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養豚業のゼロエミッション
#産業廃棄物に輝きを

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養豚業のゼロエミッション #産業廃棄物に輝きを

熊本県立熊本農業高等学校

活動内容について

養豚プロジェクトの活動内容はこちらよりご覧ください。

きっかけ

畜産業をひっ迫する、世界情勢や気候変動による飼料費の高騰。これにより県内では、多くの畜産農家が廃業を余儀なくされている。養豚の技術や経営などについて学ぶ本校養豚プロジェクトの生徒は、飼料の高騰を嘆く畜産農家の声を耳にしていた。「私たちにできることは何だろう」と議論するなかで、国内で年間約3000トンも排出されているという食品廃棄物に注目。廃棄物を使った飼料「エコフィード」を開発した。
続いて問題視したのが、豚肉の加工に際に大量に排出される豚脂。廃棄物を利用するエコフィードを開発しているにも関わらず、加工実習で自らが廃棄物を生み出していることに疑問を感じ、活用方法を探求し始めた。

活動内容

エコフィードの製造にあたっては、地域の食品企業へ足を運び、納豆やきな粉、海苔など、10種類以上の廃棄物を回収。なかには郷土菓子であるいきなり団子で使用するさつまいものはしきれなどもあり、本校ならではのユニークな飼料となっている。
エコフィードを普及するため、畜産農家と食品企業を生徒が仲介するマッチングシステムを考案。食品企業から出る廃棄物の量と、畜産農家で必要になる餌の量のバランスを考慮しながら、適切なマッチングになるよう心がけている。
豚脂は、地域の方との会話から着想を得て、洗濯石鹸への加工に取り組むことに。地元の産業技術センターの方による出前授業で製造方法を学び、成分配合の割合が異なる80パターンの石鹸を試作した。完成した石鹸の名前は「シンデレラネオの輝き」だ。

成果

これまでの活動で、エコフィードの給餌により、約2400トンの廃棄物を活用。1頭当たり年間2万円の飼料費削減につながった。マッチングシステムは、ポスターなどで宣伝し、8戸の畜産農家と15社の食品企業をマッチングさせることに成功。畜産経営の一助となっている。
石鹸においては、その製造技術を活かしてフェアトレード製品の販売会社とも協同を開始。フェアトレード認証を受けたスリランカのココナッツオイルを使った美容石鹸「美豚そぉぷ」を、新たに開発。製造技術を福祉施設に提供し、施設の運営や利用者の技術訓練にも役立っているとの評価を受けている。

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