公益財団法人イオン1%クラブ

守れ閖上の砂浜!
ZEROマイプラによる食料生産と豊かな海作り

TOP > 子どもたちの健全な育成 > イオン エコワングランプリ > 過去の受賞活動 >守れ閖上の砂浜! ZEROマイプラによる食料生産と豊かな海作り

守れ閖上の砂浜! ZEROマイプラによる食料生産と豊かな海作り

宮城県農業高等学校

活動内容について

環境保全部の活動内容はこちらよりご覧ください。

海岸にたまったプラスチックカプセルに危機感

ある日、生徒たちが地元・名取市閖ゆりあげ上の砂浜でごみ拾いをしていると、5㎜大の透明な粒が大量に打ち上げられているのを見つけた。「カエルの卵かな?」と当初思われていたものは、調べてみるとプラスチック製のカプセルで、水田で使われた被覆肥料の残骸だと分かった。肥料の表面をプラスチックで覆うことで成分をゆっくり溶かし、5カ月間効果を保つものだが、最後に残ったカプセル部分が用水路を通って海まで流れ着いていたのだ。「マイクロプラスチックによる生態系の破壊や水質汚染につながる」と危機感を抱き、解決への研究を開始した。

逆転の発想で誕生した「ZeroMP法(ゼロマイクロプラスチック法)」

ゆっくり溶かしたいのであれば、溶けるのが遅い肥料を使えばいい―。逆転の発想でたどり着いたのが、窒素とアルデヒドを合成したウレアホルムという物質で、土中で時間をかけて分解され、ゆっくりと効果を表す特性を持つ。昔から肥料として用いられてきたため、実用性を確認できればすぐに量産できると考えた。
そこで地元企業に相談し、ウレアホルムを含んだ水田用の肥料を作成。実地で肥料の溶出実験や、EC(電気伝導度)試験を行って、通常の肥料よりも効果が長いことを確認した。さらにコスモスや水稲を実際に栽培して生育状況や収穫量を調査し、水田や畑で十分に効果があることが認められ、生徒たちはこの栽培法を「ZeroMP法(ゼロマイクロプラスチック法)」と命名し普及活動を行っている。

「元を断つ」活動で、世界的な海洋ごみ問題に貢献

生徒たちが海岸近くで回収したごみの半分はプラスチック製品で、ペットボトルやトレーはある程度回収できても、今回のカプセルなどのマイクロプラスチックを拾い集めることは難しい。
一方で「ZeroMP法」が広まれば、農家の負担を増やすことなく、肥料の全体量を減らし、マイクロプラスチックごみが生まれる「元を断つ」ことができ、世界的な海洋ごみ問題にも貢献できる活動となっている。

戻る