公益財団法人イオン1%クラブ

資源循環に導く
スクミリンゴガイの駆除に関する研究

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資源循環に導く スクミリンゴガイの駆除に関する研究

愛知県立佐屋高等学校

活動内容について

科学部の活動内容はこちらよりご覧ください。

誘引剤の実験や行動調査を地道に継続

佐屋高校では、地元の小学生と共同でお米の有機栽培を行い、できたお米は大人気になっている。しかし、水田には困った生き物も増えてきた。それが同校の研究テーマとなった、外来種のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)だ。
生徒たちはスクミリンゴガイの駆除に向け、効果的な誘引剤の研究、生態の研究、他の生物の餌としての有効性の研究、殻の有効利用に関する研究の4つに取り組んだ。誘引剤としては糖度の高いマクワウリが有効で群集性が見られ、採捕への活用が期待できた。行動調査をするため個体にナンバリングして調べてみると、最高で約67m、小さな個体でも50m以上動くことがわかった。さらに、卵を産み付ける場所は、北側と東側のコンクリート壁に集中していた。

資源循環に導く道筋へ大きく前進

餌としての有効性はスッポンを使って研究した。養殖場から購入した稚ガメと、水田周辺の用水路やため池で採捕した野生成体で実験してみると、稚ガメは養殖場の餌に慣れていたせいか餌をまったく食べず、さらに野生成体は実験途中で盗難に遭い中止を余儀なくされた。そこで生まれたばかりの稚ガメを購入すると餌をよく食べて体が成長し、新たに採捕した野生のスッポンも給餌効果が高く、スクミリンゴガイの駆除に期待できることがわかった。
殻の有効利用については、小松菜栽培での比較実験の結果、殻を雨水につけただけのものが最も成長した。カルシウムや肥料成分が含まれていたと考えられ、液肥効果が十分にあると考察している。
また、研究中、廃棄農産物の中でヘチマたわしにも誘引効果があることがわかり、新たな群集性が発見できた。自作トラップによる研究では、市内のレンコン田でも実証実験を行い、その効果を確認した。
生徒たちは、今回の研究が、自分たちが目標とする「資源循環に導くスクミリンゴガイの駆除」への大きな前進となったと自信を見せる。これからも、持続可能な人間と他の生物の共生を目指した活動を続けていく。

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