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食品廃棄物の活用→安定した畜産経営
エコフィードの研究

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食品廃棄物の活用→安定した畜産経営 エコフィードの研究

熊本県立熊本農業高等学校

活動内容について

養豚研究班の活動内容はこちらよりご覧ください。

食品廃棄物を良質なエコフィードに

日本における家畜の飼料自給率は25%と低くその大半を輸入に頼っている反面、食品廃棄量は2800万㌧にも及ぶ。その現状を知ったことから、熊本県立熊本農業高校の養豚研究班では、食品廃棄物を有効活用した飼料「エコフィード」の研究に取り組んだ。
これまで、食品廃棄物を6種類利用したエコフィードを子豚期と肥育期の豚に与え、肉質の向上を実現。同時に6社の企業から出る食品廃棄物を削減したことで、焼却時のCO2排出削減につなげることができた。今回は、さらに生産コストを下げて、持続可能で質の高い養豚経営を目指した飼料開発の研究に取り組んだ。

発育改善に成功し商品化による販売も

当初は、期限切れ粉ミルクと食品廃棄物を混合した飼料で失敗が続いたものの、動物性タンパク質として地元水産業者から削り節の副産物が入手でき、食べやすい形状にしたことで食べる量も増え、哺乳期の発育改善に成功。さらに食品廃棄物を17種類にして、子豚期と肥育期の飼料も改良したことで、うまみ成分やビタミンを多く含む高品質な豚肉に仕上がった。その商品は「シンデレラネオポーク」と名付け、百貨店を含む3店舗での販売が実現した。
また、県内でのエコフィード普及を促進するため、生徒が中心となり、企業の食品廃棄物を畜産農家の飼料に活かすマッチングも実践。16社の食品廃棄物250㌧以上を家畜用飼料に活かし、企業経費を1200万円以上削減することに貢献した。

せっけんに生まれ変わる豚脂

さらに、食肉加工の際に大量の豚脂を廃棄していたことに矛盾を感じたことから、有効活用法を検討。豚脂の特徴を活かし、環境にやさしい天然界面活性剤を主成分とした洗濯用せっけんの開発に挑み、試作を繰り返した結果、市販品より洗浄効果が高く肌や環境にやさしいせっけんが完成した。生徒たちは、自分たち若い世代が積極的に課題の解決に取り組み、資源循環型社会の構築に貢献できるよう、今後も活動を続けていくと意気込む。

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