ポジティブなエコシステムの実現
~エコ・バイ・デザイン~
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広島市立広島工業高等学校
活動内容について
広島市工グリーン・プロジェクト エコ・アクション・チームの活動内容はこちらよりご覧ください。
目標・今後の計画
「高校生による、持続可能な社会の実現」を研究テーマとし、地球環境の現状を把握するための「見える化」を行い、データの蓄積により長期変化や局地的な異変などを考察し、地球環境への負荷を軽減するエコ・アクションと、「ポジティブなエコシステムの実現」を目標に活動しています。学校の電力消費量については、単にガマンする節電ではなく「節電」は「効率化」と考え、「節電」から持続可能な社会の実現を目指す全校プロジェクトを展開しています。2008年からは、東京大学の本郷キャンパス工学部二号館の節電プロジェクト「東大グリーンICTプロジェクト」で30%の節電を成功された技術を、どの学校でも適用できるよう、システム開発に東京大学と連携を深め、取り組んでいます。
活動内容
広島市工グリーン・プロジェクトの活動は、2007年度から工業科の情報電子科と環境設備科の生徒(毎年12名程度)が、壁面・屋上緑化により室内に入る日射等を防ぎ、空調負荷の抑制、冷暖房に消費される電力量の軽減、温室効果ガスの削減等を目指す実証研究に取り組んでいます。
ICT技術を活用した雨水利用等のシステム開発では、商用電力を使用しない「二酸化炭素排出ゼロ」を目指しています。環境設備科と連携してソーラー発電パネルの熱による変換効率の低下を防ぐ装置を開発。次年度に向けて実証実験を行い「二酸化炭素排出ゼロ」に近づけたいと考えています。
また、社会問題の解決に向けたシステム開発として、2014年度から、土砂崩れの前兆現象を検知するため、風化土の水分量を計測するセンサーと各検知システム間を無線で通信する、データ転送システムの開発を継続しています。製作したプロトタイプは、国立研究開発法人防災科学技術研究所(つくば市)で土砂崩れ検知システムの検証実験を実施しました。実験の結果、想定した結果を得ましたが、省電力化と耐久性向上など新たな課題解決に向けて取り組んでいます。
そして、2015年度からは、熱中症の注意を促すため、環境センサーユニットを発展させ、エアコンなどの家電を制御する環境センサーユニットの研究開発を継続しています。また、2017年度から、校内の電力消費量削減と校内から出るごみの再利用化と減量化の研究と普及活動も行っています。
2017年度から次の3つの校内プロジェクトを実施しています。
①広島市工グリーン・プロジェクト(持続可能な社会を目指す取り組み)→エコ・アクション・チーム
②広島市工オレンジ・プロジェクト(ものづくりボランティア活動)→広島市工サイエンス工房
③広島市工スカイブルー・プロジェクト(平和への活動)
「エコ・アクション・チーム」の活動で、無駄な電力消費を見つけ出したところ、教室の南側は基準以上の照度がある、トイレの照明の切り忘れが多い、体育館未使用時に切り忘れがあることが分かりました。そこで、無駄な電力消費を減らす対策を話し合い、以下を提案しました。
・教室照明スイッチに近い生徒が照明の点灯を管理して、教室1/3を節約する節電貯金計画を提案⇒電力消費の計測を情報電子科で行い、節電結果をエコアクションポイント制度的な校内ポイント(検討中)を活用しながら全校展開に向けて計画。
・トイレや体育館の照明の切り忘れは、注意喚起と注意プレートで働きかける。スマート化(自動化)として、トイレの自動照明化システムを計画。
・ごみの再利用化と減量化のために、机など金属と木材が複合している物は、材質を分別することで素材によっては資源化することができるため、資源化できる物をまとめ、安全に分別する方法を検証(机、イス、実習装置など)しています。このほかにも、名刺サイズ以上の紙を回収して、再生紙化したり、自動販売機の前にあるペットボトル用のごみ箱の横にペットボトルキャップの回収箱を置いて、寄付活動をする取り組みを行っています。
さらに、実習や工作で使用した電線は、銅線の資源化、銅線アート、ハンダ付けの練習材料として活用し、木材は、スマホスタンドなどの小物、木材をチップ化して廃材燃料として利用しています。
成果・実績
「エコ・アクション・チーム」の「節電・省エネ」の取り組みの効果をシミュレーションすると、本校全体18教室が1か月約2万5920〔W〕の節電が可能で、7月の学校全体の消費電力の約0.76%、約1万2500円の節約となります。その結果、中国電力で発電された電気で1か月約18kgの二酸化炭素排出量を抑えることができたと考えています。このように結果につながる省エネの取り組みは多くの生徒から賛同を得たと思います。この取り組みを継続するためにも「省エネの見える化」「自動化システム」で、さらなるエコ・アクションに繋げていきたいと考えています。