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海岸漂着ゴミ回収と海洋ゴミの
調査研究発表による啓発活動

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海岸漂着ゴミ回収と海洋ゴミの 調査研究発表による啓発活動

兵庫県立神戸商業高等学校

活動内容について

理科研究部の活動内容はこちらよりご覧ください。

活動内容

私たち理科研究部は5年前から毎月欠かさず漂着ゴミの回収をしています。昨年は4人で活動していましたが、今年新入生が6人入部し、現在10人で活動しています。主な場所は、神戸市垂水区の西舞子海岸です。この海岸は長さ400mほどの自然の砂浜ですが、観光地ではないため管理されておらずレジ袋や容器包装など家庭から出るゴミが漂着して散乱しています。また近くのカフェの容器やバーベキューの後のゴミなどの放置も後を絶ちません。2年前からは地元の西舞子1丁目自治会(30人ほど)が行っている海岸清掃活動に参加し、開催月(年8回)は一緒に活動しています。
エコ活動の報告会で知り合った兵庫県立豊岡総合高校が主催する竹野海岸清掃ボランティア(毎年3月)にも参加しています。高校のインターアクトクラブ7校とロータリークラブ、地元各種団体などの計120人で、ロープやブイ、ペットボトルなどトラック数台分の漂着ゴミを回収しました。年1回行われるこの行事への参加も3回目となり、生徒同士の交流も生まれました。
また、2017年4月と6月、2018年4月には淀川水系イタセンパラ保全市民ネットワークの環境保全活動に参加して、大阪府の淀川ワンドに溜まったゴミの回収と外来生物の駆除活動をしました。こちらは、大学、行政、民間企業、高校、一般とさまざまな所属の有志が50人ほど参加しました。
兵庫県立尼崎小田高校主催の「瀬戸内海の環境を考える高校生フォーラム」には、兵庫、大阪、岡山、広島の7校からなる生徒実行委員会のメンバーとして参加しました。海の環境についてそれぞれが調査した結果を発表し合ったり、みんなで砂浜のマイクロプラスチック調査をしたりして、年5回のワークショップを通して海の環境について考えました。2018年度も引き続き尼崎小田高校の「環境・防災地域実践活動高校生サミット」に生徒実行委員として参加して環境問題に取り組んでいます。
山陰海岸ジオパークで行われたひょうご環境創造協会主催の環境学習ツアーには、2017年と2018年の7月に参加しました。2018年のツアーでは兵庫県内から12校51人の中・高生が参加し、みんなで漂着ゴミ回収をしました。また、理科研究部部長が、入学以来海洋ゴミ問題に取り組んできた経験を生かして、マイクロプラスチック問題について発表してその深刻さを訴えました。
漂着ゴミの回収だけでなく、西日本各地の海岸に漂着したペットボトルを調べて海洋ゴミの漂流ルートを推定したり、海岸の砂の中に含まれるマイクロプラスチックの数を調べたりして、研究発表会や活動報告会などさまざまな場所で発表しています。

成果・実績

【成果・実績】
2013年9月から西舞子海岸で毎月、漂着ゴミの回収をしています。2017年4月から2018年9月の間には、西舞子1丁目自治会に処理をお願いしたものを除いても、45ℓのゴミ袋170袋以上、ペットボトル5500本を回収しました。特に、2018年9月の清掃活動では台風20号の高潮の影響でこれまでにない量のゴミが漂着していました。なかでもペットボトルが多く、自治会の方々と45ℓのゴミ袋に75袋(およそ2200本)を回収しました。その結果、これまでの5年間に回収して学校に持ち帰った漂着ゴミは、45ℓのゴミ袋に430袋以上、ペットボトルは1万本を超えました。
漂着したペットボトルを回収して研究するためにいろいろな場所に行きました。2017年4月は愛媛伊予寒川、6月大阪市淀川ワンド、神戸市山田川、8月山口県小串、床波、巌流島、9月香川県小与島、2018年3月は兵庫県竹野、7月鹿児島県志布志、宮崎県日南、8月福井県敦賀、和歌山県友ヶ島に行きました。合計で45ℓのゴミ袋42袋、1314本のペットボトルを回収して持ち帰り、小串、床波、志布志、日南、敦賀、友ヶ島では砂浜のマイクロプラスチックの調査も行いました。そして、マイクロプラスチックを含めた海洋ゴミの問題を広く知ってもらうために、研究発表会や活動報告会に積極的に参加しました。以下、昨年度と今年度の研究発表の実績の一部です。
<全国大会>
•日本自然保護大賞選考委員特別賞受賞式発表東京「海岸漂着ゴミの回収とその漂流ルートの解明」(2018年3月)
•高校生ボランティア・アワード2018展示発表東京(2018年8月21、22日)
※その他、近畿・関西大会、県大会などで発表
<報道>
•神戸新聞理科研究部の活動紹介2018年7月24日朝刊
・神戸新聞マイクロプラスチックを調査する高校生として写真掲載2018年8月23日朝刊
•読売新聞第12回世界閉鎖性海域環境保全会議関連記事掲載2018年11月3日朝刊

目標・今後の計画

研究発表をすると海洋ゴミ問題に興味を持ってくれる人が増えるので、さらにデータを集めて発表したいと思います。そして高校生だけでなく、一般の方にも私たちから海洋ゴミ問題について情報発信していきたいと考えています。2018年11月には、タイ王国・パタヤで開催された第12回世界閉鎖性海域環境保全会議(EMECS12)青少年環境教育交流(SSP)セッションに部員が参加して、「StudyoftheOceancurrentinInlandSeaofSetobyaninvestigationoftrashdriftingashore」(漂着ゴミ調査による瀬戸内海の海流の研究)という題で、世界にむけて瀬戸内海の海洋ゴミについての発表をしました。また、さまざまな活動に参加するたびに仲間が増えているので、さらにネットワークを広げ、海岸清掃ボランティアの活動の輪を広げたいと考えています。

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