公益財団法人イオン1%クラブ

廃チョーク有効利用プロジェクト

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静岡県立榛原高等学校

活動内容について

科学部の活動内容はこちらよりご覧ください。

目標・今後の計画

学校では、常にたくさんの短くなったチョークあるいはチョークの粉が捨てられている。これらの有効な活用方法がないかと考え、今回のプロジェクトに至った。私達は、廃チョークを有効利用することを目標として、学校で不要となった廃チョークを回収・分別し、用途に応じて使い分けている。また、これらの活動を本校文化祭で紹介し、より多くの人達に知ってもらえるように頑張っている。今後は学校全体に、そして地域に、この活動を広めていきたいと考えている。

活動内容

科学部は総勢16名で活動しています。廃チョークは、技能員さんの協力を得て、各教室にある廃チョーク入れや昇降口付近にある回収容器から調達している。まず、私達が最初に取り掛かったのが再生チョークづくりだった。書き味、強度、見映え等を検討した結果、細かく潰し、水で練って成形・乾燥するのが最も簡単で確実だと判断した。再生チョークの成分に関しては、炭酸カルシウム、炭酸カルシウムと硫酸カルシウムのミックス、硫酸カルシウムの3種類がある。品質的には炭酸カルシウム由来のものが最も優れていた。出来上がったチョークは試験的に先生方に授業で使用していただいた。また、破砕した粉の配合で簡単に色が変えられ、形や大きさも自由に成形できる。その特性を活かして、文化祭では、通常の約1,200倍の巨大チョーク、機能性チョーク、デザインチョーク等を作製し、エコ活動の普及に努めた。試供品も作成し、来場者にプレゼントした。次に取り掛かったのは、土壌改良剤としての利用だった。一般的に、炭酸カルシウムは酸性土壌に効果があるといわれている。それ故、試験的に廃チョークの粉を混ぜた土壌でゴーヤを育て、保健室前のグリーンカーテンにした。さらに、再生チョークづくりの経験を活かして、廃チョークで土壌改良剤としても使える植木鉢を作製した。植木鉢は、速乾性、成形のしやすさを考慮し、縄文土器の作り方に倣って作製した。表面にはチョーク粉を水で溶かした絵の具でデザインを施した。この植木鉢は、アンティークな装いがあり、装飾品として利用することもできた。最後に取り組んだのが、廃チョーク粉をグラウンドのライン引きに利用することだった。色を豊富に選べるという利点があり、蛍光色等の鮮やかな線を引くことができる。また、粉を適切に混合することにより、必要な色をつくりだすこともできた。現在、再生チョークの強度を高めるために実験を行っている。具体的には、卵の殻を乳鉢で細かく粉砕し、5%から20%の間で割合を変えてチョーク粉に混合した。強度は高くなったが、黒板に細かい傷がついてしまうため、更なる改良が必要である。

成果・実績

この活動は2013年4月に開始して以来、本校文化祭での展示を続けている。再生方法・用途の紹介とは別に、巨大チョーク(通常の約1,200倍)を作製し、より多くの人達に、この活動を知ってもらえるように努力している。文化祭の来場者から詳細な説明を求められることも多く、一定の成果を収めていると考えている。良質な再生チョークを作製するためには、原料の破砕の状態(粒子の細かさ、均質性)、練り上げる際の水分量(23%)、練り上げ方(気泡を含まないようにする)が重要であることが分かった。廃チョークの利用法として、土壌改良剤、チョーク絵の具、グラウンドのライン引き等に応用できる可能性を示した。

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