2013年 アジア・ユースリーダーズ(高校生)
高校生の取り組みが第1回となる今回は、インドネシアのジャカルタにて6か国の高校生が一同に集まり、「ゴミ問題」についてディスカッションを行いました。今回の特徴としてアジア6か国の高校生がディスカッションを通じて価値観の多様性を理解することができ多国間交流を図りました。
実施日 |
2013年8月19日(月)〜8月27日(火) |
実施場所 |
インドネシア(ジャカルタ、ジョグジャカルタ) |
参加者 |
- 6か国高校生 80名
- インドネシア・日本 各20名
- タイ、中国、マレーシア、ベトナム 各国10名
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スケジュール
7月19日 |
事前勉強会実施(日本) |
8月19日 |
オリエンテーション、ウェルカム・レセプション |
8月20〜22日 |
講義: インドネシア政府、ジャカルタ州政府、NGOによるごみ事情の講義視察: Al Azhar高校訪問、ごみ処理場(Bangergeban)、ごみ銀行(Bank Sampah、リサイクル推進事例) |
8月23〜24日 |
ディスカッション、発表会・表彰式、ジャカルタ政府へのキャンペーン提言 |
8月25〜26日 |
植樹(イオン環境財団主催)、フェアウェル・レセプション |
8月27日 |
帰国 |
「ジャカルタ政府への提言書」
- (1) アジアの環境課題開催国の社会事情を踏まえ、実際に問題となっている環境課題について学習、考察、ディスカッションを行った。
- (2) 多国間交流推進次代を担うアジア6か国の若者が、多国間交流を通し、価値観の違い、多様性への理解を深めた。
- (3) 2段構成の取組高校生と大学生がそれぞれ共通課題(アジアの環境問題)に取り組む。(4) 政府への提言各コースで取り纏めた考えを政府に提言する。高校生コースでは、ジャカルタ政府に対し、ごみ削減啓発キャンペーンを提言した。大学生コース(11月)では、問題解決のための具体的解決策を提言する。
「環境未来宣言」
「ジャカルタ政府への提言書」(要約)
♦アジア・ユースリーダーズ・ステートメントアジア・ユースリーダーズの一員として、一人ひとりが地球環境について考え、自然のために、地球温暖化防止のために、
小さくても何かできることを考え、未来に向けて行動します。アジアの高校生エコリーダーズの一員として、環境の大切さを次世代に広めていきます。
♦アジア・ユースリーダーズ・キャンペーン提言(ジャカルタ市への提言)1.市民への環境意識向上:幼稚園から高校、大学を通じて、ソーシャルメディア等やゴミリサイクルシステムを利用し環境 意識を高めます。2.政府への啓発:エコマークプロジェクトをスタート。製造責任や銀行と学校との協働を推進します。3.グリーン推進:新しいゴミ回収システム(Do-It-Yourself House)を構築し、ゴミ再生サービスを推進します。
アジア・エコリーダーズ活動の様子
(1)ウェルカムレセプション(8/19)、講義(8/20)、現地視察(8/20、8/20、8/22)
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ウェルカム・レセプションでの記念写真
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インドネシア環境省大臣秘書官より挨拶
(ウェルカムレセプション)
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レセプションに出席頂いた鹿取大使他各
国大使館来賓の方々
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鹿取日本大使と「小さな大使」OB&OGと記
念撮影
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インドネシア環境省による講義「インドネシ
アごみ事情」
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ジャカルタ州政府による講義「ジャカルタ
のゴミ管理」
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NPO環境の友財団による講義「3R活動」
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講義の後に質問するインドネシア高校生
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Al Azhar高校訪問
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Al Azhar高校のゴミ捨て場を見学
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ジャカルタ郊外Bekasiゴミ処理場での講
義
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ゴミ処理場を車窓から視察
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ごみ銀行の仕組みについての説明(ジョグ
ジャカルタ)
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ごみ銀行のプラスティックリサイクルにつ
いての説明
(2)ディスカッション(8/23)・発表会と表彰式(8/24)
(3)歴史見学(8/22)、植樹参加(8/25)、フェアウェル・レセプション(8/26)
参加高校生の感想Voice

