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大手川で育ち、大手川を育て、
大手川を未来へ繋げる

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大手川で育ち、大手川を育て、 大手川を未来へ繋げる

京都府立宮津天橋高等学校

活動内容について

フィールド探究部の活動内容はこちらよりご覧ください。

きっかけ

2004年の台風23号で氾濫し甚大な被害を受けた大手川は、その後の大規模改修によって高い堤防に囲まれ用水路のような姿に変わった。そんな大手川を見ながら、京都府立宮津天橋高校フィールド探究部の生徒たちは、「自分たちはこの身近な川について何も知らないのではないか」と疑問を持った。さらに、改修工事は住民の川への意識も遠ざけたのではないかと考え、大手川での生態系調査や住民へのアンケートを実施。大手川本来の姿を取り戻す活動や、長年放置されていた親水公園の再生に着手した。

活動内容

大手川の生物について経年変化を調べると、ハゼが好む「砂地」が増えカワムツが好む「瀬」が減少したことがわかった。流れが単調になったと考えられ、滋賀県立大学の瀧健太郎教授に指導を仰ぎ、土のうを積んで流れの速い瀬や緩やかな淵を作る「バーブ工」を設けた。すると、アユが瀬に集まるなど多様な生物が棲みつく環境を作れることが分かった。
一方、地域でのアンケート結果からは、子どもたちに川に親しんでほしい思いが見えてきた。そこで、子どもたちが大手川についてもっと知り、遊べる場所が必要と考え、長く放置されている親水公園の再生活動を始めた。活動は、溝掘りをしても大雨により土砂で埋まるなど苦闘の連続だったが、丹後土木事務所の協力も得て、多様な生物が生息でき子どもたちが遊べるビオトープを造り上げた。再生した親水公園では、大手川の魅力を伝える川イベントを2回開催し、学習会や市の広報誌で活動の発信も行った。

成果

川イベントや学習会は、子どもたちに「なぜ川を守っていく必要があるのか。そのために何ができるのか」を考えてもらう機会になった。また、かつての大手川を知る人たちがアユの引っ掛けという漁法を実演してくれるなど、幅広い年代が触れ合い皆が川に愛着を持つ機会となった。大手川に豊かな生態系を取り戻す活動も、「バーブ工」のメンテナンスを定期的に継続するなど、多様な生物が棲める環境づくりに取り組んでいる。地域協同の効果で近隣の5河川でもイベントを開催し、子どもたちが川について学ぶ機会を提供した。

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