊かな着こなしが可能です。
また、次のような各種認証マークに注目し、サステナブルな素材や方法で作られた衣服を積極的に選択するのも良いでしょう。
サステナブルファッション関連の認証制度例
- GOTS認証:素材調達から流通・販売に至るまで環境および人権に配慮されている繊維製品のみに与えられる国際的な認証
- GRS認証:リサイクル素材を50%以上使用して作られたなどの要件を満たした製品のみに与えられる国際的な認証
- フェアトレード認証:適切な労働環境や適正価格の支払いなど、働く人々の人権保護に関する要件を満たした製品のみに与えられる国際的な認証 など
衣服を長く大切に着よう
衣服を長く大切に着ることは、廃棄処分に伴なう環境負荷を減らすことにつながるため、サステナブルファッションの一つです。
日本中の人々が今よりも1年間だけ長く衣服を着続ければ、国内全体で約3万トンもの廃棄量が削減できるといわれています。
衣服を長持ちさせるためのポイントとして、まずは日頃から素材に合った洗濯やケアを心掛けるようにしましょう。
それでもボタンが取れたり裾がほつれたりなど、衣服が損傷することもあるでしょう。そのようなときは、自分で直すのがおすすめです。
サイズが合わなくなった場合や自分で直せないレベルの損傷である場合には、お直しサービスやリペアサービスを利用することも検討してみてください。
衣服のリユースやリサイクルを心掛けよう
衣服を手放す際には、ごみとして捨てずにリユース・リサイクルすることがサステナブルファッションには重要です。
例えば、衣服を1着リユースに出せば、焼却時に排出される二酸化炭素(約0.5kg)の削減につながるといわれています。
手放したい服がまだ着られる状態ならば、フリマアプリや古着店を通じてリユースに回しましょう。
寄付も選択肢の一つです。国内および世界の衣服を必要としている人々に譲れます。寄付を行っている各種団体や企業を検索してみて、活動内容や目的に共感できるところを選ぶのがおすすめです。
リユースできない服は、リサイクル回収に出しましょう。各種企業のほか自治体が回収の取り組みを行っていることも多いので、Webサイトなどを活用して調べてみてください。
公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブが運営する「イオン チアーズクラブ」は、全国の小学校1年生から中学校3年生までを対象とした活動団体です。
イオン チアーズクラブでは、環境や社会に対して興味・関心を持ち、考える力を育むため、さまざまな体験学習を実施しています。
体験学習では子どもたちがメンバーで協力し合い、一丸となって活動に取り組むため、集団行動における社会的なルールやマナーも学べます。
「身近な問題について体験を通して学び、考える力を楽しみながら身につけて欲しい」と考えている保護者の方は、ぜひお子さまのイオン チアーズクラブへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
「イオン チアーズクラブ」で実施された活動
ここでは、イオン チアーズクラブでこれまでに実施してきた活動内容の一部をご紹介します。
Tシャツのリサイクルによる服の循環体験

イオン チアーズクラブ神戸南・umie・垂水のメンバーは、衣料廃棄問題をテーマにしたサステナブルワークショップを行いました。
最初のワークショップでは、日本で処分される衣服の量や、自宅に眠る着なくなった服について、クイズも交えながら学びました。
次のワークショップでは、活動時に着用して古くなったチアーズクラブのTシャツが、綿へ戻り、紙やフェルトへとリサイクルされる動画を視聴しました。リサイクルの過程を実際に目にすることで、リサイクルへの興味や関心が強まった様子でした。
最後のワークショップでは、リサイクルによって作られた活動ノートを持参した古着でデコレーションするというアップサイクル※体験をしました。
一連の活動に対してメンバーからは、「不要な服でも役に立つことがわかった」「リサイクルの大切さを実感した」といった感想が寄せられており、一人ひとりが衣料の再資源化について考えるきっかけとなったようです。
※ アップサイクルとは、使い終えたものの価値を元より高めて再生させるリサイクルの方法
このほかにも、イオン チアーズクラブではさまざまな活動を行っています。
イオン チアーズクラブの活動をさらに詳しく知りたい方は、以下のURLからご覧ください。
子どもたちが主役!環境・社会をテーマにした体験学習で楽しく学ぼう!
まとめ
衣服は私たちの生活に欠かせない要素であり、暮らしを彩る楽しみのひとつでもあります。しかし、選び方や使い方によっては、環境に負荷をかけてしまう可能性があるのも事実です。
だからこそ、衣服を購入する際には素材や生産背景を意識して、本当に必要なものを選び、長く丁寧に使うことが、持続可能な未来につながります。まずは日々のファッションに、サステナブルな視点を取り入れてみませんか。
公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域の発展への貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。
「子どもたちの健全な育成」事業の一つである「イオン チアーズクラブ」では、小学生を中心に、環境や社会貢献活動に興味・関心を持ち、考える力を育む場として体験学習を全国で行っています。
また、中学生が環境に関する社会問題をテーマに、自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ取り組んでいる環境保全や社会貢献に関する活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」など、さまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLから詳細をご覧ください。