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ツバキを守って島おこし 〜伊豆大島発。椿の島のエコ活動〜

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ツバキを守って島おこし 〜伊豆大島発。椿の島のエコ活動〜

東京都立大島高等学校

活動内容について

農林科の活動内容はこちらよりご覧ください。

目標・今後の計画

伊豆大島はヤブツバキ300万本を誇るツバキの島です。ツバキは島の自然を象徴する植物で、高温多湿で火山灰由来の酸性土壌という島の風土によく合いよく育つため、木材、薪炭材、防風林、椿油あるいは観賞用にと古くから島民の生活に密着してきました。しかし近年では島の人口減少や高齢化により、管理が不十分になるとともに、椿に関わる島の産業や文化の衰退も課題になっています。観光客数も伸び悩んでいるうえに一昨年の土砂災害。この活動は、ツバキという島の宝を地域資源として活用することで、今後の島おこしと復興につなげていくことを目標にしています。

活動内容

ヤブツバキは日本原産であるうえに、多くの利用方法があり歴史も文化も奥深く、活動内容は無数に考えられるのですが、私たちは(1)高校生によるツバキの普及啓発活動(2)高校での特産品づくり(3)高校椿園の国際優秀つばき園認定、を3本柱としました。
(1)普及啓発活動として、高校生による椿ガイドや栽培講座をおこない、「椿学」としてツバキの魅力を発信しています。本校には椿園があり、1月から3月の椿まつり期間中は多くの来園者があります。2月におこなった椿ガイドには地域の方やゼミ合宿中の大学生など多くの方にご参加いただけました。7月におこなった挿し木教室も大変好評で、今後も違ったテーマでの講座をしてほしいとの声もいただいています。
(2)椿油など特産品づくりから、椿関連の地域産業を知るとともに、東京で販売するなどして島をPRしています。今年で4年目になりますが、全校生徒によびかけて椿のタネを拾い、昇降口に設置した椿ポストにいれてもらっています。これを、天日で乾燥させ、選別し連携している地域の業者に持ち込んで専用の機械で搾油しています。これを小瓶に詰めて大島高校産椿油として製作し、島内や東京の全国農業高校収穫祭で販売して好評を得ています。今後は椿炭づくりや椿染めなどにも広げていければと考えています。
(3)本校椿園はツバキの園芸品種350品種以上を擁しており、現在国際優秀つばき園の認定をめざしています。10月に海外理事の視察を受け、順調にいけば来年2月に認定されます。高校椿園として世界初のものになります。その認定基準をめざすべく日夜管理に励むとともに、これを島の観光の起爆剤にすることを目指しています。この認定は島内の他の2園と同時申請のかたちで、連携しながら島ぐるみですすめています。日頃の栽培管理のみならず、2020年の東京オリンピックを前に、国際理解教育の場としてもオンリーワンの椿園を目指しています。

成果・実績

(1)「椿学」と名付けた各種イベントには、地域から多くの参加者があり、身近すぎて忘れていたツバキの魅力を再認識させることができています。また、ツバキを通じて、老若男女が交流するなど、講座を通じて多くの地域貢献ができています。
(2)「椿油」を通じて、その製法を学ぶだけでなく、島の歴史、文化、伝統を学ぶことができています。また、販売することで、ツバキの魅力、島の魅力を広く発信することができています。今年も11月15日、このエコワングランプリ首都圏大会の裏で、東京駅の大丸でおこなわれる全国農業高校収穫祭で販売いたします。実をとる目的のために、放置されがちになっているツバキ林の管理につながってきていることも成果のひとつです。油カスも肥料として活用しています。椿油の振興は、特産品づくりや雇用の拡大にもつながっていきます。
(3)国際優秀つばき園は2015年2月に国内理事の推薦を得ました。10月に海外理事の視察があり、現在それにむけ準備をすすめているところです。追ってご報告できると思います。2016年2月に無事認定されれば、東日本初、学校所管の椿園としては世界初の認定ということで、大々的にPRしていく予定です。

このように、郷土を象徴する「ツバキ」を生かして、島の魅力と誇り、輝きを取り戻すことができるよう、日々の管理作業からイベントの開催まで、私たちは地道に楽しく「椿の島のエコ活動」に取り組んでいます。

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