海洋マイクロプラスチック汚染の実態調査と
解決に向けての活動
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愛媛大学附属高等学校
活動内容について
理科部プラガールズの活動内容はこちらよりご覧ください。
きっかけ
世界の海には1年間に約1000万トンものプラスチックごみが流入し、このままでは2050年には海洋プラごみの全質量が海洋生物の全体重を超えると言われる。このことに大きな危機感を持った愛媛大学附属高校理科部プラガールズの生徒たちは、海洋マイクロプラスチック汚染の実態を調査し、漁業系や農業系プラが夏に急増することなどを知った。
生徒たちは対策として海洋生分解性プラスチックに着目。その開発にチャレンジするとともに、普及のための情報発信と啓発に取り組む活動をスタートさせた。
活動内容
活動に先立ち、地元海岸のプラごみ回収イベントへの参加や、用水路での農業用カプセル測定を通し、漁業系と農業系のプラごみが夏に急増する実態が見えてきた。マイクロプラスチック対策の重要性を実感した生徒たちは、「海洋性細菌が作るプラスチックなら海洋で分解されるはず」と仮定。世界の天日塩を集めてその中に休眠している細菌を培養して優秀な菌株を選抜し、その菌体内から抽出したPHB(ポリヒドロキシ酪酸)で作成したプラスチックシートで海洋生分解性を確かめた。
その結果、PHB製プラスチックシートは、海洋性細菌により徐々に分解され、4カ月で完全に分解されることを確認。海洋性細菌から海洋生分解性プラスチックが作れることを証明した。さらに、PHB生産は高価な培地を使用することから、低コスト化にも挑戦した。
成果
細菌から海洋生分解性プラスチックの合成に成功するとともに、醤油と砂糖を用いた培養により生産コストを1000分の1まで下げることができた。これらの研究成果をもとに、中学生への出前授業の実施や、放送番組での情報発信、国際会議での発表、啓発マガジンの発行なども行っている。