参加高校生の感想
アジアの高校生というレベルの高い場で、「ゴミ問題」という難しい事柄を英語で話し合うことは、とても大変でした。しかし、多くの人から自分にはないアイデアや意見を聞き、更に実際にジャカルタやジョグジャカルタの現状を見て、今まで知らなかった世界を知り、自分の価値観が大きく変わりました。日本での当たり前の生活、ゴミ処理の仕方、また、英語についてとても考えさせられました。日本は恵まれています。自分は何かを変える力は持っていませんが、その恵まれた環境を活かして、エコについて自分にできることを積極的に活動していこうと思いました。今回のプログラムを通して出来た各国の友達とこれからも 繋がっていきたいと思います。
(日本 お茶の水女子大附属高校)
文化や出身国が違う人たちと交流することや、有名な所へ行くことは非常に満足できるものであり、歴史や伝統を伝えてくれるものでありました。私たちは、環境問題やその解決策などについて学ぶことが出来ました。
(中国 Nan Kan高校)
私はこのプログラムを通して、環境問題や環境保護の方法についてなど、とても多くのことを学びました。また、どこから来ていようと友情は成立するのだと思いました。私にとって、それが今回参加して得られたことです。
(ベトナム Le Hong Phong高校)
私たちの国ではあまり普及していない、ごみ処理と3Rについて学びました。また、グループで協調して活動することの大変さを学び、それができる能力はとても必要だと思いました。最後に異なる文化の国々を知ることができました。このプログラムでの出会いは私にとって、とても大切なものとなりました。
(タイ Triam Udom Suksa高校)
私は、このプログラムを通してごみ処理はとても大切だと学びました。そして、ごみの管理をすることは私たちの責任でもあると感じました。さらに、3R運動は日々の生活の中でも取り入れていくべきだと思いました。みんなが気づき、意識することでごみが減るだけでなく、残さず消費されることになると思います。
(マレーシア SMK Aminuddin Baki高校)
2013年 アジア・ユースリーダーズ(大学生版)
日本、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、中国の6か国の大学生が、一堂に集まり、開催地の社会事情視察や環境をテーマにしたディスカッションを通じて、価値観の多様性を学ぶと共に、現地の環境問題に対する改善・解決策を政府に提案するプログラム。2010年よりアン大学生環境フォーラムとして開始し、本年から新たにマレーシアと中国を加え、高校生門、大学生部門をそれぞれ実施。
実施日 |
2013年11月23日(土)〜112月1日(日) |
実施場所 |
(ジャカルタ市、スラバヤ市、バリ島) |
参加者 |
- 6か国大学生 84名
- インドネシア 20名、日本 19名、ベトナム 15名
- タイ、マレーシア、中国 各10名
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スケジュール
11月23日 |
出発 |
11月24日 |
- (1)ジャカルタ市内見学
- (2)オリエンテーション・ウェルカム・レセプション
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11月25日 |
- (1)「触れる地球」セミナー 講師:竹村真一氏
- (2)「ジャカルタ市のごみ事情」講義
インドネシア環境省 ・ RASIO SIDO SANI氏
ジャカルタ市政府 ・ YUSIONO ANWAR SUPALAL MAS氏
Dana Mitra Lingkungan(NGO) ・ SAMSUHADI SAMOEN氏
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11月26日 |
- (1)ジャカルタのBantar Gebangごみ処理取組説明
- (2) ワォーターハウス視察
- (3) コンポスト場視察
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11月27日 |
- (1)スラバヤ市のゴミ管理成功事例説明
- (2) ゴミ処理場視察
- (3) コンポストハウス視察
- (4) エコ村視察
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11月28日 |
グループディスカッション |
11月29日 |
プレゼンテーション、表彰式 |
11月30日 |
インドネシア文化体験、フェアウェルパーティー |
12月1日 |
帰国 |
本プログラムの特徴
- 1. 同じ開催国、同じ課題で、それぞれ高校生部門と大学生部門の2段構成で連動したプログラムを実施。高校生部門は8月に実施済。
- 2. ゴミ処理場視察やスラバヤ市の環境都市計画等の講義を受け、実際に起こっている環境問題をテーマにディスカッションし、政府に提言。2013年は、インドネシアのゴミ問題をテーマに、8月の高校生部門では、ジャカルタ政府に対し、「捨てればゴミ、使えば資源」についてごみ削減啓発キャンペーンを提言。大学生コースでは、ゴミ管理・回収の問題解決のための具体的解決策を提言。
- 3. 日本、ベトナム、タイ、インドネシアに、本年から、中国とマレーシアを加えたアジア6か国の学生が参加し、価値観の多様性を学習。
ジャカルタ政府への提言書
提言:“GREEN CHANGE:
意識が変われば、行動も変われる”
ゴミ学校の設立:リサイクル資源と教育用品を交換、並びにゴミ分別の教育センター
ゴミモールの設立:ゴミをもってきた市民の方が日用品と交換できるモール
このモールでは、リサイクル品で新しいものが買えることで、リサイクル品の経済的な価値が見えるシステム
アジア・エコリーダーズ活動の様子
ウェルカムレセプション 11/24
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ウェルカムレセプションにて在インドネシア
日本大使館の進藤公使より激励の言葉
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ウェルカムレセプションにてインドネシア大
学によるインドネシアの民族舞踊
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ウェルカムレセプションでの記念撮影
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フェアウェルパーティでパフォーマンスを披
露する日本学生
ゴミ処理場・コンポストハウス視察 11/26
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Bantar Gebangのウォーターハウスを視察
する学生
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Bantar Gebangにて生ごみのコンポストを
体験する学生
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Bantar GebangにてPETボトルのコンポスト
の過程を見学する学生
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PM2.スラバヤ市のゴミ管理成功事例の説明を
聞く学生
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ゴミ分別過程の説明を聞く学生
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ゴミ分別作業を見学する学生
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スラバヤコンポストハウスを見学する学生
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エコ村を視察する学生
ディスカッション・プレゼンテーション 11/28 11/29
インドネシア文化体験 11/30
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インドネシア民族楽器ガムランに挑戦
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インドネシア伝統衣装着付け体験
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インドネシアの民芸品の木彫りに挑戦
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バリダンスを体験
参加学生の感想Voice

