MDGs(ミレニアム開発目標)とは?SDGsとの違いや目標達成度も含めてわかりやすく解説
SDGs

2026.06.23

MDGs(ミレニアム開発目標)とは?SDGsとの違いや目標達成度も含めてわかりやすく解説

MDGsとは、SDGsの前身となった国際社会共通の目標です。そのため、SDGsと似たところがあります。

本コラムでは、SDGsとの違い、MDGsの達成度や残された課題などをわかりやすく解説します。

MDGsとは何かを知りたい方はもちろん、SDGsに関心がある方、世界が抱える課題について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

MDGsとは?SDGsとの違いも含めて簡単に解説

MDGsとは、2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された「国連ミレニアム開発宣言」と、1990年代開催の主要な国際会議やサミットで採択された「国際開発目標」を統合して作られたものです。

まずは、MDGsの概要を、SDGsとの違いも含めて簡単に解説します。

MDGsは2000年に採択された「ミレニアム開発目標」

MDGs(Millennium Development Goals)とは、ミレニアム開発目標のことを指します。2000年9月に開催された国連ミレニアム・サミットに参加した189の国により「国連ミレニアム宣言」が採択されるとともに、目標としてMDGsが定められました。

MDGsは8つの目標のほか、21のターゲット、60の指標から構成されています。その内容は主に開発途上国の問題解決を目的としたものであり、目標達成のための取り組みを先導して行うのは国連や各国の政府でした。

目標の達成期限は、いずれも2015年までで、2015年7月6日に目標の達成状況が報告されました。

個々の達成状況に関しては後述しますが、簡単にまとめると「MDGsの実施による成果は非常に大きかった。反面、未だに極度の貧困に悩まされている人々は多くいるなど課題は残る」という結果となりました(出典元:国際連合広報センター)。

SDGsは2015年に採択された「持続可能な開発目標」

SDGs(Sustainable Development Goals)は、MDGsの後継として新たに設けられた「持続可能な開発目標」のことです。2025年9月に開催された国連サミットにて、加盟国全会一致で採択された「持続開発のための2030アジェンダ」に明記されています。

SDGsはMDGsで解決しきれなかった課題や、新たに発生し続けている環境問題・社会問題に対応するものであり、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っているのが特徴です。

そのため、SDGsでは開発途上国の問題のみでなく先進国の課題解決も目的としているほか、国や自治体だけでなく民間企業や個人も積極的に取り組むことが大切であると示しています。

SDGsは17の目標と169のターゲットを掲げており、MDGsよりも多く詳細な内容となっています。目標の達成期限は、2030年です。

SDGsについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

【小学生向け】SDGsって何だろう?わかりやすく17の目標などを解説!

MDGsで掲げられていた目標と達成度

MDGsでは、2015年までに達成すべき8つの目標が掲げられており、それぞれの小目標としてターゲットが設定されていました。

  • MDGs1.極度の貧困と飢餓の撲滅
  • MDGs2.普遍的な初等教育の達成
  • MDGs3.ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
  • MDGs4.幼児死亡率の引き下げ
  • MDGs5.妊産婦の健康状態の改善
  • MDGs6.HIV/エイズ、マラリア、その他の疫病の蔓延防止
  • MDGs7.環境の持続可能性の確保
  • MDGs8.開発のためのグローバル・パートナーシップの構築

ここでは、8つの目標のうち、いくつかを抜粋して定められたターゲットの内容と、最終的な成果について解説します。

MDGs2.普遍的な初等教育の達成

MDGsの二つ目の目標は「普遍的な初等教育の達成」で、世界中の子どもが一定の教育を受けられることを目的としたものです。

設定されていたターゲットと、2015年時点での成果報告を見ていきましょう。

MDGs2のターゲット

  • ターゲット2.A
    2015年までに、すべての子どもたちが、男女の区別なく、初等教育の全課程を修了できるようにする。

引用元:国際連合広報センター

MDGs2による成果概要

  • 開発地域における小学校の純就学率が、2000年には83%であったものが2015年には91%まで上昇し、サハラ以南アフリカを除くすべての地域において目標達成間近
  • 開発途上地域の小学校就学率の増加が最大であったのはサハラ以南アフリカ

