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ヨシの恵みで環境保全活動 〜とりもどせ農村のヨシ産業・足尾の緑〜

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ヨシの恵みで環境保全活動〜とりもどせ農村のヨシ産業・足尾の緑〜

栃木県立栃木農業高等学校

活動内容について

環境科学部プロジェクト班の活動内容はこちらよりご覧ください。

目標・展望

平成 17 年より、日本の環境公害の原点とされた足尾銅山と渡良瀬遊水地の歴史的な背景を、次世代に継承する環境交流活動に取り組んでいる。本州最大の渡良瀬遊水地の「ヨシの恵みで環境保全」をテーマに、ヨシ原の浄化作用、治水対策、ヨシズ作りなど、エコ資源の調査を行っている。ヨシズ作りを復活し、夏の節電対策として「1 世帯で 1 枚のヨシズ」を立てかける運動を進める。残ったくずヨシは暗きょ土管と組み合わせ、東日本大震災の塩害対策として活用する。さらに 5 〜 10cm に切断し、米ヌカなどと熟成させたヨシ堆肥作りを考案する。

活動内容

私達はまず、日本の風物詩「ヨシズ」を復活し、エコ資源として、農村の家内工業を活性化することを考えた。そこで、ヨシズ農家、農村振興事業などと共同で、昭和初期の手編みヨシズ機を復元し、現地実習をくり返し行った。
今、東日本大震災による夏の節電対策が求められる中、ヨシズの日除け効果が注目されてきた。そこで、電力会社環境課と連携し、ヨシズの省エネ実証実験を行った。この調査を集計し、環境エコ活動発表会、省エネ対策検討会などで実績報告を行っている。
さらに課題研究で取り組んでいる、くずヨシの有機農法を応用して、米ヌカなどの自然素材で熟成させたヨシ堆肥を考案した。
「環境にやさしいヨシ堆肥」と名付け、鉱毒公害により荒れ果ててしまった足尾の山の植林活動に利用している。また、地域農家の有機農法の土作り、日光杉並木や県立公園の紫陽花、桜の公害や老化対策にも役立てている。このような地域一体化となった環境活動が認められ、2012 年の 7 月にラムサール条約に加盟することができた。

成果・実績

ヨシの湿原は希少な動植物の宝庫であり、ヨシの根には「窒素」「リン」などを吸収する浄化作用がある。さらに4m 以上に成長するものでは 1ha 当り 13t もの CO2を吸収するエコ資源となる。
東日本大震災後、節電対策が重要な課題となっているが、ヨシズの日除け効果ものその一環として取り組んでいる。ヨシズ 1 枚で地表面の温度を 15℃低下させ、室温を2℃下げることがわかった。これは 1 日当り 120Wの節電になり、日本全国 5,300 世帯が 1 軒で1枚のヨシズを使うことにより、夏期で 2,300t の CO2 削減につながることも分かった。
今後は農業高校の視点から、故郷の自然を守り、ヨシ活用によりエコ資源の活性化を目指して頑張っていきたい。

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