日本
ジャカルタのごみ問題の実態を学ぶだけでなく歩いて実際に見に行ったりすることで、その問題の詳細まで知ることができたと思います。さらに、異なるバックグラウンド、異なる価値観を持つ6カ国の学生が集まってひとつのことを成し遂げるのはとても難しいことだと思うが、その過程で不足している知識・考えを共有したり、ディスカッションをすることで視野が広がりました。今後もこのようなつながりを大切にしていきたいです。このプログラムに参加させていただき、貴重な経験となりました。
学生
“A Sense of Responsibility, Confidence, and Friends” – ルール・時間厳守に賛成です。このポリシーのおかげですべての行動に責任を待つ習慣がつきました。また、アジア各国から選出された学生たちと本気で意見交換ができたことは自信に繋がりました。最後に、友情!別れに際して、こんなに寂しい気持ちになりえるほど大好きな友達ができるとは思っても見ませんでした。この三種の神器を武器に将来がんばっていきます。
学生

インドネシア
私は、特にジャカルタにおいてゴミの管理について多くのことを学びました。そればかりではなく、異なる国籍、意見、特徴などであふれたグループでいかに成果を出すかということを学びました。自分の国に戻ったら、この経験を友達、家族などに伝えたい。もちろん自分自身のこれまでの行動も変えていきたいです。例えば、ゴミの分別、ペットボトルやビニールやプラステックバックの使用を控えたいと思います。
学生
ジャカルタは若い人たちがゴミ管理に対し貢献することが必要とされています。このプログラムは、身近なところからゴミの管理をしていくことの重要性を私に教えてくれました。また、国籍毎に異なる多様な文化をもった人たちと10日間過ごすことによって、他の人達の意見を聞き入れ、オープンマインドにならなければならないということに気づきました。
学生

タイ
今まで、私は、ゴミ管理がどのようにされているか知りませんでした。バターゲバンとスラバヤでの取組を比較しながら見ることができ大変貴重な経験になりました。また、 リサイクルプラスックの多くが、リサイクルされずにゴミの埋立地にあるという現実は知るよしもなかった。このことは、私の中の気付きと誤解を改めてくれました。
学生
実際の生活におけるゴミ問題は、いかに厳しく、早急な解決が求められているかが分かりました。学んだり、経験することは元より、スラバヤで実施されている理想的な取組をさらに独創的に進化させていく必要があると思います。
学生

中国
私達はそれぞれ異なる国からやって来たのだが、私たちは全員アジア人だし、そういう意味で多くの相通じるものが有りました。私は、良いチームというものは、全てのメンバーが最大限の努力をしなければ成り立たないということを学びました。全員が努力した甲斐もあって私のチームは、プロポーザルコンテストで1位を獲得できました。
学生
このプログラムは、ゴミの管理について学ぶだけでなく、異なる国の人とのチームワークや友情を通して貴重な経験をすることができました。この経験により、私自身これからもっとエコ活動や国際的な様々な活動に取り組んでいきたいと思うと同時に、自分の友達たちにも将来のエコリーダーになるべく動機づけを行いたいと思います。
学生

マレーシア
このプログラムは本当に素晴らしかったです。自分の視野も広がったと思います。また、環境に対して責任を持つこと、異なる文化を持つ人達を尊重すること、多くの異なる意見や考え方を理解することを教えてくれました。
学生
ジャカルタのゴミ問題は、既に実践的なステージになります。その問題に取り組むことは容易いことではなく、なぜならば政府、コミュニティ、プライベートの各セクターがそれぞれ統合し、各セクターがその役割を果たさなければならないからです。また、チームとして活動することで多くのことを学びました。最初、異なる文化や言語という相違点を受け入れることは難しかったが、我々は共通の課題とその目標を共有し、集中することでもはや大した問題ではなくなりました。
学生

ベトナム
ベトナムとインドネシアは多くの共通点があります。したがって、ゴミ銀行やウェストエイジェントハウスは、ベトナムで行える可能性があります。このプログラムは、異なる国の人達とチームとなって活動する新しい経験を植え付けてくれました。良いチームに恵まれ、貴重な経験をメンバーと分かち合え、友人になることができ、これからもその関係を続けていきたいです。
学生
私は、6ヶ国の生徒達の言葉、宗教、ライフスタイルを通して多くを学びました。特に、都市部でのゴミ管理における私なりの考えは、かなり強まりました。ゴミ問題解決に向けての実践的なアイデアを各チームによるプレゼンテーションによって学ぶことができました。また、このプログラムは、気持ちが熱く、積極的で、フレンドリーな友達を作る機会を提供してくれました。
学生