MDGs2の目標達成には至らなかったものの、2000年から小学校就学率・純就学率が大幅に向上し、2015年時点では目標達成まであとわずかとなりました。

ただし、就学率においては、最貧困層と最裕福層との格差も大きな課題として残っています。

※ 純就学率とは、本来就学すべき年齢の生徒だけをその年齢の総人口で割ったもの。これに対し、就学者数をその学年に就学すべき年齢の人口で割ったものを総就学率(就学率)と呼ぶ。

MDGs3.ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上

MDGsの三つ目の目標は「ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上」で、教育に関する男女間の不平等をなくすことで、女性の社会的地位が確立されることを目的としています。

設定されていたターゲットと、2015年時点での成果報告を見ていきましょう。

MDGs3のターゲット

  • ターゲット3.A
    できれば2005年までに初等・中等教育において、2015年までにすべての教育レベルで、男女格差を解消する。

引用元:国際連合広報センター

MDGs3による成果概要

  • すべての開発途上地域において、初等・中等・高等教育における男女格差を撲滅
  • 南アジアにおいて小学校に通う男女比は、1990年に男子100人に対し女子74人であったものが、2015年には男子100人に対し女子103人に変化
  • 過去20年において174カ国の約90%の女性が政治参加の基盤を得た

開発途上地域において、初等・中等・高等教育で男女格差が解消されたとのことです。また、その甲斐もあってか、女性が政治に参加しやすい基盤づくりが各国で進んでいます。

ただし、開発途上地域の国会議員のうち、女性の割合は5人に1人に留まっていました。

MDGs7.環境の持続可能性の確保

MDGsの七つ目の目標は「環境の持続可能性の確保」で、環境保全や住環境の整備をすることで、長く安全に暮らし続けられる環境づくりを目的としています。

設定されていたターゲットと、2015年時点での成果報告を見ていきましょう。

MDGs7のターゲット

  • ターゲット7.A
    持続可能な開発の原則を各国の政策やプログラムに反映させ、環境資源の喪失を阻止し、回復を図る。
  • ターゲット7.B
    生物多様性の損失を抑え、2010年までに、損失率の大幅な引き下げを達成する。
  • ターゲット7.C
    2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を持続可能な形で利用できない人々の割合を半減させる。
  • ターゲット7.D
    2020年までに、最低1億人のスラム居住者の生活を大幅に改善する。

引用元:国際連合広報センター

MDGs7による成果概要

  • 1990年には世界人口の76%が改良された飲料水源を使用していたが、2015年には91%まで増加した
  • 1990年以降に改良された飲料水へのアクセスを得た26億人中、19億人が水道水へのアクセスを得た
  • 1990年以降オゾン層破壊物質は除去・消滅され、今世紀半ばまでにオゾン層の回復が見込まれる

安全な飲み水とオゾン層保護においては、目標が達成されました。

しかし、未だに衛生的で安全な環境で暮らせていない人々が多くいます。また、環境保全においては二酸化炭素の排出過多や、水不足など、数多くの問題を抱えています。

※ 改良された飲料水とは、外部からの汚染(特に排泄物による汚染)から十分に保護される構造を備える水源や供給施設からの飲料水のこと

MDGs8.開発のためのグローバル・パートナーシップの構築

MDGsの八つ目の目標は「開発のためのグローバル・パートナーシップの構築」で、先進国が開発途上国の支援をするなどして、全世界の人々が発展した産業や技術の恩恵を受けられる環境の整備を目的としています。

設定されていたターゲットと、2015年時点での成果報告を見ていきましょう。

MDGs8のターゲット

  • ターゲット8.A
    開放的で、ルールに基づいた、予測可能でかつ差別のない貿易および金融システムのさらなる構築を推進する。
  • ターゲット8.B
    後発開発途上国の特別なニーズに取り組む。
  • ターゲット8.C
    内陸開発途上国および小島嶼開発途上国の特別なニーズに取り組む。
  • ターゲット8.D
    開発途上国の債務に包括的に取り組む。
  • ターゲット8.E
    製薬会社との協力により、開発途上国で必須医薬品を安価に提供する。
  • ターゲット8.F
    民間セクターとの協力により、情報通信技術をはじめとする先端技術の恩恵を広める。

