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ルプリンの抗菌力とソーセージ開発に関する研究

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ルプリンの抗菌力とソーセージ開発に関する研究

岩手県立花巻農業高等学校

活動内容について

ソーセージ研究班の活動内容はこちらよりご覧ください。

きっかけ

20年以上にわたり、地元食材を使ったソーセージを製造。原料に地元のブランド豚・白金豚や、同郷が誇る詩人・宮沢賢治にゆかりがある米麹を使うなど、産業や経済の活性化を後押ししている。
豚肉に合わせる新原料を検討するなかで、生徒たちは近隣自治体で特産の二子さといもの廃棄問題を知った。里芋は子芋、親芋という部位に分かれるが、通常出荷されるのは子芋のみで、食感が落ちる親芋こと頭かしらいも芋は毎年30トンほど廃棄される。二子さといもは生産者の減少という課題も抱え、このままでは消滅する可能性が高い。そこで親芋を使用して、食品ロスを減らし地域の農業を活性化したいという思いから、令和2年度より二子さといもを使った新ソーセージの開発をスタートした。

活動内容

親芋をただ添加するだけでは、ソーセージとして成立させられない。食肉加工品を製造・販売する企業からアドバイスをもらいながら、香辛料の種類や配合量などの試行錯誤を重ねた。やっとの思いで誕生したのが、なめらかな舌触りとフワフワとした食感、そして素材のうまみを楽しめるソーセージだ。
さらに、賞味期限を延ばすための研究にも着手。抗菌物質になりそうな地元食材を調査し、同県遠野市で栽培されるホップの雌花「毬花」にたどり着いた。
しかし、毬花を直接添加したソーセージを試作してみるも、微生物が発生。毬花から抽出した抗菌物質である添加エキスの濃度を変えても、やはり微生物が発生した。実験が行き詰まるなか、ある生徒が別な実験方法で行うことを提案し、一縷の望みをかけて行ったのが、阻止円という実験方法だ。

成果

阻止円は、有害菌を混ぜた培地の中心に、抗菌力がある溶液を添加した円形のろ紙を配置し、培養する方法。抗菌力がある場合は、ろ紙の周りに菌の繁殖を阻止する円が現れる。企業の方から指南を受けながら実験を行った結果、阻止円が現れ、ついに抗菌力を実証することができた。14カ月にも及ぶ試行錯誤の末、賞味期限は市販品以上の36日間に延びることが明らかとなった。

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