リサイクルからその先へ ~つばさのゴミ削減・その後の挑戦1~
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東京都立つばさ総合高等学校
活動内容について
ISO委員会の活動内容はこちらよりご覧ください。
目標・今後の計画
以前はリサイクル資源の回収によるゴミ削減だけを目標にしてきましたが、リユースやリデュースも目指すようになりました。学校で捨てられる物すべてを調査した結果、特に多くを占めたペットボトルと食品容器。この二つの排出量削減を目標に、いくつかのアイデアを実験したり具体化させたりしています。
無理に協力してもらうのではなく、楽しく取り組めるリユース・リデュースを学校内に普及させて、みんなのライフスタイルを少しずつ変えていくのが今後の目標です。
活動内容
=「28分別実験」の再実施=
リユースやリデュースの必要性を考え始めた私たちですが、どんな物をターゲットにすれば効果的なのかが思いつきませんでした。そのため昨年度に、捨てられるもの全部の内訳を詳細に調べる実験(以下「28分別実験」と呼びます)を行いました。この実験でペットボトルが一番多く、続いて弁当の容器が多いことが分かり、私たちは飲料や食品の容器をターゲットに決めました。
ですが、1回きりなので、結果には「その時は偶然多かった」可能性があります。また実験から1年が経ち、新入生も活動に加わりましたが、彼らは数字を知ることはできても、実験を通して飲料や食品の容器の多さを体感することはできていません。
そこで私たちは、今年6月にふたたび「28分別実験」を行いました。普段は9種類に分別して集めている資源・ゴミを1週間分溜めておき、これを28種類に分けます。たとえば「紙資源」として集めている物を、「飲料の紙パック」「箱」「ノート・プリント」などの種類別に細分するのです。集まった資源・ゴミから1/5を抽出して細分・計量し、それを5倍して種類ごとの全量を推計するのが原則ですが、今回は、私たちが注目している飲料の容器については全量を計測し、全数をカウントしました。
=「おいしいリユース」キャンペーンの実験=
飲料容器や食品容器のリユース・リデュースを進めるにあたって、「やって何か得をすることがないと、大勢の人にやってもらうのは難しい」と考えた私たちは、みんなが得をするアイデアをいくつか考えました。その中の一つが「『おいしいリユース』キャンペーン」で、まずこれを実験することにしました。
内容ですが、最初に数日間、特定の捨て場からペットボトルと弁当容器を取り出して、捨てられている量を計測しておきます。その後で、「かわいい水筒の紹介」「簡単でおいしいお弁当のメニュー」など、マイボトルや弁当の持参につながるようなチラシを作成し、掲示・配布・ツイッター上での拡散などによるキャンペーンを1週間行いました。そしてキャンペーンの終わりの数日間に、先ほどと同じ条件でペットボトルと弁当容器の廃棄量を測定したのです。
=「自動販売機丸1号(仮)」作戦=
着手しているアイデアのもう一つは、「通常はペットボトルや缶に入っている飲み物を、マイボトルに注いで販売する自動販売機」です。これを開発し、容器がいらない分だけ商品を低価格にして、それを主な動機づけにしてマイボトルの普及を図ります。
現在は、自分たちで話し合うのはもちろん、飲料メーカーからお話をうかがったりアンケートを取ったりして、問題点を洗い出したり、低価格の他にどんな付加価値をつけるかを考えたりしています。
試作や製造・普及のために協力先を探す必要がありますし、協力を得るためには綿密で実現可能性のあるプランを作らなければいけません。ですから実現まで何年もかかるアイデアですが、実現すれば私たちの学校だけではなく、多くの学校や会社のライフスタイルを変えるアイデアだと思っているので、引き続き計画を進めていきます。
=その他=
リサイクル資源回収のためのゴミ分別と、それを守っていくのに必要な取り組みも引き続き行っています。広報紙と朝の呼びかけを毎月1回、昼休みのゴミ・資源ステーションでの分別指導を毎月1週間ずつ、そして集まったゴミ・資源の分別の手直しを毎週1回、昨年度も今年度も継続してきました。
成果・実績
2度目の28分別実験では、ペットボトルが群を抜いて多いこと、次に多いのが食品の容器であることがともに再確認できました。また、実験を初めて経験したメンバーたちにも、リユースやリデュースの必要性を実感として分かってもらうことができました。
「おいしいリデュース」キャンペーンでは、ペットボトルの廃棄量を約17%、弁当容器を約18%減少させることができました。
「自動販売機丸1号(仮)」は実現に時間がかかるアイデアですが、生徒対象の調査では「ぜひ使いたい」という反応が圧倒的で、興味を示してくれる企業も複数現れているので、実現すれば日本中の学校のペットボトル消費量を半減させることも可能だと思います。
以前から取り組んできたリサイクル資源の回収によるゴミの削減については、昨年度も、取り組みを始める前の1/6程度の水準を維持しました。今年度も現在までのところ昨年度までと同じ水準で推移しています。