廃チョークを土壌改良剤として
利用可能か評価実験
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岡山県立真庭高等学校
活動内容について
環境バイオマス課の活動内容はこちらよりご覧ください。
目標・今後の計画
2014年の夏、ゴーヤのグリーンカーテンを作ったが、ゴーヤが大きく育たず、実の数も少なかった。そこで、2015年の夏では大きくしたいと思い、調査した結果、土壌pHを7付近にすれば、ゴーヤが大きく育つことがわかった。土壌pHを改良するには石灰を利用すればよいことがわかった。石灰の成分には炭酸カルシウムが含まれており、炭酸カルシウムは学校で使うチョークに使われている。その廃チョークを使って、石灰の代わりとして土壌pHの改良が可能かどうか実験を行うことにした。
活動内容
1.各色チョークのpH測定実験
まず各色のチョークを乳鉢ですりつぶし粉状にした。そのチョークの粉を電子天秤で7g量り取り、棒びんに入れ、蒸留水35mlに溶かし、攪拌器で3分間混ぜた。それを1日おいて、pHメーターで上澄み液から約3cm下でpHを測定した。結果はご覧のようになっている。チョークのpHは一番大きくて白色・赤色・青色・黄色が9.7、一番小さくて緑色が9.5になっていた。本物の石灰のpHは9.3であった。この結果より、石灰とチョークのpHにあまり差がなかったので、再利用可能だと判断した。また、色ごとのpHもほぼ同じ値を示したので、色に関係なく利用しやすいことがわかった。学校のチョーク入れは様々な色の短くなったチョークや粉が入り交じっている。色ごとにばらばらなpH値になってしまうと、土壌pHの改良の際に加えるチョークの量が不安定になり、利用しにくくなるので、この結果が示すのは各色混在しているチョークの粉でも利用しやすいということだ。
2.土壌改良に必要な廃チョーク量の測定実験各色のチョークが入り交じった粉を加え、土壌pHの改良を行った。土壌pHが6.5の堆肥にチョークの粉を20g加え、混ぜ、土壌pHを測定した。混ぜ具合などで偏りがでてはいけないので、6カ所を測定し、土壌pHの平均をとった。この操作を土壌pHが7になるまで繰り返し、7になった時点での加えたグラム数を記録した。結果は1つのプランター(幅65.3×奥行24.5×高さ18.5cm)の土壌pHを6.5から7にするためには、チョークの粉は140gを必要とし、石灰は160gを必要とした。チョーク1本は10.88gであるので、この140gはチョーク12.9本分に相当するものだということがわかった。
3.廃チョークで改良を行った土壌と行っていない土壌で育てたゴーヤの比較実験実際に廃チョークで改良を行った土壌と行っていない土壌で育てたゴーヤの成長具合の比較実験を行った。葉の数や実の大きさ、色の濃さなど改良を行ったゴーヤと行っていないゴーヤで差が明らかとなった。
4.廃チョークの利用方法について啓発活動この実験結果をもとに、廃チョークを土壌改良剤・石灰として再利用可能だということを他校の高校生に広め、啓発活動を行った。
成果・実績
廃チョークで改良を行った土壌と行っていない土壌で育てたゴーヤの比較実験を行ったところ、廃チョークで改良を行った土壌で育てたゴーヤの方がよく成長することが明らかとなった。例えば、実の大きさでは改良を行っていないゴーヤの長さが約12cm、太さが直径約4cmだったのに対し、改良を行ったゴーヤの長さは約20cm、太さが直径約8cmという結果になった。これより、廃チョークを使って、石灰の代わりとして土壌pHの改良が可能であることがわかった。また、ゴーヤの成長を助けることも可能であるということがわかった。