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特別支援学校のエコ活動
「たかが紙パック、されど紙パック」

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特別支援学校のエコ活動「たかが紙パック、されど紙パック」

栃木県立国分寺特別支援学校

活動内容について

高等部紙工班の活動内容はこちらよりご覧ください。

目標・今後の計画

紙パックの特徴は、軽量でコンパクトに折りたたむことができ、持ち運びがしやすいことである。この特徴を生かして、本校では教員や児童生徒が各家庭で消費された紙パックの回収を行っている。高等部の紙工班では、その紙パックをリサイクルし、和紙を作り、名刺や封筒、一筆箋などを製作している。文化祭や地域の直売所、毎年、イオンモール小山店で開催させていただいている「伸びゆく子供たちの作品展」で販売活動を行っている。年々、和紙の品質は向上してきており、今年度は、来年度本校で使用される集金袋の製作を任され、活動は拡大している。
今後の目標として高品質の再生品を製作、販売し、多くの方々に購入、使用していただくことで、紙パックリサイクルの関心を高め、地球環境の維持に寄与していきたい。

活動内容

特別支援学校の職業教育として週時数10時間の作業学習がある。本校高等部では、室内清掃や除草を行うメンテナンス班、陶器の皿や茶碗の製作をする窯業班、刺し子でふきん等の製作をする縫製班、野菜の栽培、管理を行う農業班、紙パックを原料に紙漉きから封筒や名刺の製作を行う紙工班、給食で毎日飲む牛乳パックを回収し、腐敗を防止するために中面をすすぎ、梱包してリサイクル便で出荷をする軽作業班、企業から木の廃材を提供していただき、ラックやおもちゃを製作する木工班の7つの班に分かれて学習している。
それぞれの班ごとに求められる力や身に着けられる力に違いがあることで一人一人のニーズに応じた学習を展開できる。一番の目的は「働く力」を身に着けるためであるが、リサイクルや清掃などの環境に関係する作業班もあることで環境に対する意識の向上を図れる。
<紙工班の紙パックから和紙を作るまでの工程>
1.はさみで紙パックを切る
2.切った紙パックを洗剤を少し溶かしたお湯で煮る
3.紙パックの両面にラミネートしてあるポリエチレンを剝がし、パルプのみにする
4.乾かし、パルプを約2cm角にちぎる
5.ちぎったパルプと水をミキサーに掛け、パルプ液を作る
6.手漉きで紙を漉き、凹凸のない平らな壁面に貼り付け乾かす
7.乾いた紙をプレス機でまっすぐにする
8.名刺や封筒などの製品に加工する本校紙工班の製品は、名刺、封筒、ぽち袋、お祝い袋、一筆箋、レターセットの6つである。どの製品も購入された方が贈答用としても心を込めて書かれる手紙用としても使用できる品質であると自負している。また名刺は、教員も使用していて、紙パックから作られていることを説明することで初対面の方との話題作りにも一役買っている。今後も紙パックから質の良い製品作りを行うことで、多くの方々に紙パックリサイクルの大切さを発信し、エコ活動を広めていきたい。

成果・実績

リサイクル活動のために本校の生徒、保護者、教員が紙パックをゴミとせずに学校に持ってくる意識が確実に向上し、年を追うごとに回収量は増加している。
今後、活動を継続、拡大していくためには、ミキサーなどの設備を充実させることが第一優先と考える。現在、回収される紙パックを設備不足で処理できずにいるため、回収を休止しなければいけない状況である。設備を充実させることで作業の回転率が向上し、より多くの紙パックをリサイクルすることができると期待される。
日本で使われる紙パックは年間で約45億箱、そのまま捨てればゴミになってしまう。ゴミになれば、焼却するために石油や天然ガスなどの限りある大切な資源を消費し、焼却にはCO2が発生してしまう。私たちの紙パックリサイクルは、微力ながらCO2の排出量を抑えることに貢献できている。そして、リサイクルという話題で人とのコミュニケーションを図るきっかけにもなっている。今後も私たちの製品でリサイクルの輪を広げていきたい。

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