引用元:国際連合広報センター

MDGs8による成果概要

  • 2000年から2014年の間にODA(開発途上地域への支援をはじめとした国際協力活動に使用する公的資金)が実質66%増加
  • 2000年から2015年で携帯電話の契約数が7億3.800万件から70億件と約10倍に増加
  • 2000年には世界人口の6%であったインターネット普及率が、2015年には43%まで増加し、32億人がグローバル・ネット―ワークとつながる

ODAによる開発途上地域への支援は以前よりも活発になり、携帯電話やインターネットの普及においても、世界的な進歩が見られました。

MDGsの成果と課題

MDGsは2015年で達成期限を迎え、多くの成果が報告されました。一方で、目標達成に至らなかった課題や、MDGsを通して新たに見えてきた課題もあります。

ここでは、MDGsの成果と課題をわかりやすく簡単に解説します。

MDGsによってもたらされた成果

当時の国連事務総長であった潘基文(パン・ギムン)は、MDGsの成果について、「史上最も成功した貧困撲滅運動であった」とまとめています。

実際、MDGsの取り組みは、開発途上地域で極度に貧困な人々の割合を半分以下に減少させるなど、確かな成果を挙げています。

また、貧困防止につながる男女格差の解消や教育の普及においても、大いに効果を発揮しました。

MDGsに残された課題

多くの成果が得られたMDGsですが、全ての目標を達成はできず、新たに浮き彫りとなった課題もありました。

特に際立ったのは人々の格差です。例えば、全体で見ると貧困に悩む人々の割合は大きく減少しましたが、特に貧しい人々と最も裕福な人々とでは次の違いがあります。

  • 最貧困層の家庭で暮らす子どもの未就学率は、最裕福層の家庭の子どもの4倍
  • 最貧困層の家庭で暮らす5歳未満の幼児の死亡率は、最裕福層の家庭の子どもの2倍

MDGsの取り組み以後も、多くの子どもたちが苦しい環境で暮らしているのです。

すべての問題が解決していないのは、SDGsが誕生し、取り組みが進められている現在も同様です。

世界が抱える課題解決のために私たちができること

MDGsから引き継がれたSDGsの取り組みには、国や自治体のみでなく、企業のほか個人の行動や意識改革も含まれています。世界が抱える課題を解決するためには、私たち一人ひとりの行動も大切なのです。

ここでは、個人ができる取り組みを紹介します。

世界の社会問題や環境問題について知り、伝える

世界が抱える課題解決のために私たちができることとして、世界の社会問題や環境問題について知り、周囲の人々に伝えることが挙げられます。

例えば、世界の教育の現状やインフラ設備の状況、国際的な紛争問題について調べ、家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

社会は私たち一人ひとりの行動によって作られていきます。だからこそ、世界が抱えるさまざまな課題を知り、持続可能な世界を築くために何ができるかを考えることは、問題解決への一歩になります。

ボランティア活動に参加する

社会問題や環境問題の対策につながるボランティア活動を行うことも、世界が抱える問題解決のために私たちができることです。

ボランティア活動の種類は、さまざまあります。環境を守るためにごみ拾いや植樹に参加したり、子どもの健やかな成長のために登下校を見守ったり本を読み聞かせたりなど、自分の得意や興味を生かせるものを探してみると良いでしょう。

