蝶の飛ぶ街づくりをめざして
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大阪府立園芸高等学校
活動内容について
ビオトープ部の活動内容はこちらよりご覧ください。
自ら野山に行き食餌植物を採取
大阪府立園芸高校のビオトープ部は、閉校となった大阪府立城山高校のバタフライガーデンの普及活動を引き継ぎ、蝶の幼虫の餌となる食餌植物と、成虫が蜜を吸う吸蜜植物を栽培している。蝶を呼び寄せるバタフライガーデンに用いられる植物はほとんど市販されていないため、生徒はこれらの植物の種子を野山(北ほくせつ摂連山等)で自ら採取している。
訪れる野山では種子を採取する前に食餌植物の分布調査を行い、生息が確認された植物の結実期に再訪し、種子を採取する。ただ、野生種には休眠性があり、発芽率も低いことから栽培は困難を伴い、生徒は苦労しながら植物のポット苗を育てている。なお食餌植物の栽培には発芽率が調査できるプラグトレイという播種容器を利用しており、食餌植物全体の発芽率は約40%であった。
こうして出来上がった苗は、無償で企業や公共団体、学校等に配布し、バタフライガーデンづくりに役立てられる。
蝶類調査や出前授業なども実施
生徒たちはバタフライガーデンで調査も行っており、梅田スカイビルの「花と蝶の庭」では、近畿大学農学部昆虫学研究室や神戸大学農学部昆虫学研究室と共同で蝶類調査と昆虫調査を実施。その他のバタフライガーデンについては、伊丹市昆虫館、大阪昆虫同好会、南大阪昆虫同好会、大阪市立自然史博物館と共同で調査している。
また、活動内容を発信するため、日本昆虫学会小中高校生ポスター発表会に参加して5年連続ポスター賞を受賞。大学等が主催する科学コンクールでも入賞しているほか、発表した論文をまとめて機関誌を作り、環境団体や小中学校に配布している。また、食餌植物の植栽や昆虫調査を小学生に体験してもらったり、小学校に出向いて昆虫に関する出前授業を実施したりしている。
貴重なビオガーデンとしても機能
企業や公共団体、学校などとの連携は、多くの施設にバタフライガーデンができるだけでなく、蝶をはじめとしたビオガーデンとしても機能し、子どもたちが昆虫と触れ合えるようになった。ビオトープ部では、梅田スカイビルに蝶が舞うプロジェクトや新たな植物の栽培など、次なる目標に取り組み始めている。