有栖川のカッパ流域ネットワークが育む
地域活性と豊かな自然環境
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京都府立北嵯峨高等学校
活動内容について
生物部の活動内容はこちらよりご覧ください。
子どもも大人も、川の環境についてともに考える
京都府立北嵯峨高校生物部は、学校のそばを流れる有栖川の水環境の改善のため、清掃活動や水質調査、研究などの活動を17年間継続してきた。
自治体や大学、小学校、地域住民などと多岐にわたるネットワークを築き、年に1回開催する「カッパの川開き&生き物調査」は、地域の小学生や高校生、地域住民など総勢80名ほどが参加する一大イベントだ。有栖川の環境調査や、将来川を守っていく子どもたちに向けた環境教育の場として恒例行事となっている。集めたごみの量を競う川掃除合戦や、その種類や量から水質を判定することができる指標水生生物の採取合戦、タイヤボートを使った川遊びなど、実際にごみを拾ったり、生き物を採取したりすることで、川と親しむ場となっている。目指すのは、川の環境をよくしていくためには自分が行動する必要があるという当事者意識を持つきっかけづくりだ。
科学的に研究、川のホタルも戻る
川の水環境の改善に向けて活動を続ける中で、有栖川下流の水質も変化。2013年の調査で「Ⅲ」(きたない水)だった水質は、2016年には「Ⅱ」(少し汚い水)に回復した。さらに、生徒たちは調査結果をもとに有栖川の水環境を化学的に研究し、高等学校総合文化祭や同校の文化祭をはじめ積極的に発表。同世代を中心に自然環境を守ることの大切さを広く発信している。
有栖川で行ってきたこれらの活動は、世代を問わず多くの人が環境について考えるための貴重な機会となり、地域の願いでもあったゲンジボタルの数や生息場所の増加を実現することもできた。今後も川の環境保護はもちろん、川を通じた活気あふれる地域づくりのために活動を継続していく。
源流のごみ問題にも着目
今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、「カッパの川開き&生き物調査」は実施できなかったものの、生徒のみの調査で成果を上げた。調査場所を例年の下流域から源流に変更したところ、山の中のごみや不法投棄の多さを目にした。源流のごみ問題をそのままにすれば、下流域の水質が悪化する恐れがある。現在連携をとっている地域の小学校や高校、地域団体に加えて、中学校や山の管理者と協力するなど、イベントが開催できなかった今年度の分まで、一層ネットワークを拡大し、川の水環境の保護に取り組んでいく。