2015年 アジア・ユースリーダーズ(大学生・高校生)
概要
中国、インドネシア、日本、マレーシア、タイ、ベトナムの6各国から、高校生と大学生が中国 天津市に集まり、開催地域の環境や社会問題をテーマにしたディスカッションを通じて、価値観の多様性を学ぶと共に、テーマに関する改善・解決策を政府に提案しました。
高校生の部は、市民への意識向上の提言(「捨てればゴミ、使えば資源」の視点で啓発キャンペーン)を、大学生の部は、政府への政策提言(ゴミ管理(分別・回収・運搬・処理等)に対する政策・改善策 をそれぞれ発表しました。
実施日 |
2015年8月16日(土)〜22日(土) |
開催国 |
中国・天津市 |
参加者 |
- 中国
- : 高校生20名、大学生10名
- 日本
- : 高校生12名、大学生10名
- インドネシア
- : 高校生12名、大学生5名
- マレーシア
- : 高校生6名、大学生10名
- タイ
- : 高校生6名、大学生10名
- ベトナム
- : 高校生12名、大学生5名
(計6か国、118名)
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スケジュール
8/16/2016 |
出発、オリエンテーション、ウェルカム・レセプション |
8/17/2016 |
中国文化活動体験・チームビルディング |
8/18/2016 |
- (1)「天津市のゴミ管理事情」についての講義
- 廃棄物処理・環境安全保障研究室 次長 馬建立 様
- 天津再生資源研究所 研修・情報学科室 室長 張菲菲 様
- 天津テダ低炭素経済促進センター ディレクター 宋雨燕 様
- (2) ヒアリング・視察
- 一般企業のゴミ処理 見学 (イオンモール天津梅江)
- ゴミ埋立地 見学 (双口廃棄物衛生埋立場)
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8/19/2016 |
- ヒアリング・視察
- ゴミ回収・分別取組み 見学 (中国・シンガポール 天津エコセンター)
- ゴミ焼却過程 見学 (天津泰達環保有限公司)
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8/20/2016 |
グループディスカッション |
8/21/2016 |
- (1) プレゼンテーション
- (2) 表彰式、キャンペーンと問題解決の政策を政府へ提言、フェアウェル・レセプション
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8/22/2016 |
帰国 |
活動の様子
ウェルカム・レセプション&チームブレーキング(8月16日ー17日)
チームビルディング
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初めて会ったチームメンバー内で自己紹介
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各チームからチームリーダーとサブリーダーを選出
ウェルカム・レセプション
(歓迎のご挨拶からの抜粋)
今年、初めてアジアユースリーダーズのプログラムが天津市で開催されています。中国、インドネシア、日本、マレーシア、タイ、ベトナムからの高校生・大学生の参加者は、天津市のゴミ管理の問題解決に 向けて議論をします。このプログラムはアジアの若者に多国間の交流、環境問題の意識の向上、英語力 及びリーダーシップスキルを磨く機会を提供する事業です。本プログラムを通じて、アジアの若者たちが国際的な視点で、相互理解と相互信頼を得られる、大変素晴らしい事業だと思います。是非とも、この 機会を生かして、お互いの国を理解し、友情を構築してくれることを願っています。
天津市副市長
尹 海林 (イ ハイ リン)様
(来賓のご挨拶からの抜粋)
今日は、タイの学生をはじめ、アジア諸国の若者たちと合い、本当にうれしく思います。次世代を担う若者の可能性を見出し、育んでいくこのプログラムは非常に有意義なことだと思います。そして、将来このプログラムがさらに拡大され、より多くのアジア各国の学生が参加できるようになることを願っています。また、若い学生が、環境問題に対する新たな解決策を提案し、沢山の友達を作り、文化の障壁を乗り越え、全員が力を発揮するために、努力して欲しいです。
