2014年 アジア・ユースリーダーズ(大学生・高校生)
概要
今年は日本、ベトナム、インドネシアの大学生と高校生が一堂に会いし、ベトナムハノイを舞台に大気汚染問題についてディスカッションし合い価値観の多様性について学びました。
実施日 |
2014年8月17日(日)〜23日(土) |
開催国 |
ベトナム (ハノイ) |
参加者 |
インドネシア高校生 12名、大学生 10名日本高校生 11名、大学生 12名ベトナム高校生 10名、大学生 10名(計3か国 65名) |
スケジュール
8月17日 |
出発、オリエンテーション、ウェルカム・レセプション |
8月18日 |
ベトナム農業活動体験・チームビルディング |
8月19日 |
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8月20日 |
- (1)PM2.5濃度の測定:交差点、バスステーション、公園、ホテルの室内にて
- (2)ハノイのバスを乗車、バスサービスの事情を見学
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8月21日 |
グループディスカッション |
8月22日 |
- (1)プレゼンテーション
- (2)表彰式、キャンペーンと解決政策を政府へ提言、フェアウェル・レセプション
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8月23日 |
帰国 |
本プログラムの特徴
- 1. 高校生・大学生部門を同時に実施した。高校生の部では、大気汚染問題について市民視点で日常生活で取り組める啓発キャンペーンを行い、大学生の部では、政府視点で問題解決のための具体的な規律や改善策をそれぞれ考案した。また各部門にて、取りまとめた考案をハノイ天然資源・環境局へ提言した。
- 2. ハノイの大気汚染状況についての講義や大気汚染測定施設の視察をした。また、それぞれは高校・大学へ訪問し、現地市民に対するヒアリング、公共交通機関の見学を通じ、市民生活により近い視点から提案できるよう工夫した。
ハノイ市の天然資源・環境局への提言の内容
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大気汚染を改善するため高校生よりのキャンペーン提案
1. 知ってもらう:コンテスト、ギャラリーやフェア等の教育形式で、大気汚染の状況、改善方法等の情報をハノイ市民に提供。
2. やってみよう: エコ・ポリス・チームを作り、使用したバスのチケットをフェアで使用できる割引券を交換することにより、人々の知識から行動まで誘導。
3. 続けて行こう:行動を続けるため、バイクの日とフェアの割引券・バス切手交換システムを作成。
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大気汚染を改善するため大学生よりの政策提案
1. ミニバスシステムの展開、良質のバスの普及、バスストップ数の増加により公共交通機関の質を向上。
2. ノー・オートバイ時間、増税、駐車料金システム等の規制を新たに成立。
3. 環境への負荷の高い企業への税を導入。
活動の様子
ウェルカム・レセプション & アイス・ブレーキング(8月17日—18日)
チームビルディング

ウェルカム・レセプションにて記念撮影
アイス・ブレーキング
バビ農場にて農業作業・文化を体験し、仲良くなっていく学生(魚とり、田植え、お茶積み、少数民族楽器演奏(ゴン))
ハノイ市の大気汚染状況の見学(8月19日—20日)
大気汚染についての講義
学校訪問・学生に対するヒアリング
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バイクの排気ガスの状況を実験している高
校生
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ハノイ貿易大学の環境クラブのメンバーに
よる説明
ディスカッション・提言発表・表彰式(8月21日—22日)
ディスカッション・プレゼンテーション
発表に備え、チームディスカッションをしている高校生(左)、大学生(右)
表彰式・ハノイ政府への提言
ハノイ市天然資源・環境局へキャンペーン・政策を提言する優秀チーム(高校 チームD(左)、大学 チームH(右))

ハノイ市天然資源・環境局のファム バン カン副局長によるコメント(後ろは高校・大学の優秀チーム)
フェアウル・レセプション
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日本の学生による踊りの披露
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インドネシア学生による踊りの披露
参加学生の感想Voice

▲インドネシア
このプログラムに参加した後、公共交通機関をより使用してみよう、クラスメートと大気汚染ことについて話してみようという自分から行動を始めたいです。また、友達にも公共交通機関を利用するよう勧めたいです。これらの小さな行為を通じ、ソーシャルメディアでインドネシア政府の注目を引き、民間人の環境に対する意識が高まり習慣や大衆運動につなげればと思います。
学生
私はこのプログラムからたくさん学ぶことができました。以前、粒子状物質について分かりませんでしたが、プログラム期間中、まさにそれをマシンで測定する事も出来ました。また、私たちの周囲、生活に大気汚染からどれだけ影響があるか分かるようになりました。是非、友人や同僚にも今回のプログラムから学んだことを共有したいと思います。
学生

▲日本
他のアジア諸国からの学生は非常に積極的だったと思います。彼らはいつも自分の意見を求め、チームメイトと共有することをしました。彼らは、初めて会った人に対しても、声をかけて挨拶・意見交換していました。今回の活動を通じ自分がもっと積極的にならないといけないと思いました。
学生
環境問題についての議論には、メンバーそれぞれの意見・考えをまとめることが大変でした。途上国の同年者と意見交換することを通じて、お互いの価値観をより深く 理解することができました。
学生

▲ベトナム
このプログラムに参加する前に、ハノイ・ベトナムの空気汚染の状態を十分に認識していました。講義とディスカッションを通じて、大気汚染問題が各国でどのように対処されているのか分かりました。各国の市民、政府がその国の状況に適している改善方法・政策を選択することが大事だと思います。
学生
アジア諸国の中、共通点が多くあると同時に、偉大な多様性が存在することが分かりました。私は彼らの創造性と協力を通じて、いろいろ勉強になりました。また、今まで持っていたイメージと違って、インドネシアの民族の多様性、そして日本人の親近感の高さにも、実感しました。
学生

引率者の感想
本校生徒にとっては、英語をツールとすることの難しさ、英語能力が不十分だったために知識も自分の考えもあるのにきちんと伝えることができないもどかしさを十分に体験した一週間であり、もっと英語を話せるようになりたいという気持ちを強めた研修であったと思います。一方で、本校3年生がリーダーを務めたグループが第二位に、2年生2人が所属するグループが第一位になったことは、参加生徒にとって大いなる達成感と自信を生みました。グローバルリーダーとして大切なのは、英語力だけではなく、基礎学力や教養はもちろんのこと、思考力や人間力であることを理解してくれたものと確信しております。
(お茶の水女子大学附属高等学校)

政府側の感想
今年このプログラムがハノイにて開催されたことに本当に嬉しかったです。環境問題は、ベトナムやアジアの問題だけではなく、世界にも大きな課題です。そのため、さまざまな国からの青年が集まり、環境問題をテーマとし意見交換し、ディスカッションをするこのプログラムは有意義で貴重なチャンスだったと思います。私たちが直面している地球問題を解決するためアジア・ユースリーダーズのプログラムを続けてほしいと思います。
(ハノイ市天然資源・環境局 副局長 ファム バン カン 様)