未来の為にできることから始めよう ~エコロジカルプロジェクト~
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徳島県立池田高等学校定時制
活動内容について
池定・地域まもり隊の活動内容はこちらよりご覧ください。
活動内容
平成22年度、夜間定時制であることによる「時間の壁」、小規模であることによる「規模の壁」を発想の転換でメリットや特色として捉え、地域との絆を強めるために、本校の愛称である「池定」と、地域貢献への決意である「まもり」を名称に込めて、「池定・地域まもり隊」を結成した。
「池定・地域まもり隊」は、さまざまな活動や学習を通して、資源の有限性や自然環境の不可逆性について理解し、身近な自然環境や環境問題への興味・関心を高めている。そして世界規模で考え、地域で活動し、持続可能な社会づくりに貢献するという理念を持ち、一人ひとりが自分にできることを日々模索しながら活動に励んでいる。その事例を紹介する。
ゴミ分別に関しての学習を進め、生徒会役員で毎週金曜日に正しくゴミの分別がなされているかチェックしている。そして、各学期末に生徒会役員が反省会を行い、生徒会長から全校生徒に結果や今後の改善点等を報告し、学校全体で改善できるように働きかけている。また、市役所の環境課と連携し、地域のゴミ問題やゴミ分別について学習している。
これまでのものづくりの経験を生かして、グリーンカーテンを作ったり、地域の環境美化のために、町のゴミ拾いや地域住民の方とともに神社の清掃活動を行ったりしている。また、リデュース・リユース・リサイクルの3Rを意識し、学校で出た廃棄物を使って、工芸作品を制作し、美術作品展に出展した。マーブリング(墨流し)技法を用いて色づけするうちわづくりの活動を生かし、節電・節水や環境保全を啓発するうちわや、災害の被災地を応援するうちわ等を作製して、地域や被災地に配布している。本校が行っている社会貢献活動を地域の子どもたちに体験してもらうイベントに参加し、参加児童・生徒にマーブリングうちわの作り方の指導を行った。さらに、自治体が民間企業とともに実施している廃食用油の再生のための回収作業を支援するために、廃食用油の回収を実施している。家庭で出た天ぷら油等の植物性廃食用油から、ある程度不純物を取り除き、使用済みのペットボトル等に入れたものを回収し、地域の収集所へ提供している。
環境・貧困・人権・平和・開発といった地球規模の課題があるなかで、人間を含めた命ある生物が遠い未来までその営みを続けていくために、これらの課題を自分たちの問題として捉え、課題解決につながる価値観や行動を模索し、世界規模で考え、地域で活動し、持続可能な社会づくりに貢献することをめざして学習している。
成果・実績
ゴミ分別において、ペットボトルのキャップを外さずに捨てていた人がいたため、PDCAサイクルを実践し、反省点を報告会で周知徹底を図り、その後は正しくゴミ分別されるようになった。地域の美化活動では、私たちの住んでいる地域がきれいになっただけではなく、地域住民の方と協力して作業するなかで、「池定・地域まもり隊」の活動を理解していただき、地域社会との絆の強まりを実感できるようになった。また、地域の方たちに私たちを必要としていただけることにより、郷土に対する愛着が湧き、少しずつでも自分自身に誇りを持てるようにもなってきた。グリーンカーテンの設置で、例年より職員室のエアコンの使用頻度を比較的抑えることができた。また、育てたひょうたんの実を使って美術作品を制作し、徳島県定時制通信制教育連盟美術作品展に出展して工芸部門で準特選を受賞した。廃食用油のリサイクル支援活動で回収された廃食用油は、地域のゴミ収集車や給食配送車の燃料等に活用されている。西日本豪雨の発生を受け、厳しい暑さが続く今年の夏に少しでも涼を取っていただくために、愛媛県大洲市社会福祉協議会災害ボランティアセンターに、私たちが考えた希望の虹の絵を描いたうちわや、ボランティアの皆様や被災地の皆様へのメッセージを書道で書いたうちわ、全校生徒で寄せ書きした応援旗を送らせていただいた。地域の子どもたちに社会貢献活動を体験してもらうイベントでは、参加してくれた子どもたちから「できることからボランティア活動をしていきたい」との感想を伝えてもらい、社会貢献活動の重要性を実感することができた。
最初は、自然環境に配慮した生活行動が重要であることはわかっていながら、実際は少し窮屈に感じていたが、持続可能な開発に関する学習を進めるなか、私たちが少し工夫するだけで、一定の生活水準を維持しながら自然環境も守り、みんなが幸せになれるという視点を持つことができ、環境問題や社会問題へ取り組む姿勢がポジティブになった。また、「エシカル消費」に関する掲示物を作製したり、廃棄物をリサイクルした工芸作品を制作したりして地域社会で展示することにより、エコロジー活動の啓発につながった。
目標・今後の計画
積極的に地域に足を運び、地域住民の方とのさまざまな活動を通して、徐々に地域社会で本校定時制を認知していただき、「池定・地域まもり隊」への理解も示してくださり、地域住民の方からも活動への要望をいただけるようになってきた。一方通行ではなく、双方向によって活動を展開させ、より活動の幅を広げたり、質を高めたりしていきたい。地方からでも全国、そして世界につながる貢献を行えるよう、これからも池定の社会貢献活動の理念を代々受け継ぎ、時間はかかっても、地道なエコロジカルプロジェクトを通していつかは世界の人々とも「エコの環わ」をつないでいきたい。