在中国タイ大使館 公使
UREERAT RATANAPRUKSE様
(インタビューからの抜粋)
六か国の若い人達の姿を見て、改めて勇気づけられた思いがします。言葉の壁、或いは初めて外国に行った子どもたちがいますが、皆、のびのびと心を開いて、仲間たちと交流しようとする気持ちにとっても勇気づけられました。こうした活動には大使館として今後とも応援しますので、頑張っていただきたいと思います。
在中国日本大使館 公使
林 禎二 様
在中国各国大使館、天津市政府の代表を囲んで記念写真を撮影する学生
ウェルカム・レセプションにて記念撮影
(3列目・左から)
9番目(中央) 天津市 副市長 尹海林様
- (左側)
- 8番目 天津市人民政府外事弁公室 主任 王樹華様、
- 7番目 天津市人民政府外事弁公室 副主任 楊国彪様、
- 6番目 天津市科学技術協会 副主席 段志強様、
- (右側)
- 11番目 駐中国タイ大使館 公使 UREERAT RATANAPRUKSE様、
- 12番目 駐中国日本大使館 公使 林 禎二様、
- 15番目 駐中国ベトナム大使館 二等書記官 NGUYEN THI QUYNH NGA様、
- 16番目 駐中国マレーシア大使館 教育参事官 DR. MOHD ROZI BIN ISMAIL様
中国文化活動体験・チームビルディング
天津市内にて中国文化を体験し、しだいに打ち解けていく学生
(太極拳、餃子づくり、京劇、バンブーダンス)
「天津市のごみ管理事情」についての講義・視察(8月18日ー19日)
一般企業(ショッピングセンター)のゴミ処理施設見学・市民へのヒアリング
イオンモール天津梅江にてエコバック等の取組み、ゴミ処理所を見学する学生
ゴミ分別習慣についてショッピングセンターに来られたお客さまにインタビューする学生
ゴミ処理に関する天津市の成功事例の見学
中国・シンガポール 天津エコセンターにてゴミ回収、分別、処理の仕組みについて説明を受ける高校生
双口廃棄物衛生埋立場にてゴミ処理の仕組みについて説明を受け、ゴミ処理現場を見学する大学生
ゴミ焼却工場(天津泰達環保有限公司)にてゴミ焼却過程を見学する学生
ディスカッション・提言発表・表彰式(8月20日ー21日)
ディスカッション・プレゼンテーション
発表に備え、チームディスカッションをする高校生(左)、大学生(右)
審査員
(右から)天津第七中学 教諭 黄 金栄様、南開大学 教授 李 維尊 様、天津市人民政府外事弁公室 ジア処副処長 趙 晶様、タンマサート大学 シリントーン国際工学部 准教授 CHAROENLARPNOPPARUT CHALIE様、天津市科学技術協会 普及部部長 趙 宝国様、イオンモール(中国)経営管理 運営統括部 西林 千秋 様
表彰式・天津市政府への提言
天津市外事弁公室 主任 王樹華様へキャンペーンと政策を提言する優秀チーム(高校 チームA(左)、大学 チームI(右))
王樹華様(2列目、中央)を囲んで記念撮影する高校生・大学生各コースの一位チームメンバー
フェアウェルパーティー(8月21日)
各国の伝統舞踊を披露する学生
6ヶ国の参加者を代表し、アジアユースリーダーズの宣言を発表するリーダーたち
6ヶ国の学生が提案した「アジアユースリーダーズ宣言」
- 1、私たちは、人々のやる気と自己認識を高めるために、情報やアイデアを交換し、国と国との間の連結を強化します。
- 2、私たちは、人類の成長に貢献し、アジアを世界につなげるため、リーダーとして自らを磨きます。
- 3、私たちは、意識を高め、ゴミ問題について新しい提案をするために、
周りの人々が自らの意識で3R活動に参加できるようにします。
- 4、私たちは、このプログラムで学んだ環境の意識を周りの人たちに広め、
持続可能な開発のために、責任あるコミュニティーを作ります。
- 5、私たちは、常に多くの人々との意見交換をすることにより、価値観の多様性を学び、
世界中の人々と繋がるために心を開きます。
- 6、私たちは、グローバルな友情を大切にし、文化の多様性の理解を深めるために、
アイディアを交流する機会を活用します。
参加者の感想Voice

