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ハマチの中落ちを有効利用する試み

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ハマチの中落ちを有効利用する試み

香川県立多度津高等学校

活動内容について

海洋生産科 食品科学コースの活動内容はこちらよりご覧ください。

県からの依頼で食品開発に挑戦

香川県立多度津高校の研究のきっかけは、香川県発祥のハマチ養殖が2018年に90周年を迎えるにあたり、県の水産課から同校の海洋生産科食品科学コースに、ハマチを使った加工食品の開発依頼があったこと。そこで生徒たちは、「骨まで食べられるハマチの照り焼き風レトルトパウチ食品」を目標に掲げ、研究を開始したのである。
味付けや照り焼き風に仕上げる工夫などに試行錯誤を重ねた結果、ハマチの切り身をレトルトパウチに入れ真空パックし、高温高圧で加熱殺菌することで、常温保存できて背骨まで食べられるものとすることができた。
こうして開発した食品に、生徒たちは「骨まで愛して♡多高のハマちゃん!」とネーミング。商品は「ハマチ養殖90周年記念フェア」というイベントで販売され、高校生が開発したという話題性や、骨まで食べられる珍しさもあって、短時間で売り切れてしまう人気ぶりであった。その後、スーパーでも販売され好評を博した。

硬い背骨を軟らかく!おいしく!

この成果を踏まえ、生徒たちが次に取り組んだのが、ハマチを三枚におろしたとき大量に廃棄処分される「中落ち(背骨)」を、いかにおいしく食べられるよう加工できるかという研究開発である。
試作を繰り返す中で、塩水を通した中落ちをオーブンで焼き、冷やしてからタレとともにパウチに入れて高温高圧処理する方法を開発した。これにより、焼き目がついて見た目もよく、また香ばしさと独特の食感を持つ、骨まで食べられるハマチの中落ち製品が完成したのである。この商品は、「骨のあるヤツ!多高のハマちゃん!」と名付け、地元専門学校の学園祭で販売し好評を得た。

資源の有効利用と健康増進にも貢献

この研究開発は、産業廃棄物として処分されているハマチの中落ちを食品として生かすという、資源の有効利用に道を開いた。それと同時に、子どもの成長や高齢者の骨粗しょう症予防に欠かせないカルシウムの摂取や、生活習慣病の改善等に効果があるといわれるEPA(エイコサペンタエン酸)の摂取など、健康増進に貢献する可能性も示しており、生徒たちは今後も取り組んでいきたいと意気込んでいる。

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