身近な地域で行われているボランティア活動を探したい場合には、自治体のWebサイトに情報がまとめられているので、確認してみてください。

募金や寄付を行う

社会問題や環境問題に対してアクションを起こしたいなら、団体に募金や寄付を行うのもおすすめです。

募金には、特定の活動分野や地域を指定する募金、紛争や自然災害で被災した子どもたちの支援のための募金など、さまざまな種類があります。

また、お金に余裕がない方でも、衣類やおもちゃ、ランドセル、文具など、自宅にある「まだ使える不用品」の寄付により世界の誰かを支援できます。

各団体が行っている支援内容を確認し、自身が応援したいと思える団体に募金や寄付をしましょう。

公益財団法人イオン1%クラブ「イオン チアーズクラブ」について

公益財団法人イオン1%クラブが運営する「イオン チアーズクラブ」は、全国の小学校1年生から中学校3年生までを対象とした活動団体です。

イオン チアーズクラブでは、環境や社会に対して興味・関心を持ち、考える力を育むため、さまざまな体験学習を実施しています。

体験学習では子どもたちがメンバーで協力し合い、一丸となって活動に取り組むため、集団行動における社会的なルールやマナーも学べます。

「楽しみながら環境や社会に興味を持ってほしい」と考えている保護者の方は、ぜひお子さまのイオン チアーズクラブへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。

「イオン チアーズクラブ」で開催された活動

ここでは、イオン チアーズクラブでこれまでに実施してきた活動内容の一部をご紹介します。

食品ロス・店探検

イオン チアーズクラブ旭中央店のメンバーたちは、イオンの店舗で食品ロスについて学習しました。

手前取りや、食品ロスの削減を目的として作られている商品を選ぶなどといった具体的な対策を言葉だけでなく、店内ツアーという形で見て学べる機会となりました。

メンバー全員が集中して学習に取り組んでおり、食品ロスにまつわるクイズが出題されたときには全問正解という優秀ぶりでした。

Tシャツのリサイクルによる服の循環体験

イオン チアーズクラブ神戸南・umie・垂水のメンバーは、衣料廃棄問題をテーマにしたサステナブルワークショップを行いました。

最初のワークショップでは、日本で処分される衣服の量や、自宅に眠る着なくなった服について、クイズも交えながら学びました。

次のワークショップでは、活動時に着用して古くなったチアーズクラブのTシャツが、綿へ戻り、紙やフェルトへとリサイクルされる動画を視聴しました。リサイクルの過程を実際に目にすることで、リサイクルへの興味や関心が強まった様子でした。

最後のワークショップでは、リサイクルによって作られた活動ノートを持参した古着でデコレーションするというアップサイクル体験をしました。

一連の活動に対してメンバーからは、「不要な服でも役に立つことがわかった」「リサイクルの大切さを実感した」といった感想が寄せられており、一人ひとりが衣料の再資源化について考えるきっかけとなったようです。

※ 使い終えたものの価値を元より高めて再生させるリサイクルの方法

このほかにも、イオン チアーズクラブではさまざまな活動を行っています。

イオン チアーズクラブの活動をさらに詳しく知りたい方は以下のURLからご覧ください。

子どもたちが主役!環境・社会をテーマにした体験学習で楽しく学ぼう!

まとめ

MDGsは2015年までを達成期限とした国際目標であり、その成果はとても大きなものでした。

現在は、残された課題と新たに発生する環境問題や社会問題の解決を目指し、SDGsへの取り組みが世界一丸となって行われています。

私たち一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、世界の課題解決につながります。ぜひ本コラムをきっかけに、世界が抱える課題に目を向け、解決のためにできることから始めてみましょう。

公益財団法人イオン1%クラブについて

公益財団法人イオン1%クラブは、1990年に設立され、「お客さまからいただいた利益を社会のために役立てる」という想いのもと、「子どもたちの健全な育成」「諸外国との友好親善」「地域の発展への貢献」「災害復興支援」を主な事業領域として、環境・社会貢献活動に取り組んでいます。

「子どもたちの健全な育成」事業の一つである「イオン チアーズクラブ」では、小学生を中心に、環境や社会貢献活動に興味・関心を持ち、考える力を育む場として体験学習を全国で行っています。

また、中学生が環境に関する社会問題をテーマに、自ら考え、書く力を養う「中学生作文コンクール」や、高校生が日ごろ取り組んでいる環境保全や社会貢献に関する活動を発表し、表現力や発信力を高めることを目的とした「イオン エコワングランプリ」など、さまざまな活動を実施していますので、ぜひ下のURLから詳細をご覧ください。

公益財団法人イオン1%クラブの活動内容を詳しく知りたい方はこちら

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