中国の学生
私は、他のアジア各国の学生はゴミ問題や3Rについてどう考えているのかわかりました。ディスカッションで様々なアイディアを聞かせてもらいました。是非とも、チームが提案した「無駄なし、廃棄なし」とのキャンペーンを実施しようと思います。また、自分の英語力をかなり高めることでき、嬉しいです。
(天津ヤウホア高等学校、中国)
私は、このプログラムを通じて、アジアの友達を作り、さらに学校には環境保全に関する教えられていない思考や経験を体験することが出来ました。もっとも勉強になったのはチームワークでした。チームメンバーの間は異なる意見が沢山ありましたが、同じ環境問題のある国に住んでいますので、いくつかの共通点がありました。異なる価値観をまとめるため、リーダーの役割は大きい事だと実感しました。難しいと思いますが、これからもチームワークのスキルを磨きます。
(南開大学、中国)

日本の学生
チームディスカッションで様々なことを実感しました。例えば、意見を主張するのを遠慮すると、議論が進んでしまい、結局その時の新しいアイディアを共有できなくなりますから、想いや意見があったら、メンバーと共有しなければならないことです。また、私は、タイ語やベトナム語をはじめ、さまざまな国の文化を学びました。非常に面白かったです。
(お茶の水女子大学附属高等学校、日本)
私は、本プログラムを通じて、異なる外国の文化を受け入れる方法を学びました。「すべての英語の世界」を経験し、英語力を向上させることも出来ました。チームメンバーは、自分と違う考えや行動を持つのは、彼らの文化は日本の文化とは違うことを理解できました。そして、皆さんにも日本文化を教え、他国の文化も体験することも大変楽しかったです。
(お東京都立西高等学校、日本)

マレーシアの学生
私は新しい友達をたくさん作り、様々な活動を経験したく、参加しました。一週間のプログラムを通じて、アジア各国の多くの若者と友達になり、さらにチームワークのスキルも学ぶことが 出来ました。チームメンバーがそれぞれに与えられた課題を果たすまで責任を持たなければなりません。そして、メンバーを信頼し、役割を任せなければならないことも学びました。また、 英語力を高めることもでき、日本語と中国語も少し話せるようなり、大変嬉しく思います。
(ペトロナス工科大学附属高等学校、マレーシア)
これからは、プラスチックの使用を減らし、食事を無駄にしないようにします。また、このプログラムから学んだゴミ管理の知識を、家族をはじめ多くの人々に広げたいと思います。また、他のアジア各国のメンバーが提案した素晴らしいアイディアを自分の大学でも応用しようと思います。
(マレーシアサインズ大学、マレーシア)

イオンドネシアの学生
チームディスカッションでは、文化の違いそして言葉の壁もあるので最初はお互いの意見が合わなかったです。しかし、少しずつ乗り越え、それぞれの意見を尊重しながら、まとめていけました。
(インドネシア大学、インドネシア)
私は、環境問題に関する知識を学び、自分の思考を広げたかったので、このプログラムに参加することを選択しました。また、この プログラムで経験した事を自分の国の環境問題を解決するために生かしたいとも思いました。このプログラムを通じ、ゴミ問題を解決するために、個人 個人による単純な行動が重要だと分かりました。帰国してから、この貴重な経験を生かし、回りの人々と一緒に、きれいな環境を作りたいと思います。
(SMAN 7 タンゲラン セラタン高等学校、インドネシア)

タイの学生
私はアジアに共通する環境問題の解決策を学びたく、このプログラムに参加しました。一週間の プログラムを通じ、ゴミ管理の知識やそれを解決するための色々なアイディアを聞かせてもらいました。タイに戻りましたら、是非とも学んだそれらの知識を回りの人々に広め、タイのゴミ問題の解決にも役立てたいと思います。
(チュラーロンコーン大学、タイ)
私は、異なる考え方と価値観を体験し、天津の環境問題を学びたくてこのプログラムに参加しました。講義、視察等の活動、さらにチームメンバーとアイディアを交換することで、勉強になりました。異なる背景と文化を持つメンバーとディスカッションする際、異なる考えをまとめるためには忍耐力が必要だとのことを学びました。
(トリアムウドムスックサー高等学校、タイ)

ベトナムの学生
環境保全の知識を習得することとアジアの若者と交流したくて、このプログラムに参加しました。一週間の プログラムを通じて、3R及びゴミ処理の知識をはじめ色々学べました。さらに、6ヶ国のメンバーと過ごし、ディスカッションを通じて、お互いの違いや共通点を深く理解できました。チームメンバーを信頼し、あらゆる活動に皆で参加し、一緒に笑ったり泣いたりすることで、兄弟姉妹のようになりました。
(クチ高等学校、ベトナム)
私のチームメンバーはフレンドリーで、それぞれユニークな個性と価値観を持っていますので、チームディスカッションの際、かなり苦労していましたが、面白かったです。本プログラムに参加でき、多国のメンバーに構成されたチームと問題解決スキル及び文化の 違いを学ぶことができ、大変良かったと思います。
(ホチーミン市人文社会科学大学、ベトナム)

先生の声
このプログラムは、全員の参加者に重要な4点を教えることが出来ました。(1)各国の文化違い、(2)環境問題と社会的責任の意味、(3)人々を尊敬すること、(4)国際的なネットワークと友好関係。ですので、本プログラムは学生に対し、貴重な経験と機会を提供したと思います。私自身も講義や視察活動の構成や詳細な行程に対し、大変感動しました。多国間のチームワーク及び革新的なアイディアを 促進したプログラムだと思います。
チャロエンラルノパルット チャリー さん
(准教授、タンマサート大学 シリントーン国際工学部、タイ)